あると思うだけで朝のパンが楽しみになってしまうチョコスプレッド。
サクサクに焼いたトーストやスライスしたバゲット、コッペパンやクロワッサンなどにタップリと塗って頂くのは至福の時間です。
パン以外には、クッキーやクラッカー、バニラアイスなどに添えるのもあり…。
また、焼菓子やガトーショコラの材料としても使えるし、カットフルーツと一緒におしゃれなお皿に盛り付けるだけで立派なスイーツにもなる。

今回はそんな「チョコスプレッド」を板チョコを使って手作りします。なお「アーモンドプラリネ」を練り込んでちょっとリッチにも…。
とにかく、自家製だととてもリーズナブル…。


■始めに「アーモンドプラリネ」を作っておく。

完成したプラリネとその材料

●まずは、アーモンドを砂糖に絡めてキャラメリゼ。

ここでの材料は…
【ローストアーモンド】… 75g
【グラニュー糖】… 45g
【水】… 20g です。

なお、下記で作るチョコスプレッドではビターな板チョコを使用するので、キャラメリゼの工程では、煮詰め過ぎて色が濃くなり過ぎないように気を付けました…。カラメルまでビターにし過ぎると超ビターなスプレッドに仕上がってしまうので…。

クランチとペーストにしたプラリネ

●出来たプラリネを「クランチ」と「ペースト」にする。

プラリネ表面のカラメルが冷えて固まったら、粒々に砕いて「クランチ」にし、それを1/3と2/3とに分けます。(左画像)
そして、1/3のほうは「クランチ」のままで、2/3のほうは「ペースト(右画像)」にしておきます。

※なお「アーモンドプラリネ」及び「クランチ」や「ペースト」の作り方は、下記のページでも詳しく紹介しています…。
アーモンドの「プラリネ」を2通りの方法で作ってみた


■いくつかの板チョコで「スプレッド」を作ってみた。

数種類の板チョコ

当然ながら、板チョコだからと言ってすべてが同じ原材料なわけではなく、【カカオマス・砂糖・ココアバター】だけのシンプルなものから、そこへさらに【香料・植物油脂・乳化剤・その他色々】などが加えられているものまで様々ある。そして、原材料ぞれぞれの割合がまったく異なる場合も多い。
そこで、いくつかの種類の板チョコでスプレッドを作ってみることにした。

作り方は下記の ■アーモンドプラリネの入った「チョコスプレッド」 の通り。

ラスクに塗ったチョコスプレッド

結果としては、用意したスプレッドの材料や作り方は全く同じなのに、使用する板チョコが違うと、仕上がりも全然違ってくる。

まず、「原材料に植物油脂の入った板チョコ」を用いると「シンプルな原材料の板チョコ」で作るよりも油分の割合は多くなる。
そのせいなのか「原材料に植物油脂の入った板チョコ」を使用した場合は、常温にしばらく放置しておくと混ぜた油が比較的にじみ出てきやすい。

画像左側は、原材料が【カカオマス・砂糖・ココアバター・香料】だけの、比較的シンプルな板チョコ(カカオ70%)を用いたスプレッド。
画像右側は、上記の原材料にプラスして【乳糖・植物油脂・乳化剤】も入っている板チョコ(カカオ50%)を用いたスプレッド。

ラスクに塗ってあるこの2種類のスプレッドをしばらく放置してみると、放置している時間は両者とも同じなのに、右側のほうが早く軟らかくなって表面がテカテカしてくるのに対して、左側のほうは塗った時のままの状態を比較的長く維持することが出来ている。

ちなみに、油がにじみ出るのは常温にしばらく置いた場合であって、作ってすぐ冷蔵庫で保存しておけば、どの板チョコで作ったとしても保存ビンの中で油がにじみ出てくることはなかった…。
ともあれこのレシピは、どんな板チョコで作ったとしても「完成したあとはビンに詰めて要冷蔵」がマスト。

なお、味に関しては人それぞれの好みなので、どちらが良いとか悪いとかはない…。個人的にはどちらも美味しかった。


■アーモンドプラリネの入った「チョコスプレッド」。

チョコスプレッドの材料
■材料

【板チョコ】… 100g
【アーモンドプラリネペースト】… 上記通り
【アーモンドプラリネクランチ】… 上記通り
【牛乳】… 50g
【菜種油】… 50g

ここで使用する板チョコは、原材料が【カカオマス・砂糖・ココアバター・香料】だけのシンプルなものであって「カカオ70%」のタイプです。
なので上記の材料だと、まあまあビーターな大人味のチョコスプレッドになります。

もっとミルク感が欲しいというのであれば…
上記に【スキムミルク】をたっぷりと追加する。
もしくは
最初から【ミルクチョコレート】を使う。

さらに甘い香りが欲しい場合は…
【バニラビーンズ】【バニラエッセンス】などを追加するというのもいいかもしれない。

■作り方


板チョコを細かく刻んでいる

.チョコレートは刻んでおく。

早く溶けるように薄く均等に刻んでおきます。

鍋に入れる牛乳と菜種油

.鍋に牛乳と菜種油を入れて加熱。

鍋に牛乳と菜種油を入れて弱火で加熱し、牛乳の周り(鍋肌)に泡が立ってきたらすぐに火を消します。
※ここではグツグツと沸騰させない。

もし、バニラビーンズを加えるのであれば、この時点で牛乳と一緒に入れる。

刻んだ板チョコを鍋に入れて溶かす

.チョコレートを入れて溶かす。

鍋にチョコレートを入れ、余熱で溶かしながら材料を混ぜ合わせます。

もし、スキムミルクを加えるのであれば、チョコレートが溶けた時点で…。
※冷た過ぎても熱過ぎてもスキムミルクは溶けにくいのでこのあたりが丁度よい。

溶かしたチョコにプラリネを混ぜる

.アーモンドプラリネペーストを混ぜ合わせる。

溶けたチョコレートとアーモンドプラリネペーストを混ぜ合わせます。

材料をかき混ぜる

.混ぜながら常温まで冷ます。

ボウルなどに入れた常温の水に鍋底を浸け、鍋の中のチョコレートを混ぜながら常温まで冷まします。
その途中、底の水は温まりますので何度か冷たい常温水と交換する。

鍋にプラリネのクランチを入れる

.アーモンドプラリネのクランチを入れて混ぜ合わせる。

鍋の中のチョコレートが常温まで冷めたら、アーモンドプラリネのクランチを入れて混ぜ合わせます。

混ぜてクランチを練り込む

なお保存ビンに入れる際は、この柔らかいトロトロ状態の時点でもう完成としておいて、このままトロ~ッと流し込むほうが楽ではありますが、この時点で保存ビンに詰めておくと、時間の経過とともにオイルが分離して上部にオイルの層が出来てしまう場合もあります。
なのでこのあとの工程でさらにしっかりと混ぜ合わせて安定させます(エマルジョン化させます)。

氷水で鍋底を冷やす

.氷水に浸けながら混ぜ合わせる。

鍋底を氷水に浸けながらヘラなどでかき混ぜます。
こうすると、分離しようとする材料が均一に混ざり合ったままエマルジョン化します。

なお、鍋の底部分から硬くなってきますので、必ず鍋の底をなでるようにしながら混ぜ続けます。
見た目的には「ツヤの有る状態」から「ツヤの無い状態」になるまで。
手の感触的には「柔かいトロトロ状態」から「ヘラで混ぜにくい状態」になるまで混ぜ続けます。

ある時点で急に硬くなりますが、硬くなるまでの速さは、使用する板チョコや冷やす氷の量によって違います。

固まった状態のチョコスプレッド

.ツヤが無くなって硬くなってきたら完成。

今回はシンプルな原材料の板チョコで作りましたがすぐに硬くなりました。
なお、植物油脂の入ったタイプの板チョコで作った場合は比較的遅めでした。

ビンに詰めたチョコスプレッド

.ビンに詰めて冷蔵庫で保存。

ビンに詰めたらすぐに冷蔵庫に入れて保存します。
なお、使用するその保存ビンは、あらかじめ熱湯消毒かアルコール消毒をしておいたものを使用。

以上のように、アーモンドプラリネ入りのチョコスプレッドを作ってみました。

塗った後の2種類のチョコスプレッド

ともあれ、冷蔵庫で冷やしてもカチカチにはならない塗りやすいスプレッドになっています。

なお、左側の大きいビンに入ったスプレッドが上記で作ったもので、右側の小さいビンのスプレッドが原材料に植物油脂の入ったミルクチョコレート(カカオ30~40%程度の板チョコ)で作ったもの。

ちなみに、上記のレシピに決めるまで、チョコレートの種類やその他の材料の種類、またはそれらの分量、そして混ぜる方法などを色々変えて8パターンの試作をしましたが、失敗作(下記の通り)も含めてどれも美味しかったです。


加工する前の材料

今回決めた上記のレシピでは、材料のひとつとして菜種油を用いていますが、このパターンを作る前には「菜種油のところがすべてバター(無塩)」というパターンも試作しています…。
結果から言うと、ちょっと硬すぎ…。
冷蔵庫から出してトーストに塗ろうと思ってもトーストの上で塊がコロコロ転がっているだけでいっこうに伸びない。
チョコスプレットというよりもほぼチョコレートガナッシュでした。
でもそれはそれで美味しかったので、ビンの中からスプーンでくり抜いて塊のままチョコレートガナッシュとして頂きました。
次に「菜種油のところを、バターと菜種油が半分半分の割合」というパターンも作ってみましたが、やはりチョコレートガナッシュでした。
それは【カカオマス・砂糖・ココアバター・香料】だけのシンプルな原材料の板チョコを使っても、【植物油脂】などが入っている板チョコを使っても同じで、いずれもチョコレートガナッシュになってしまいました。
ただ「菜種油のところが、バター1:菜種油9くらいの割合」にしたらどうなるのかは、試していないので分からない。

ちなみに、「牛乳」に「バター」を合わせるパターンではなく、その部分を「生クリーム」だけにしたら柔らかく出来たのかもしれないけど、一般家庭で用意することが比較的簡単そうな「牛乳」と「何かの植物油」でどうしても試してみたかった…。
「何かの植物油」もいくつか候補はあったけど、冷やしても硬くはならないし味と臭いに癖もない、いつも使っているものなのでストックもある、ということで「菜種油」を採用。
使用した菜種油は圧搾法で絞られた一番搾りのヘルシーなタイプ。油だからといってギトギトなイメージもないしコレステロールもゼロです。


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