お気に入りの粒マスタードを買うため、いつもわざわざ少し離れたところにあるお店にまで出向いているが、先日近所のスーパーへ行ったついでに、たまには違った粒マスタードでもいいかなと そこですぐ手に入るものを買ってきた。

さっそく使ってみたが、いつものものよりも甘ったるいし、ちょっと酸っぱ過ぎ…。
結構たっぷりめに粒マスタードを入れる料理(下部で作り方を紹介しているパスタ)に使ったので余計にそう感じたのかもしれないと思いながらも、とりあえず瓶のラベルに記載の原材料を見てみると、中には砂糖と酸味料が入っていた。
まあ甘ったるいのは普通に砂糖の量が多めのタイプなんだろう、酸っぱ過ぎなのは材料の多くが酢だからなんだろうとも思ったが、いつも使っている粒マスタードの空き瓶もちょうどあったのでそのラベルの原材料を見てみると、砂糖などの甘味料は入っていないし酸味料も酸化防止剤も入っていない。
いつもの味に慣れていたせいか、どうやら自分的には甘味料や酸味料などの入った粒マスタードは口に合わなくなっていたようだ。

ちなみに、お気に入りの粒マスタードは結構欠品していることが多くせっかく買いに行ったのに空振りということもよくある。
そこで、前から気になっていた自宅で手作りする粒マスタードのことを思い出す…。
自家製だと自分の好きな味に調整出来るし酸化防止剤などの食品添加物を無添加にすることも自在。
とりあえず、手作りした場合の材料の価格と市販の瓶詰のタイプの価格とを比較してみた…。

マスタードシードや白ワインビネガーもメーカーによってピンからキリまであるが、めちゃくちゃ高級な材料さえ使わなければ、いつも買っている市販の粒マスタードよりも安く作れてしまうようである。

ということで、無添加の粒マスタードを2通りのパターンで手作りしてみることにした。


■たった4つの材料を揃え、そして混ぜるだけ。

粒マスタードを作るのはめちゃくちゃ簡単。揃えた材料を密閉可能な容器に入れて混ぜるだけです。
※なお、この項では材料をただ混ぜるだけですが、この下の項「水でシードをふやかしてからのパターンも作ってみた」では、マスタードシードに一旦水を吸わせるパターンも作ってみています。

粒マスタードの材料になる4つの食材
■材料
【イエローマスタードシード】… 25g
【ブラウンマスタードシード】… 25g
【塩】… 4g
【白ワインビネガー】… 90g

【白ワインビネガー】のところは、その他の酢でも良い。ただ多くの割合をしめるので、使用する酢によってそこそこ別物にはなるかもしれない…。
ちなみに、フルーティーなりんご酢などはよく使われている…。個性的な匂いのする米酢などの場合は、酢を7~8割くらいにし、残りの2~3割を煮切ってから冷ました白ワインにするのも良いかも…

■作り方


瓶にマスタードシードを入れる

.瓶にマスタードシードを入れる。

まずは、密閉可能な耐酸性の瓶など(普通のガラスのジャム瓶などでOK)を用意し、熱湯もしくはアルコールで消毒しておきます。

そしてその瓶の中にイエローマスタードシードとブラウンマスタードシードを全部入れます。

4gの塩を入れる

.塩を入れる。

今回は旨味のある天然塩を入れました。

白ワインビネガーを入れる

.白ワインビネガーを入れる。

白ワインビネガーを入れ、そのあと材料を均一に混ぜます。
以上で作業終了。
下ごしらえや加熱などの調理らしいことは何一つ要らない。すごく簡単です。

瓶のフタを閉めて熟成中

.フタで密閉し、寝かせる。

涼しい時期だと常温で寝かせるのもいいかもしれないが、暑い時期などは冷蔵庫に入れておいた方がいいかもしれない。

3日経ってフタを開けた様子

3~6日寝かせたら完成。

ちなみに、1日だけ寝かせた時点で味見をしてみたところ、ちょっと苦みはあったけど普通に美味しかったです。
3~6日寝かせて熟成させたらその苦みも多少は少なくなるっぽい。なお、ゼロにはならないかも。

乳鉢ですり潰した様子

粒々のままでもいいし、潰してもいい。

プチプチを楽しみたいなら粒のままで…。
辛さと香りをより楽しみたいならすり潰して…。

とにかく、からしの辛さが飛んでしまっている市販の瓶詰マスタードのようなことはなく、和からし程ではないけど鼻に抜けるからし感がちゃんとあります。ただし、保存期間にもよるとは思うが…。

なお、すり潰す場合は、粒々のままで保存しておいて、食べる直前にすり潰したほうがより風味を残せるような気がする。
今回は乳鉢で粗めに潰しましたが、すり鉢やミキサーなどでもっと丁寧に細かくすり潰すのもあり。


■水でシードをふやかしてからのパターンも作ってみた。

作り方を色々と調べてみたところ、上記のように材料をただ混ぜるだけというパターンと、混ぜる前にマスタードシードを一旦水でふやかすという2通りのパターンがあった。
その作り方によってどう違ってくるのか気になったので、水でふやかすというパターンも作ってみた。

材料のビネガーと塩とシード
■材料
【イエローマスタードシード】… 25g
【ブラウンマスタードシード】… 25g
【塩】… 4g
【白ワインビネガー】… 50g
【水】… 適宜

■作り方


容器に入れたマスタードシードに水入れ

.容器の中にマスタードシードと水を入れる。

水の量は適当でいいですが、少なすぎるとマスタードシードに吸われて無くなってしまいます。
なおここではマスタードシードが50gなので100㏄ほどの水を入れておきました。

ちなみに今回は、完成したあと少しでも長持ちさせれないかなということで、一旦沸騰させて冷ました水を入れました。まあ気休めかもしれませんが…。

シードがふやけた様子

.水に1~2時間浸けておく。

ラップやフタなどを被せ、水に1~2時間浸けてマスタードシードに吸水させます。

ザルに入れて水を切る様子

.水をしっかりと切る。

水を切ったあとマスタードシードを量ったら105gほどありました。重量でいうと大体2倍ほどになったということです。

容器にシードと塩を入れる

.膨らんだマスタードシードと塩を瓶に入れる。

なみなみと入った白ワインビネガー

.白ワインビネガーを入れ、均一に混ぜる。

フタを閉めたら作業終了

.フタで密閉し、3~6日寝かせて熟成させる。


以上のように、2通りのパターンで粒マスタードを手作りしてみました。
食べた感じとしては、とにかく両方とも美味しい。

神経を集中させて食べ比べてみたら、おそらく何かが違うのかもしれませんが、間をおいて食べた感じではほぼ一緒。まあ材料が全く同じなので…。
しいてあげれば、水を吸わせない方がビネガーを多く必要とするので多少酸味は強いのかもしれない。でもあまり分からないレベル。
また、吸水させたほうが微妙にからしの風味が立っているような気はしました。でも気のせいかもしれません。すくって味見したマスタードシードが偶然そうっだったのかもしれないし…。

もし、両方とも大して変わらない仕上がりだったとするなら、水を吸わせた方がビネガーを少なく出来るので多少なりとも経済的ということになる。でも手間ひまはかかるが…。
しかし、時間が経てばそこそこな違いが出てくるかもしれないし、また、ビネガーだけのほうが多少日持ちはするかもしれない。まあ今のところは分からないけど…。

とにかく、市販の瓶詰よりも安価に作れるのにもかかわらず自家製のほうが美味しいのは確か。
それも比較にならないくらい美味しい。
しかも簡単に作ることが出来る。
となったら、瓶詰の完成品はおそらくこの先もう買わないのではないかと思う。
今はネットで簡単に材料が手に入るし、探せば送料なしの良心的な価格で提供されているショップもすぐに見つかるので…。


■粒マスタードを和えたズッキーニとベーコンのパスタ

ベーコンとズッキーニのオイル系パスタ、マスタード風味です!!

粒マスタードを使ったパスタ

マスタードの風味やワインビネガーの酸味がベーコンとすごく合います。
そのままでも美味しいですが、さらに粉チーズをかけると酸味がまろやかになってまた違った味わいになりそれはそれで美味しいです…。

ちなみにですが、近所のスーパーで買った市販の粒マスタードでもこのパスタを作りましたが、甘ったるくて酸っぱ過ぎでいまいちでした。
どんな料理でも材料次第というところはありますが、とにかく使用するマスタードによって まったく違う料理になってしまうおそれがあります。

■作り方


バットの中にパスタの材料
■材料(2人分)
【スパゲティ】… 160g
【ベーコン(ブロック)】… 80g
【ズッキーニ】… 1/2本(150g)
【玉ねぎ】… 1/4個(50g)
【ニンニク】… 1片
【自家製粒マスタード】… 大さじ2
【オリーブ油】… 大さじ2
【白ワイン】… 大さじ1
【塩】… 適量
【ブラックペッパー】… 適量

粒マスタードは、粒々のまま使ってもすり潰して使ってもいい。
なお、粒々のままとすり潰してからとの両パターンを作ってみましたが、すり潰したほうがマスタードの辛みと香りがより感じられ好みでした。
まあどっちも美味しかったですが…。

.材料をカット。

●ベーコン(ブロック)は2mm厚にスライス。
●ズッキーニは5cm長さの拍子木切り。
●ニンニクは皮を剥きスライス。
●玉ねぎ1/4個は長さを半分にし、繊維に沿って薄くスライス。

.スパゲティを茹で始める。

鍋にお湯を沸かしてから塩を入れ、スパゲティを茹で始めます。なお茹で時間は表示時間より30秒短くします。

.ニンニクをオリーブ油で熱し、そのあと一旦取り出しておく。

フライパンにオリーブ油とニンニクを入れ弱火で熱し、オリーブ油からプクプクと泡が出て香りが立ってきたら、一旦ニンニクを取り出しておく。

.材料を炒め、塩を加える。

③のフライパンにズッキーニとベーコンを入れて火を強める。
ズッキーニとベーコンに軽く焼き目がついたら、取り出しておいたニンニクと玉ねぎを入れ、塩少々を振り入れて炒める。

.粒マスタードと白ワインを加える。

粒マスタードと白ワインを加えて、さらに軽く炒めます。

.パスタと茹で汁を加え、全体を絡める。

茹で上がったパスタをフライパンに入れ、そこに茹で汁(大さじ3程度)を加え、強めの中火で水分を飛ばすようにしながら全体を煮絡めます。
最後に味を見て、足りなけれ塩で味を調える。

.器に盛り付け、ブラックペッパーを振りかけたら完成。

パスタ麺や具に絡まったマスタードの粒々が所々でアクセントとなりとても楽しいし、とにかく自家製粒マスタードの鼻に抜ける風味とほどよい酸味がベーコンやズッキーニにとても合います…。
また、途中で粉チーズをかけて味変させるのもありです。

※なお、ベーコンの代わりにソーセージでもOK!
野菜も、アスパラガス・ほうれん草・茄子などでも良いし、エリンギ茸などのキノコ類でも美味しいと思う!!
そのほかの食材でも合いそうなので、いろいろと試してみるのも楽しいですね…。


けっこう万能な粒マスタード。

和がらしよりも辛さは控え目だけどマスタードシードの風味とビネガーの酸味が口の中をさっぱりとさせてくれます。
調理パンの味付けに使ったり、ドレッシングに混ぜたり、ソースを作って肉料理や魚料理にかけたり、野菜炒めの調味料としてもいいし、ジャガイモ料理にも合う。そのかにも使い道は沢山ある。
先日作った自家製ソーセージ「“腸詰め”と“ラップ巻き”、2通りのソーセージを手作り」なんかにはもうピッタリだと思う。


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