「フリーズドライにした苺をチョコレートコーティングしてあるやつ」が好きでたまに買うこともあるが、家でも作ることが出来ないか…。

果物をフリーズドライにする術はないけど、酸味のあるサクサクなものさえ作ってしまえば何とかなるような気もするので、今回は冷凍庫に保存してあったラズベリーを使って“それ風”のものを作ってみようかと思う。
要は「ベリー系の味がするサクサクとしたもの」をチョコレートコーティングすればよく似たものが出来るのではないかという安易な発想。

とにかく、フリーズドライのラズベリーを使った「チョコがけラズベリー」も普通に市販されているし、チョコとベリー系の果物は相性がいいので普通に美味しいはず…。


■まずはベリージャムを混ぜたメレンゲクッキーを作る。

今回は手作りのラズベリージャムを使用しますが、市販のジャムでも大丈夫。もちろん苺ジャムでも…。
苺ジャムを使うと、まさに「チョコがけイチゴ」。

メレンゲクッキーの材料
■材料

【ジャム】… 50g
【卵白(卵1個分)】… 今回は33gでした
【グラニュー糖】… 20g
【コーンスターチ】… 0~10g

【ジャム】市販のジャムで中に果肉のかたまりが入っている場合は、裏ごししておくといい。
※ここで使用したジャムは、ページ下部の ■ラズベリージャムの作り方。の項にて紹介。
【グラニュー糖】は卵白の重量に対して50~100%の重量で…。今回は約60%の割合である20gにしておいた。なお、グラニュー糖は多い分だけカリカリのメレンゲクッキーになる。もちろん甘さは強くなる。この甘さやカリカリ感はお好みで…。
ちなみに、卵白と同じ重量(100%の割合)でも作ってみたがそれはそれで美味しかった。
【コーンスターチ】に関しては、10g入れたパターンと、全く入れなかったパターンを作ってみたところ、入れたほうは比較的サクサク感があって、入れなかったほうは比較的口溶けが良かった。
結局、入れても入れなくてもどちらでもいいが、今回は間を取って5g入れておいた。

●なお今回使用したオーブンは、100℃が最低温度である普通の家庭用オーブンレンジです。

■作り方


メレンゲを立てる様子

.メレンゲを立てる。

●まず、卵白を泡雪状ほどにまで泡立てます。
●そこへ、1/3くらいのグラニュー糖を加えさらに泡立てます。
●今回は、グラニュー糖を3回に分けて加えながら泡立てていきました。
●ツノが立つくらいにまで泡立てたらメレンゲの完成。

材料は2つだけ!泡立て器で作る「メレンゲクッキー」のページでは、メレンゲクッキーの作り方をさらに詳しく。

コーンスターチを混ぜる様子

.コーンスターチを混ぜる。

●まず、コーンスターチをふるいながら入れる。
●そのあと、ボールを回しながらスパチュラでさっくりと混ぜ合わせる。

ジャムとメレンゲを混ぜる様子

.ジャムとメレンゲを混ぜる。

●別のボウルにジャムを全部入れ、そこにメレンゲを1/3ほど入れて混ぜる。

均等に混ぜ合わせたところ

●さらに、残りのメレンゲを全部入れて均等に混ぜ合わせる。
※但し、均等には混ぜるけど、混ぜ過ぎはNG。

.オーブンを予熱。

オーブンを【100℃】に予熱しておく。

絞り袋から生地を絞り出している

.生地を絞る。

●まず、絞り袋に生地を詰めます。
●そして、天板にオーブンペーパーを敷き、その上に生地を絞ります。
大きさによって乾燥する時間が変わるかもしれないので、なるべくよく似たサイズ・形状で絞る。

なお、この生地を絞り出す際の形状で食感や口当たりを変えることが出来ます。
例えば、「コロンとした形」「細いスティック状」「薄いクッキーのような形」「小さいキスチョコのような感じ」「星形の口金を使った場合」等々、サイズ・形状を変えることによって、それぞれの噛んだ時の硬さや割れ方は違ってくるし、チョコでコーティングした際にはチョコと生地とのバランス(割合)も変わってくる。

焼き終わったところ

.100℃のオーブンで焼く(乾燥)。

●100℃のオーブンでゆっくり焼きます。
焼き(乾燥)時間に関しては…
今回は90分くらい。
ちなみに、ジャム無しの場合は60分でOKだったのですが、ジャムを多く入れたせいで時間がかかってしまった…。
なお、焼き時間が増えるにつれて、焼き色は濃くなってしまいます。
●そして、焼き終わったらオーブンの扉は開けず、そのままの状態で30分程「庫内に貯まった余熱」で引き続き乾燥させます。

なお、庫内から出してすぐに押さえると、残熱の影響でグラニュー糖がまだ固まっておらずビミョーに軟らかい場合もありますが、ある程度冷めるとカリカリになります。
ただ、完全に乾燥していないとカリカリにはなりません。その場合は追加で加熱する。

※使用するオーブンによっては、焼き時間や乾燥するまでの時間が異なる場合もあるかもしれません。

キレイに仕上がったメレンゲクッキー

ラズベリー味のメレンゲクッキーが完成!!

甘酸っぱくて、このままでも普通においしいです。
もしこのままで終了にするなら、完全に冷めてしまう前に密閉容器に入れておくと表面がべたつきにくくなります。


■メレンゲクッキーの焼き色を薄くする方法。

なお、上記の方法では焼き色が濃くなってしまいちょっと残念…。
希望としては、表面の色はもちろん、カリッと噛んだ時の断面もピンク色であってほしかった。
ということで、以下の方法も試してみることにした。

天板の上部に焼き網を設置

焼き色の付く原因を取り除く…

焼き色が付く原因としては2つ。
●1つ目は、下の天板からダイレクトに熱が伝わってきて、メレンゲクッキーの底面から焼き色が付いてくる。
●2つ目は、天火の熱で焼き色が付いてしまう。

そこで、2つの工夫をして焼き色を抑えてみた。
●まず1つ目は、生地を並べておくオーブンシートを、天板から浮いた状態にしておくという方法。
例えば画像のように、天板の上部にバーベキューの焼き網を設置し、その上にオーブンシートを敷くとオーブンシートと天板の間には空間が出来る。
なおここでは、偶然にもピッタリサイズの焼き網があったのでそれを使った。
●そして2つ目は、ある程度メレンゲが固まった状態になったら、上部をアルミホイルで覆って天火の直熱を遮断し焼き色を抑える。
今回は、上記の1つ目のセッティングで焼き始め、35分ほど経ったあたりで上部をアルミホイルで覆って、引き続き焼きました。
なお、そのアルミホイルは、焼いている最中のメレンゲクッキーの上には直接載せず、「オーブンの天板を設置する上段の部分」に上記とは別の焼き網を設置し、その上にアルミホイルを載せて天火の熱を遮断しました。

なおこの2つの方法を用いると、下の天板から直に伝わってくる熱や上からの天火の熱が少なくなるので、上記の工程6の場合よりもさらに10分ほど焼く時間を長くしました。

キレイに仕上がったメレンゲクッキー

その結果は…

結果的には、まあまあキレイに仕上がりました。
しかも味に関しては、焼き色が少ないおかげでラズベリー感がよりクリア…。
ということで、以下のチョコレートコーティングではこれを使うことにした。

※ちなみに、使用するオーブンの構造や能力、またメレンゲを絞り出す際のサイズや形状によっては、全然違う結果になることはあるかもしれません。


■メレンゲクッキーをチョコレートでコーティング。

上記のメレンゲクッキーを、テンパリングしたチョコレートでコーティングします。

ボウル2つに分けたチョコレート
■材料

【板チョコ】… カカオ50%のチョコ
【メレンゲクッキー】… 上記のもの

【板チョコ】ここで使うのは、一般的なカカオマスを含むブラックのチョコレートですが、ホワイトチョコレートでもOK…。
【メレンゲクッキー】今回はラズベリージャムのメレンゲクッキーですが、苺ジャムのメレンゲクッキーを作り、それをホワイトチョコレートでコーティングすれば、まさに「ミルクチョコがけイチゴ」。

■作り方


フレーク法でテンパリングしている

.チョコレートをテンパリング。

今回はフレーク法でテンパリングしました。
参考にしたある記事によれば「この方法のデメリットは多少粘り気が出て重ためになること。」と書いてあった。ということは厚目のコーティングになるのではないかと思いそのデメリットを利用してみることにした。

●まず、チョコレートをフレーク状にカットし、あらかじめ「2:1」に分けておいた。
●そして、多いほうのチョコレートを50~55℃位の湯煎で溶かし、45~50℃になるまで温める。
●次に、少ないほうのチョコレートを加え。混ぜながら溶かしていく。
●30~32℃になったらテンパリングの完了。

※なお、チョコレートの原材料やその割合によって上記の温度は多少変わってくるはず。

クッキーをチョコでコーティング

.メレンゲクッキーをチョコレートでコーティング。

コーティングしたあとは「表面にシリコン加工がされているオーブン(クッキング)シート」の上に並べていきました。

なお、コーティングする際の道具に関しては…。
「歯が3~4本ある普通のフォーク」でも出来なくはないですが、チョコレートが冷えてくるとフォークの歯の隙間がチョコレートで埋まってしまい、ほぼスプーンと同じ状態になってしまうことがある。そうなったらちょっと使いにくい。
そこで、チョコレートフォークの出番となるのですが、それは持っていないので今回は代用品を使うことにした。
その代用品が画像のもの。専用のチョコレートフォークのように見えなくもないですが、実は、BBQなどで使われることのある「マシュマロ串」です。

トレーに並べて冷やす

.冷まして固める。

今回は、涼しめの部屋に置いて固めました。

チョコレートが固まった様子

チョコレートが固化してもブルーム現象は発生しなかった。ということで無事完成!!

なお、食べてみた感想は…
想像していた通り普通に美味しい。そして今回の目的としていた「フリーズドライにした苺をチョココーティングしてあるやつ」にそこそこ近い感じにもなっています。

あと、メレンゲクッキーを密閉容器に入れずに放置しておくと、表面がべたついてグニャッとしてきますが、チョココーティングしてあると、そのコーティングが空気を遮断してくれて、外に出したままでも長くサクサクが保たれていました。


■ラズベリージャムの作り方。

今回使用するラズベリーは、庭で収穫して冷凍庫でストックしておいたものです。

ラズベリージャムの材料
■材料

【冷凍ラズベリー】… 200g
【グラニュー糖】… 100g
【レモン汁】… 15g(大さじ1)

上記の砂糖の割合は、どちらかというと少なめなほうなので常温保存は出来ません。
ジャムとして保存するなら要冷蔵のタイプです。

■作り方


鍋に材料を入れて煮詰める様子

.材料を鍋に入れて煮詰める。

●まず、鍋の中にラズベリーとグラニュー糖を入れてかき混ぜ、水分が出るまで置いておく。
●水分が出たらレモン汁を入れて、中火にかける。
●沸騰したら弱火にし、灰汁を取って煮詰める。
煮詰め具合としては、最終的な目的の硬さよりもユルめにし、そこで一旦火を止める。

泡立て器でグルグルと回す様子

.種を取る。

煮詰めたものを濾し器の中に入れ、泡立て器でグルグルと回します。
そうしていると、濾し器の中に種を残して果肉部分と果汁部分だけが下に落ちていきます。
そして、濾し器の中の具が残り少なくなってきたら金属スプーンに持ち替え、そのスプーン凸側の縁で濾し器の内側を何度も擦るようにしているとさらに果肉部分を下に落とすことが出来ます。

※なお当然ではありますが、使用する濾し器は、種の大きさよりも網の目が小さいことが条件です。

鍋を加熱している

.再度加熱する。

鍋に戻して好みの硬さまで煮詰めます。
なお、冷えるとさらに硬くなるので、ある程度ユルユルな状態で止めました。

なお加熱したのは、衛生的な意味もあります。

密閉容器に移している

.密閉容器に移して保存。

殺菌処理をした密閉容器に移し、蓋を締めて密閉しておきます。

ちなみに、容器に流し込むときはユルユルですが、冷蔵庫で冷やすと普通にジャムらしく固化ます。


以上、ジャムとメレンゲを用いて作る「チョコがけベリー」のレシピでした。

メレンゲクッキーの断面

参考までに、中のメレンゲクッキーには焼き色の薄いものを使っているので、半分に割った時の断面の色もキレイです。

なお今回は、メレンゲにラズベリージャムを混ぜていますが、そこは苺ジャムでも葡萄ジャムでも何でもいいと思う。
もちろん外側のコーティングも、ビーターチョコでもミルクチョコでもホワイトチョコでも抹茶チョコでも何でもいい。
使用するジャムやチョコレートの種類次第では、色んな味が楽しめそう。
とにかくフルーツであれば、おおむねチョコとの相性はいいので…。

ホワイトチョコでコーティングしたタイプ

ちなみにですが、ラズベリー味のメレンゲクッキーも残っていたことだし、せっかくなのでホワイトチョコでコーティングしたタイプも作ってみた…。
結果としては、これはこれで美味しい…。
むしろ、上記で作ったブラックチョコのタイプよりも好きかもしれない…。


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