乾物などを収納しているケースの中を整理するたびにポップコーン用乾燥コーンの袋が目に入ってきていたが、ずっとスルーしたままでいた…。
いつか作ろうと思いストックしておいたもので、見るたびになんとなく気にはなっていたけど、なかなか手が回らないまま早数カ月。
でもあらためて日付を見てみるとけっこう期限ギリギリ。ということでさすがに使うことにした。
ただし今回は、トルティーヤの材料としてです…。
なんとなくポップコーンの気分ではなくなっていたので…。
■乾燥コーンはミキサーにかけてから…。
トルティーヤの材料として使用する場合、まずコーンをパウダー状にする必要があります。
このポップコーン用乾燥コーンはプラスチックのように硬いけど、ミキサーで砕くことはなんとか可能です。
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【乾燥コーン(ポップコーン用)】… 100g
【薄力粉】… 60g
【強力粉】… 60g
【塩】… 小さじ1/2(約2.5g)
【オリーブオイル】… 大さじ1(約14g)
【ベーキングバウダー】… 小さじ1/2(約2g)
【水】… 120g
【ベーキングバウダー】… 焼き方次第では硬いトルティーヤになってしまうことがあります。もし心配ならばここは小さじ1(約4g)に増量で…。
■作り方
1.乾燥コーンをパウダー状にする。
まずは乾燥コーンがパウダー状になるまでミキサーで粉砕します。
ちなみに、乾燥コーンを粉砕するのは意外と簡単でした。ただ、完全にパウダー状にしようとすると結構長くミキサーを酷使することにはなりました…。
※ミキサーの使用は定格時間を厳守の上で!
なお話はそれますが、コーンが柔らかければもっと簡単に粉砕出来るかもしれないと思い、これとは別に、乾燥コーンを水でふやかしてからミキサーにかけるというパターンも後日試してみました。
その様子は、このページ最後のほうの「乾燥コーンを水でふやかすとどうなるか…。」にて…。
2.全ての材料を混ぜて捏ねる。
全ての材料を混ぜ合わせたら、手で捏ねて生地をまとめていきす。
3.1時間以上生地を寝かす。
今回は冷蔵庫の中で生地を1時間程寝かせました。
丸1日寝かせるという方もいますが、そこは臨機応変に…。
なお生地を寝かすときは、乾燥しないようにラップで包んでおきました。
4.生地を分割して丸める。
生地を寝かせたあと、任意の大きさに分割して丸めておきます。
なお、生地が乾燥しないように、ラップは常にかけた状態にしておきます。
5.生地を伸ばす前に、2枚のラップで挟む。
本来であれば、潰して伸ばす専用の道具(トルティーヤプレス)があれば便利なのですが、持っていないので今回は手持ちの道具で伸ばすことにします。
その前に、このあとの作業がしやすいよう、小さく丸めた生地を2枚のラップに挟んでおきました。
6.生地を潰して丸く伸ばす。
生地を潰して2mm程の厚さに伸ばします。
今回は手持ちの道具を使い、下記のような3パターンの方法で伸ばしてみました。
【パターン1】まな板で伸ばす。
まずは、まな板で押し潰して伸ばしてみました。
ハイパワーな人なら簡単に潰せるかもしれませんが、生地の厚さを2mm程にするとなると結構な力が必要でした。ちょっと難しい…。
※生地の硬さにもよりますが…。
【パターン2】麺棒で伸ばす。
麺棒では簡単に伸ばすことが出来ました。
ただ、2mm程に薄く伸ばしてして大きな円形にしようとすると多少いびつな形の円になりがちです。
なお今回は、少しでも均等に力が加えれるようにと、生地(ラップ)の上に透明なプラスチックシートを1枚のせておきました。
プラスチックシートが透明だと成形している途中の生地の形が見えるし…。
【パターン3】カップの底で伸ばす。
上記と同様に生地の上に透明なプラスチックシートをのせ、その上から平たんなカップの底で押して伸ばすという方法も試してみました。
まず最初に、ある程度の大きさまで手で潰し、そのあと円の中心から外側に向かってしごくようにして薄く伸ばしていきます。
慣れてくれば麺棒よりも比較的円形にし易かったような気がします。
なお上記の3パターンとも、いびつな形でも良いというのであれば、ただそのまま薄く伸ばしていけば良いだけですが、なるべく円形を保ちたいという場合は、ある程度の大きさになったら途中でラップを一旦生地から剥がし、シワシワになったラップをピンピンに張った状態に戻してから再度生地に貼り付けて伸ばし始めると、比較的円形にしやすいです。
生地を伸ばしたあとはラップで挟んだままにしておき、ラップを剥がすのは焼く直前にします。
枚数を多く焼くときは、一枚剥がしては焼き、そしてまた一枚剥がしては焼きを繰り返しながら焼くようにしたほうが生地を扱いやすいし乾燥もしにくいので…。
7.強めの中火で一気に焼き上げる。
同じ生地でも焼き方によって硬さが違ってきます。
焼くときは強めの中火で一気に焼き上げます。
弱火でゆっくり焼いてしまうと、水分が飛び過ぎて生地がカチカチになってしまいます。
今回数枚焼きましたが、フライパンの加熱具合が変わることによって全然硬さの違うものが出来上がりました。
裏返したらヘラで均等に押さえて焼きます。
なおここも、カチカチにならないように早く終わらせます。
8.焼き終わったら乾燥しないように。
焼き終わったらすぐにラップを被せた皿やトレーなどに入れて乾燥しないようにしておく。
乾燥すると、硬くなったり、丸める時に割れやすくなったりします。
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■今回はサルサソースで頂きます。
一般的には加熱する(煮る)タイプと加熱しないタイプのサルサソースがありますが、今回は、材料を生のまま混ぜるだけの、サラダのようにフレッシュな加熱しないタイプのソースにします。
なおこのソースはトルティーヤを焼く前に作っておきました。
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【ミディートマト】… 3~4個(約150g)
【ピーマン(粗みじん)】… 1個(約35g)
【玉ネギ(粗みじん)】… 大さじ2(約30g)
【ニンニク(すりおろし)】… 1/2片
[A]
【レモンの搾り汁】… 大さじ1~2
【塩】… 小さじ1/2(約2.5g)
【粗びき黒胡椒】… 少々
【カイエンペッパー】… 3~4振り
【トマト】の類種は大玉やミニトマトでもOK!
今回は、程よい酸味と甘みのあるミディートマトを使用。
【レモンの搾り汁】の代わりに【酢】を使ってもOKです。むしろ酢のほうが好きだという人もいると思う。カイエンペッパーを入れるので酢の場合はちょっとタバスコを加えたっぽくなります。どちらにするかはお好みで…。
■作り方
1.材料の下ごしらえ。
トマトは1cm角にカット。
ピーマンと玉ネギは粗いみじん切り。
ニンニクはすりおろし。
レモンは搾っておく。
※なお、ピーマンの苦味や、たまねぎの辛さが気になる場合はサッと水にさらすと良い。
2.材料を混ぜ合わせる。
上記の材料をボウルに入れ、そこに[A]の材料を加えていきながら好みの味に仕上げていきます。
なお、レシピに記載されているカイエンペッパー(赤唐辛子の粉末)の分量はあくまでも目安。この辛さはお好みで…。
また、塩・黒胡椒・レモン搾り汁もお好みで…。
3.味を馴染ませる。
今回は混ぜ合わせたソースを保存容器に移し、トルティーヤを焼いている間に冷蔵庫内に置いて味を馴染ませておきました。
なおここではトルティーヤのソースとして使いますが、フライパンに油を引いて焼いた白身魚やチキンにかけても美味しい一品になると思います。
今回は、シート状のトルティーヤの上にレタス・千切りにしたキャベツとニンジン・そして焼いたソーセージをのせ、そこにサルサソースをかけてからトルティーヤをクルリと巻いて頂きました。
あとは、嫌いでさえなければお好みでパクチーを載せるのもいいかも…。
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■トロミが欲しい場合は…
ちなみに、このソースにはレモンの絞り汁が入っているし、塩を加えた時の浸透圧の働きでトマトから水が染み出します。なのでサラサラの汁がタップリと含まれています。
サラサラ過ぎて、クルリと巻いたトルティーヤの前後から汁がこぼれて食べにくい。というのであればトロミを付けるといいかもしれません。
なお、下記の「トロミを付ける方法」では、加熱をするのでフレッシュタイプではなくなります…。
ただ、加熱をすると、ソースの味には旨味とコクが増します。フレッシュさよりもコックリのほうを求めるという場合は加熱するのもありです。
また、生の材料を混ぜただけの場合よりも多少日持ちするようにはなりますので、作り置きしておきたいという場合でも加熱しておくというのはありかもしれません。
なお加熱した場合、今回のレモン果汁を加えたバージョンではレモンの酸味は残りましたが、酢を加えたバージョンは試していないので酢の酸味が残るかどうかは分かりません。
「トロミを付ける方法」は…
●まずは冷たい状態のままソースを鍋に移します。
●そこに小麦粉を加え、ダマにならないように汁の部分でよく溶きます。(別の容器に汁だけを分けて、そこで小麦粉を溶かしてから鍋に戻すのもいい。)
●そのあとさらに全体を混ぜ合わせます。
●そして、コンロで一煮立ちさせる。
もしくは、耐熱容器を使って、同じように調理してからレンジで一煮立ちさせるのでもいい。
汁物に溶かした小麦粉液は加熱すると白から半透明になるので、見た目的にはあまり変わずにトロミだけが加わる感じです。
ただし、小麦粉が多すぎると餅のように固まってしまいますので入れ過ぎには注意です。
とにかく、少しだけ小麦粉を入れて加熱し、それを冷まして様子を見てみる…。もし足りなかった場合はまた同じようにする。というふうに少しずつ調整しながら丁度いい具合にするといいです。
あと、煮詰めると塩分が濃くなりますので、煮詰め過ぎないようにする。加熱するときはひと煮立ちさせるだけで大丈夫です。それでも加熱中とそのあとの冷めるまでの間は多少の水分が蒸発しますので、塩分濃度を変えたくないという場合は、加熱する前に小さじ1~2ほどの水をあらかじめ加えておくというのもいいかもしれません。
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ちなみに、試作のトルティーヤを作った時にはサルサソースがなかったので、あり合わせの調味料で適当に作ったソースを載せて試食してみました。でもそれがそこそこ美味しかった…。
そのソースとは、【ケチャップ】と【りんご酢】を混ぜて、そこに【カイエンペッパー】を少し加えただけのすごくシンプルなものですが、ちょっとだけメキシカンでした。
■乾燥コーンを水でふやかすとどうなるか…。
まだ乾燥コーンが残っていたので、もう一度トルティーヤを作ることにした。
ただし、上記とは違い、乾燥コーンを水でふやかしてもっと柔らかい状態にしてからミキサーにかけるという方法を試してみることに…。
1.一昼夜水に浸しておく。
乾燥コーンを柔らかくするために、今回は24時間水に浸しておきました。
※その間は冷蔵庫に入れておいた。
なお、レシピでは水120gとありますが、ここではコーンをふやかすだけなので、レシピの量とは関係なく適当な量の水を入れておきます。(コーンが膨らんでも頭が出ないくらいにタップリと)
2.水を捨てる。
24時間水に浸しておくと、100gだった乾燥コーンは水を含んで135gになっていました。
※なおこのほかに、4日間水に浸すパターンも試してしてみましたが、重量も硬さもほぼ同じでした。
ちなみに、指で一粒つまんでみるとカチカチです。テーブルの上に落とすとカチンという音がするくらいです。
見た目的にもそこそこ膨らんでいるので、けっこう柔らかくなっているのかなと思ったが・・・。
でも、簡単に包丁で切れました。
試しに、水に浸していないコーンでも挑戦してみましたが、プラスチックのように硬く、さすがに包丁でのカットは無理でした。
3.コーンの重さを鑑みて水を加える。
今回のレシピでは、乾燥した状態のコーン100gに対して水120gなのでその合計は220gとなります。
ということは、水を含んでいるこの時点でのコーンは135gになっているので、合計220gにするために必要な水はあと85gとなります。
ちなみに、この加える水の量は、使用する乾燥コーン次第で多少は前後すると思います。
なお本来であれば、上記工程1の時点でもうすでにレシピの分量の水120gと乾燥コーン100gを容器に入れておき、コーンをふやかした後そのままミキサーに移してそのまま粉砕したほうがこの作業もこの計算もしなくてよくて単純で分かりやすいのですが、今回はただ単に1日前の古い水は使いたくなかったので、あえてこのようにしました。
4.ミキサーで粉砕。
上記で量った水と水を含んだコーンとをミキサーの容器に一緒に入れて粉砕します。
5.分量の材料と混ぜ合わせる。
コーンが細かくなったら、計量しておいた他の材料と混ぜ合わせます。
今回は以上のように、「ポップコーン用の乾燥とうもろこしをそのままミキサーにかけて粉砕する」というパターンと、「水でふやかしてとうもろこしを柔らかくしてからミキサーにかけて粉砕する」という2パターンでトルティーヤを作ってみました。
まず前者の「乾燥コーンをそのままミキサーにかけてパウダー状にしたパターン」では、かなり時間がかかってしまうということに…。
そもそも今回使用したミキサーは定格時間が1分という家庭用です。つまりなかなかパウダー状にならないという場合は、1分駆動・休憩・1分駆動・休憩・1分駆動・休憩・・・と何度も駆動と休憩を繰り返す必要があります。
そこで、その駆動時間を少しでも減らす方法はないかと他の方法も試してみることにしました。
まず、コーンは硬いよりも軟らかいほうがナイフなどではカットがしやすい。ということはコーンを軟らかくすると早く粉砕が出来て、時間も短縮出来るのではないかと考えた。
それが後者の「水でふやかして柔らかくしてからコーンを粉砕するというパターン」です。
その後者のパターンを試してみた結果はというと…
結局、前者とあまり変わらずかなり時間がかかってしまうことに…。
むしろ前者の方が早いくらいです。
理由は、トロトロになったコーンと水の抵抗が邪魔をしてミキサーの刃の回転を遅くさせるためです。
ちょっと思惑が外れました…。
まあ、最終的には美味しく頂けたのでそれはそれで良かったが…。