洗って使える「布製マスク」は、 使い捨てのマスクとは違い、何度も使えるので経済的。

もちろん 手芸店で売られているような“普通の布”で作るものなので、あくまでも“手作りマスク”の域は越えないとは思うが、とりあえずはエチケット用として、また花粉の季節に、または喉の潤いのため、その他・・・などに 無いよりかはまし。
ということで、「布製マスク」をいくつか手作りしてみようかと…。

作る前の材料

なお、マスクは常に衛生的でありたいので、半日に1回は取り替えたい。となると1日分として最低2枚は欲しい。
しかし、2枚だけだと取り替える度に外したマスクを洗わなければいけない。
でもそれは面倒。なるべく1日分はまとめて洗いたい。そうなると最低でも2日分は欲しい…。

とにかく、1個作るのも数個作るのも 準備する事は同じなので、今回は沢山作っておく。

とはいえ、人によって顔の形や大きさは其々違うので、どのタイプが最適なのか分からない。
ということで、代表的な3種類の形で作ってみた。

ちなみに、比較もかねて、材料は3種類ともほぼ同じにします。


[1]■まずは、折りたたみ式の立体型マスク。

型紙の要素には直線がほとんどで折り紙のようですが、完成すると立体的になります。

直線的なタイプの立体型マスクが3色

今回は3色作りました。
色の一番薄いものは、綿シーチングの生地そのままの生成り(きなり)色で、その他2色は、生成り色の綿シーチングをコーヒー染めしたもの。
一番濃い色は3回染め。真ん中は2回染め。
※染め方の参考 ↓
コーヒー・紅茶で「手染め」して、味のある雰囲気の布に

なお、このタイプのマスクだけ、下記にて作り方を紹介します。

■作り方


本体部分の型紙
内側の布の型紙
■材料

【A】… 綿シーチング
【B】… 綿ブロード
【C】… 綿さらし

いくら手作りだといっても、フィルターとしての効果が“ザル過ぎる”のはさすがに嫌なので、材料となる布を全部重ねて光にかざした時、光の漏れる隙間が出来る限り無くなるようにした。

なお、綿ブロードを使ったのは、比較的密度の高い生地だから。 かといって全部ブロードにしたら息苦しくなるかと思い、綿のさらしも加えた。
綿シーチングはその間ぐらいの感じで、生地も比較的しっかりとしてるから…。

このタイプだと、型紙のイラスト通り3枚のパーツA・B・Cが必要。 AとBはマスク本体。Cはマスク内側に設置される布。

マスクが完成したあと、布Cの内側に「布・ティッシュペーパー・クッキングペーパー」等を挿み込ませると、マスクの厚さをアップさせることも可能。

ちなみに、生地を断裁する前には、とりあえず水通しはしておきました。

4隅を縫い合わせる

.まずは2枚の布を中表に重ねて、その4隅を縫い合わせます。

上記の寸法に断裁した布AとBを、中表(なかおもて)にして重ね、4隅を縫い合わせます。

縫い代は7㎜程。

アイロンをかけて折り曲げる

.隅を縫い合わせたらひっくり返します。そしてそのあと折り曲げます。

上記[工程1]での 4隅を縫い合わせた状態を“クルッと”ひっくり返して(裏返して)、内側になっている“オモテ面”を外側に出します。
そして、ミシンで縫った4隅をアイロンで押さえておきます。

そのあと、上下の端から55㎜の部分(イラストでは2か所の点線部分)で折り曲げます。
(下の[工程3]のイラスト参照。)

折り曲げたところをステッチ

.折り曲げた部分にステッチ。

折り曲げた2か所とも、縫い易いようにアイロンで押さえて折り目を付け、その部分に2㎜程のコバステッチを入れます。
この時、布Aと一緒に折り曲げられた内側の布Bも同時に縫うように。

コバステッチとは、端部ギリギリに入れるステッチのこと。
広げてアイロンをかける

.広げてアイロンで押さえます。

ステッチを入れたらイラストの様に上下に広げ、その状態のままアイロンで押さえます。

内側の布を作る

.次は、布Cの端に、ほつれ防止の処理をします。

マスクの内側に設置することとなる布Cの端に、ほつれ防止の処理をします。今回は三巻縫いで。

断裁寸法170㎜の幅を、両端に三巻縫いの処理をして130㎜の幅にします。

三巻縫いとは、布の端を2回折り曲げて3枚重ねにし、その折り曲げた内側の端部をコバステッチにて縫う方法。
コバステッチの説明イラスト
パーツ同士を縫い合わせる

.“パーツAB”に、布Cを縫い付けます。

上記で作った“パーツAB”の「Aオモテ面側」に、布Cを合わせます。(つまり、中表で合わせる。)

そしてまず、お互いの上部端を合わせて縫い付けます。
縫い代は7㎜程。

さらに、“パーツAB”の下部端と、それよりも短い布Cの下端部も合わせて縫い付けます。

ひっくり返してステッチ

.工程6の状態をひっくり返して、上下にステッチを入れます。

中表になっている工程6の状態を“クルッと”ひっくり返し(裏返し)て「Aオモテ面側」を外側に出します。
つまり、布Bが内側となり。布Cはそのまま裏表が逆となります。

そして、上下の端部をアイロンで押さえてから、コバステッチを入れます。

左右の端を折り曲げる

.折りたたんだ状態で、左右の両端を2回折り曲げます。

まず、上記[工程7]での上下に広がっている部分を内側に折りたたんで、イラスト(a)のような状態にします。

そのあと、その両端を点線1と点線2の箇所で内側に2回折り曲げて、下記[工程9]のイラストのようにします。

折り曲げた部分を縫う

.折り曲げた両端部分を縫います。

2回折り曲げた両端を縫います。つまり三巻縫いですね。
その両端部分がゴム通しとなります。

そのあと、折り畳まれた部分をまくり上げて、下記[工程10]のイラストのようにします。

まくり上げて縫う

10.まくり上げた部分の端部を縫い付けます。

イラストのようにまくり上げた部分の両端部を縫い付けます。

そして、まくり上げた部分を、上下に引っ張って広げると下記の画像の様にマスクの形になります。

なお、今回この工程では端部を縫い付けましたが、あえて縫い付けないで使用するという選択肢もあります。
顔の形状は人それぞれ違いますので、縫い付けない方が着け心地が良いという場合も…。
ゴムひもを取り付けたら完成

11.両端にゴムひもを取り付けて完成。

両端のゴム通し部分に、マスク用のゴムひもを通したら完成です。

■もっとマスクを厚くしたい場合。
「マスク本体」と「内側の布」との間に、布、またはティッシュペーパー、またはクッキングペーパーなどを挟むと、その分だけマスクを厚くすることが出来ます。
さらには、布マスク専用のフィルターが手に入るのだったらなお良いでしょう。

なおティッシュペーパーだと、使っているうちにクシャクシャっとなってしまう場合もあります。
それが嫌なら、さらに張りのある“不織布”のクッキングペーパーを試してみるのも良いかも…。


[2]■上記の立体型マスクを、ワイヤー入りにする方法。

ワイヤー入りにする

上記[工程7]の時点で、ステッチを1本追加するだけでOK!

上記[工程7]の時点で、ステッチを1本追加すると、その部分がワイヤー通しとなります。

その部分に、使い捨てマスクから取り外したワイヤーや、電源コードなどを巻くための細い結束バンド(ビニールタイ)などを挿入すると、
鼻周りの隙間を少なくするための「ワイヤーが入ったマスク」に変身させることが出来ます。


[3]■プリーツ型マスク。

プリーツタイプのマスク
プリーツタイプの内側

“使い捨てマスク”によく見られるタイプの形状。

馴染みのある形状で 使い心地は良いのですが、アイロンを使ってプリーツ状に折り曲げるのが結構面倒でした。
でも、ミシン作業だけで言えば、まあまあ楽です。

プリーツ状にした本体は【綿シーチング】1枚。
内側の布部分は、【綿ブロード】に【綿さらし】を巻き込んで2重としました。
全部あわせると布3重です。

このタイプも、「マスク本体」と「内側の布」の間に、もう一枚布やペーパーやフィルターなどを挟むことが出来ます。

さらに、鼻が当たる部分には、ワイヤーを入れてあります。


[4]■曲線的なタイプの 立体型マスク。

曲線的なタイプの立体型マスク
曲線的なタイプの内側

けっこう簡単に作れました。

手作りマスクと言えば、この形状のタイプで耳掛けがゴムの仕様のものが多いのではないでしょうか。

外側の布は【綿シーチング】。内側の布は【綿ブロード】。その間に【綿さらし】を1枚挟み、全部で布3重です。

今回はゴムひもが無い時のために、本体の上下を布テープで覆い、そのまま横に長くして耳掛け用の紐としました。
その紐に付いている長さ調整用のストッパーは、【皮革シート】を小さくカットし、端をミシンで縫い付けて筒状にしたものです。
直ぐにズレてしまわないように、かなり“ぎゅうぎゅう”なサイズに作ってあります。


以上、立体的になる布製マスク“3種類”を、比較も兼ねてそれぞれ手作りしましたが、結果的にはどれでもいいかも。

とにかく、口周りに着けるものなので絶対に不衛生にだけはしたくない。
なので、なるべく頻繁に取り換えて、着脱後は洗剤を使ってキレイに洗い、出来れば紫外線の含まれた天日で乾燥させ、仕上げにアイロンで高温殺菌はしておきたいですね。
なお、アイロンをかけると早く乾くようになるので、干す前にもアイロンをかけて、じめじめの時間を短くさせるとより衛生的かも。


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