甘い香りとスパイシーな風味があとをひくシナモンロール…。食べたあとの口の中に残るかすかな辛さがなんともクセになる。
こどものころは特に美味しいとは思わなかったが、今となっては新しく見つけたパン屋さんにシナモンロールがおいてあったら必ず一回は買ってみるという感じ。

ちなみに、これまで手作りすることもあったけど、使うスパイスがシナモンだけのタイプのみ…。
“生地にカルダモンを加えるタイプ”は作ったことがなかったので今回それを作ってみることにした。


■カルダモンを入れるタイプの北欧風シナモンロール。

シナモンロールには色々な種類があるが、大きく分けて北欧風とアメリカ風があるみたい…。
例えば、焼いた後に天面が真っ白になるくらいアイシングをかけて仕上げるタイプがある。このタイプはどちらかと言えばアメリカ風に多いのかな?
アイシングにはシンプルに粉砂糖を水で溶いたものや、粉砂糖と卵白を混ぜたもの、バターやクリームチーズを混ぜたもの、その他にも色々とある。
ちなみに、このアイシングを細い線状に垂らしたタイプもあるがこれは何風なんだろう?
北欧風の中には、生地にカルダモンを練り込み、ザラメ糖やワッフル(パール)シュガーなどをトッピングしてから焼いて、アイシングはしないタイプがある。
今回作るのはそのタイプの北欧風…。味わいはカルダモンの風味がエキゾチックで個性的。これを食べたあと、カルダモンを入れたせいかしばらく胃の辺りがほんわか温かく感じるような気がした。ショウガ科だからかな?…。まあ、あくまでも“気がした”ですけど…。

シナモンロールの材料
■材料(6個分)
◆生地
【強力粉】… 200g
【ドライイースト】… 3g
【きび砂糖】… 12g
【カルダモン】… 2さや(パウダー使用の場合は約0.5~1g)
【塩】… 2g
【無塩バター】… 30g
◆フィリング
【シナモンパウダー】… 5g
【きび砂糖】… 30g
【無塩バター】… 15g
◆トッピング
【ワッフル(パール)シュガー】【ザラメ糖】【細かくしたアーモンド】など… 適量
【溶き卵】生地使用分の残りを利用すると無駄なく使えます。

[下準備]
・卵・無塩バターは常温に戻しておきます。
・卵をよく溶いておきます。

■作り方


乳鉢ですり潰すカルダモン

.カルダモンをすり潰す。

クッキングバサミなどで“さや”に切込みを入れて中の種子をとり出し、それを乳鉢やすり鉢を使って”粗挽き胡椒”くらいにすり潰します。

なおパウダーを使う場合、この工程はスルー。

ちなみに今回はカルダモンを入れるタイプですが、入れなくても普通に美味しいです…。

シナモンと砂糖を混ぜ合わせる

.フィリングの下準備。

“シナモン”と“きび砂糖”を混ぜ合わせてシナモンシュガーにしておきます。

強力粉をザルでふるう

.強力粉をザルでふるう。

ザルなどでふるいながら強力粉をボウルに入れます。

牛乳と卵液を加える

.生地の材料を合わせます。

●ボウルに入れた強力粉の真ん中にくぼみを作り、そこにドライイースト・きび砂糖を入れ、その端にはカルダモンを振り入れる。そしてくぼみの中に牛乳を注ぎます。
※なお、牛乳は注ぐ前にレンジなどで30℃ほどに温めておきます。(指で触れたときに常温よりもほんの気持ち温かい程度。)

●そして軽く混ぜたあと、溶き卵を加えます。

軽く混ぜてから塩を入れる

●さらに混ぜ合わせたあと、塩を加えます。

手で揉んでからバターを入れる

●手で揉んだりボウルに押し付けるようにして混ぜます。
●粉っぽさがなくるまでまとめたらバターを加え、さらに手で揉んでバターを練り込みます。

手に付かなくなるまでバターを馴染ませる

はじめは生地とバターが分離している状態(左画像)で手にバターがベタベタとつきますが、揉んでいくうちに生地にバターが馴染んでゆき、手にバターがつかなくなってきます。

作業台の上で生地をこねる

.生地をこねます。

作業台の上でこねて生地をなめらかにします。

引っ張って薄くのばした生地

こねあがりの目安…
生地を引っ張ったときに、指が透けるくらいまで滑らかに薄くのびるようになるまで。

生地がなめらかになったら丸くまとめてボウルに入れます。

ボウルの上に布巾をかけて一次発酵

.一次発酵。

乾燥しないようにボウルの上に濡れ布巾やラップなどをかけて放置しておきます。
発酵時間は、30℃の場所で40分から1時間くらい。

指を差し込んでフィンガーテスト

中を確認して2倍ほどに膨らんでいたらフィンガーテストをおこないます。
OKなら一次発酵終了です。

※フィンガーテスト…
まず、粉をつけた人差し指を、膨らんだ生地に差し込んで引き抜きます。
引き抜いた跡がそのまま残れば発酵終了、すぐに埋まってしまったらもう少し時間をおきます。

生地をパンチして丸め直す

.ベンチタイム。

パンチをして生地の空気を抜き、丸め直します。

ぬれ布巾をかけてベンチタイム

そして、塗れ布巾をかけて15分ほど休ませます。

めん棒で長方形にのばす

.生地をのばす。

めん棒で約20×40cmほどの長方形にのばします。

シナモンシュガーをまぶす

.シナモンシュガーをまぶす。

生地を横長に置き、巻き終わりになる上端の部分を2cmぐらいを残してバターを塗り、その上からシナモンシュガーをまぶします。

ちなみにここでは、バターとシナモンシュガーを別々に塗ったりまぶしたりしましたが、お互いを最初から混ぜてしまってペースト状にしてから塗ったほうがいい場合もあります。その理由は下部にある次の項目で…。

手前から生地を巻いてゆく

10.生地を巻く。

生地を手前から巻いてゆき、巻き終わりをしっかりと閉じます。

台形になるように包丁でカット

11.台形にカット。

まず包丁を斜めに傾けて端の部分をカットします。そしてその包丁を端から順に“右・左”と交互に傾けながらカットしてゆきます。
このように、それぞれが交互に台形となるようにしながら6等分に切り分けます。

菜箸で中心を押さえる

12.成形。

台形の狭い部分が上になるように置きなおし、菜箸や2本の小指などを使って中心を押さえつけます。

オーブンの天板に並べて二次発酵

13.二次発酵。

オーブンシートを敷いた天板に並べ、1.5~2倍に膨らむまでオーブンで二次発酵させます。(40℃で約20分)

※二次発酵終了後、すぐにオーブンの予熱を開始する。

表面に卵液を塗る

14.表面に卵液を塗ります。

ベッタリと塗っても問題はないですが、焼き上がりがピカピカにならないように今回は薄~く塗りました。

ワッフルシュガーをトッピング

15.トッピング。

「ワッフル(パール)シュガー」や「ザラメ糖」または、「アーモンドダイス」や「アーモンドスライス」を散らします。
なおここでは「ワッフル(パール)シュガー」をトッピングしています。
ちなみに、上記の卵液が接着剤となります。

焼き上がりの状態

16.焼成。

190℃のオーブンで、焼き色がつくまで10~12分間焼いて出来上がりです。

※表面の高い部分は焦げやすいので8~9分経過したところで焼き色を確認する。残りの時間にアルミホイルを被せて焼くと多少は焦げ防止になる。

ザラメ糖をトッピングした場合

ちなみにこれはザラメ糖をトッピングした場合。

なお表面がピカピカになっているのはザラメ糖の影響ではなく、卵液をベッタリと塗った為です。


■別の成形方法の“ねじって結ぶ”タイプも作ってみた。

完成した形がかわいい“ねじって結ぶ”ノット型です。
なお、材料・生地の作り方・焼き方は上記レシピと同じです。(上記の工程9~工程12の成形以外の工程は大体同じ。)

生地にシナモンペーストを塗る

まず、生地の半分にだけフィリングを塗ります。

ここではバターとシナモンシュガーを練り合わせて、ペースト状にしてから生地に塗りました。

その理由は…
上記レシピのような成形方法の場合には、延ばした生地の上にバターとシナモンシュガーを混ぜないでのせてもOKですが、このようにねじったりして複雑な形状に成形する場合には、バターとシナモンシュガーはあらかじめ練り合わせておいてペースト状にしてから生地に塗るほう安心です。
上記レシピのようにバターを塗った生地の上にシナモンシュガーをのせてあるだけだと、このあと生地をねじった時に、けっこうな量のシナモンシュガーがサラサラとこぼれ落ちてしまいます。

生地を6等分にカットする

半分に折り曲げて等分にカットします。

生地をねじって丸くまとめる

細長く等分した生地をねじり、そのあとさらに結ぶようにして丸めます。

まず、画像のようにクネクネとねじります。
そして、ねじった生地をひらがなの“のの字”に丸めて、端の部分を“のの字”の穴に差し込んで結ぶようにして丸めます。

オーブントレーの上での焼き上がり状態

上記のレシピと同じ要領で焼いたら出来上がり。

ここではトッピングをしませんでしたが、上記レシピと同じように焼く前にトッピングしておいてもいいし、このようにトッピングせずこのあとアイシングをかけても良い。


■アイシングをかける場合…。

アイシングをかける場合は、上記工程14での 表面に卵液だけを塗った(トッピングしない)状態で焼成する。
そして焼き上がったあと、常温で冷まして冷たくなったところでアイシングをかける。

アイシングをかけた状態

アイシングの作り方…

■材料
【粉砂糖】… 40g
【水】… 7.5g(大さじ1/2)

■作り方
粉砂糖に水を加えトロリとなるまで混ぜる。
なお、水を多くすると塗った時に薄~く伸びるので透明っぽくなりやすい。これは水分を調整してお好みの加減で…。
上記の分量だとトロリとしているのでパンの表面で乳白っぽく固まってくれます。

その他には、「しっかりと溶きほぐした卵白に粉砂糖を混ぜてクリーム状になるまで混ぜる」という方法もある。さらにその材料の中にレモン果汁を加える場合も…。この場合は上記の方法よりも確実に白っぽくなる。
さらには、試したことはないが粉砂糖にクリームチーズやバターを混ぜたり、牛乳で粉砂糖を溶かす方法もあるらしい。


■よくある“うず巻きタイプ”も作ってみた。

アメリカ風のシナモンロール

うず巻きタイプでは生地をロール状に巻いて太巻きずしのような感じで数個にカットし、それをオーブンシートの上に寝かせて焼くパターンが多いですが、それをさらにカップに差し込んで焼くと画像のようになる。

ちなみにこの材料では、上記レシピの場合からカルダモンを抜きました。そのあとの成形以外の工程はほぼ同じです。
トッピングはしていませんが、天面には水分を多くし過ぎたサラサラな薄~いアイシング(ちょっと失敗)を塗ってあります。(本当はもっとコッテリとかけたかった…。)
なお、クリームチーズを混ぜたフォンダンアイシングを天面が真っ白になるまでかけたら、アメリカの某コーヒーチェーンのシナモンロールみたいな感じになるかも…。

シリコン製マフィン型

使用したカップはこれ。6個入りのシリコン製マフィン型です。

ちなみに、生地をカップに入れる前にはカップの内側にバターを塗っておきます。
そのバターは離型のためなのですが、ついでにバター風味がアップして美味しくもなります。


以上、「シナモンロール」のレシピでした。
ちなみにここ1週間で、所々仕様を変えながら5回(1回で6個)焼きましたが、毎日のように食べても全然飽きません…。
とにかく、コーヒーや紅茶などと一緒に頂く時間は至福のひと時です…。


ONLINE SHOP|オブノウ

ナチュラル キッチン雑貨

木と鉄の雑貨|of nou

インダストリアル家具

木と鉄の家具|of nou