「アボカドの種を栽培して観葉植物にする」という話は以前から気にはなってはいたけど、大きくなりすぎるのがちょっと…。

アボカドは生協の宅配で定期購入してるので、ほぼ毎週のように手元には届く。だけど調理後に出てくる“種”は普通に捨てている。
時々は栽培してみようかなと思うこともあったが、そのまま普通に育てると鉢植えでもけっこう大きくなるらしく、今ひとつ気乗りがしなかった。
そんな時、ある海外のサイトで、小さくて面白い形のアボカド(おそらく盆栽)を発見。これだったらいいかもと思い栽培してみることに…。

以前「アボカドの種を植えるのがひそかなブーム」というのをテレビで見たが、それによると、庭に地植えするとなんと5mほどになる場合もあるとのこと。(ちなみに原産地の野生では30mほどらしい。)

そうなるとまずいので今回はとうぜん鉢植えです。
しかも植物は、置かれた環境に見合った大きさになると思うので、手持ちの中でなるべく小さいサイズの植木鉢を選択…。
あとは「盆栽」のテイストをちょっとだけ取り入れながら育てていくと「小さなアボカドの木」に仕上げることが出来るはず…。
とにかく、小さいままをキープ出来るか出来ないかは、枝と根っこの摘心や剪定次第かと…。


■まずは、水耕栽培で種を発芽させる。

アボカドの種を育て始めたのが約5カ月ほど前…。うまくいくかどうか分からなかったけど、まず試しに水耕栽培で発芽させました…。 以下がこれまでの様子です。

水耕栽培の道具

用意したものは、【種】と【水を入れる容器(今回はガラス容器)】と【空のペットボトル】。
水を入れた容器の上部で種を保持する方法は色々あると思いますが、今回はペットボトルをカットしたものを使う方法にしました。

ペットボトルをカットしたものとは…
●まず、使用する容器に見合った大きさのペットボトルを用意します。
●その上部の口部分をカットし、さらに、ボトル部分の適当な箇所でカットします。
3分割された真ん中の部分を逆さまにすると、それがカップ状の“種置き”となります。
ペットボトルの加工方法
なお今回はハサミでカットしたのですが、口部分をカットする時はそこそこ硬かった…。
ボトル外側にいくほど肉厚は薄くなるので、もう少し穴を大きく(種の大きさギリギリ位に)すればもっと楽にカット出来たはず…。

栽培を始めたばかりのころ

そして、用意したガラス容器に水を入れ。その上にペットボトルで作った“種置き”を設置し。その中に、とがった部分を上にして種を置きます。

以上でアボカドの種を栽培するセットが完成…。
あとは、水を切らさないように気を配り、発芽するのを期待しながらしばらくは様子見です。

ちなみにこの時、2セット作っておきました。


種から根が出てきた様子

2か月後…

2セット作った内の1つがこれ。
とにかく無事に根が出てきてひと安心です。それにしても思っていたよりもずいぶんと遅かった…。

そして、もう1つのほうはというと、うんともすんとも…。 ダメだったのかな?半分あきらめです。

水耕栽培での根の長さを比較した様子

3カ月後…

あきらめかけたほうも根が出できた。良かった…。
それにしてもアボカドは発根が遅すぎる!

なお、種がパカッ!と半分に割れていますが、これは勝手に割れてきたもので、こちらでカットしたものではありません。不思議です…。

鉢に土を入れて植え替えしている様子

4カ月後…

両方ともそこそこ芽が出できたので、鉢に植え替えることに…。

土に植えたばかりの頃の芽の長さの比較

それはそうと、あとから根が出てきたほうの種は、芽が出てくるのもあとからだった…。
それなのにその種の芽はなんと途中からニョキ~ッ!と急成長し、先に芽出ししたほうの種の芽を追い越してしまって、長さが逆転…。
また、お互いの色も形もぜんぜん違う…。
ひょっとしてこれらのアボカドは品種が違うのか?

●左側の、長くて赤っぽい茎のほうが、あとから根が出て、あとから芽が出てきたほう。
●右側の、小さくて茎の色が緑のほうが、先に根が出て、先に芽が出たほう。

さらには、よく見ると種の割れた面の色も違う。
左側が白っぽくて、右側が緑っぽい。

販売するお店としても、仕入れ先が沢山あって色んな産地のものが納品されているはずなので品種が違ってくることも当然あるはず…。
これは考えるに、おそらく品種が違っていたのだろう…。おそらくですが…。

ちなみに、両方とも果肉の部分は食べたのですが、どっちが美味しかったかは全然覚えてはいない。

2週間経ってから芽の長さを比較した様子

4カ月半後…(土に植えて2週間後)

ほかの植物の場合でもそうですが、ずっと普通の水道水を与えていただけだと、土に植え替えたとたん急激に大きくなってくる。
とくに左側のやつの成長は早い…。

そしてこの先、ただ水を与えるだけの生やしっぱなし状態にしておくと、ただただひたすら大きくなってしまいそう。それだと今回の目的とは違う…。
ということで、ちょっと手間がかかってしまい面倒だけど、枝と根っこを剪定しながら大きさを制限させ、そしてワイヤーでクネクネさせながら自分好みの小さい樹形に育てていこうと思う…。

要するに、ちょっとした盆栽テイストのある卓上サイズの観葉植物ですね。
(逆に、ド~ンと大きくさせたい場合は、成長ごとに鉢増しして根っこを伸び伸びと…。)

果たして我流の「Avocado Bonsai」はうまくいくのだろうか…。


■それでは、アボカドを盆栽っぽくする計画の実行です。

まず第一弾として、先に長く伸びたほうの1つだけですが、茎をクネクネさせて盆栽テイストにします。
なお、この時点での茎の長さ(高さ)は約25cmくらいでした。

ちなみにですが、野菜などは水を与えないでおくと茎がしんなりと柔らかくなる場合がある。トマトの栽培ではそれを利用して茎を曲げ、結実している部分の高さを低くする方法もあるらしい。
ということで、とりあえず1日は水を与えなかった…。まあ、気休めかもしれませんが…。

木の棒に針金を螺旋状に巻いている

まず、針金を螺旋状にします。

用意するものは、
【柔らかい針金(アルミ製)】今回は太さ2㎜。
【細長い棒】今回は8㎜の木の丸棒。

まず細長い棒の周りに、針金をクルクルと螺旋状に巻いてゆきます。
この時、全部螺旋状にはせず、一方の先部分は土に挿し込ませる為ストレートのままにしておきます。

そして巻き終わったら中の棒を抜きます。
すると、螺旋状のコイルのような形のものが出来上がります。

茎の周りに針金を設置している様子

次に、螺旋状にした針金を、茎の周囲に巻いてゆきます。

まず、針金の先のストレートの部分を土に挿し込んで針金を固定させます。

そして、茎の周りで円を描くように針金をグルグルと回しながら螺旋状の針金の中に茎をはめ込んでゆきます。

針金の中に茎が収まっている様子

螺旋状の針金の中に、茎が収まります。

ちなみに今回のように「一旦別の棒に針金を巻いて、螺旋状のコイルのような形のものを作り、それで茎を覆う。」というのではなく、
本格的な盆栽でよく見られるように「茎に直接針金を螺旋状に巻いゆく。」という方法でも良かったとは思うのですが、それだと慣れていないし、きつく締まり過ぎて針金で茎を傷めてしまうのも嫌だったので今回はこのようにしました。
また、このあとさらに茎は太くなるはずだし、その太くなる分の余裕を茎の周りにある程度持たせておきたかった。というのもあったので…。

とにかくこれは、あくまでも盆栽テイストのある観葉植物を作るための我流です…。

茎をクネクネと曲げたところ

茎をクネクネと曲げて、盆栽のように形づくります。

そして、この先成長したときの形を想定しながら、針金を曲げて茎をクネクネさせます。

茎は以外と柔らかくて、折れることなくすんなりと曲げることが出来ました。

もうこれだけで、すでに盆栽っぽくて面白い!

あとは、このクネクネした状態で固まってくれたら針金を取り外す予定です。


以上、アボカドの種を栽培開始してからの約5カ月間の様子でした。

このあとも色々と手を加えながら、盆栽テイスト満載なアボカドの木に仕上げてゆく計画です。

●今後の予定…
まずはクネクネ状態のまま幹を太くします。
そして【摘心(芯止め)】をして、茎の所々から出ている芽を伸ばします。
そのほか【枝の剪定】【根の剪定】【針金の調整】などと手を加えながら、盆栽を作るイメージでで樹形をデザインしていこうと思います。

また、もう一本の“まだ小さい方”のアボカドも盆栽風にしようと思うのですが、今のところ大きくなるスピードや育ち方がちょっと違うようなので、色々と様子を見ながらの試行錯誤になるかな…。

いずれにしても上手くいくかどうかは分かりませんが、楽しみながら“小さく”育ててみようかと…。


■その後(追記)

アボカドの品種や種の個体差によって色々と違ってくる部分もあるとは思いますが、とりあえず参考まで…。

摘心の前と後

途中…。

出てくる芽は、見つけるとすぐにカット【摘心(芯止め)】するようにしている。
また、茎の横から出てくる小さい葉っぱも、全体の様子を見てカットすることはある。

特に温かい時期は、目を離すとあっという間に伸びてしまいすぐボウボウになろうとします。
しょっちゅう見ていないといけないので、世話をするのはけっこう忙しいかも…。

もし気付かずに伸ばしてしまったら、生え際でカット【枝の剪定】。
ただし、どこかに枯れそうな葉っぱがある場合は、あえて残すときもある。

なお最初は、【根の剪定】も必要かと思っていたけど、根っこをカットすると、より大きく育ってしまう植物もあるらしい…。とりあえず分からないので根の剪定はやめておいた。

ちなみに、上記のように摘心(芯止め)するのは大きくしたくない場合です。大きくしたい場合は、鉢を大きくして、時々水をやって、ただ放っておく。

約2年半後…。

2年半後のアボカド

こんな感じです。
結局、盆栽化と言えるのかどうかは分からないけど、テーブルの上に置ける小さな観葉植物としては十分に楽しめています。

とにかく、巨大化させたくないという目的は今のところ2本とも果たせている。
画像のようにアボカドのサイズは2本とも大体同じくらいで、約2年半経っても土の上面から木の先まで27~28cmほどです。
おそらく2年以上も摘心しないでいると、この5~7倍くらいの高さにはなっていると思う。確実に…。

なお、途中で幹の形を変えてみようと試してはみましたが、幹は太くなると硬くもなるのでちょっと難しかった。ポキッといくと悲しいし…。
ということで、幹の形に関してはアボカド本人にまかせておきました。そこは無作為の美です。
まあ、より太くて硬い針金で固定して、毎日少しずつ無理をして曲げていけば出来ないこともないとは思うけど…。とりあえず今のところは剪定で樹形を調整しています。


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