シンプルなデザインのガラス瓶に花やハーブなどを活けておくと何となく雰囲気もいいので、庭で摘んだ植物を室内に飾る時には透明なガラス瓶を花瓶として使用することがよくある…。

ガラス瓶に活けたオレガノ

例えば、何気なく生えている小さな植物だったとしても、小さくてシンプルな透明なガラス瓶に挿しておくだけで立派な観賞用に…。

もちろん、摘んだ本数が多かったり丈が長かったりすれば、そのボリュームに合わせてガラス瓶のサイズを変えていくことになります…。
なので我が家では、その時の状況に合わせられるようにと、いくつものサイズのガラス瓶を花瓶用としてストックしている…。

ストックされた色々な空き瓶

ただ、そのストックの中には、どう見ても調味料やドレッシングなどの元々は食品類が入っていたような単なる空き瓶にしか見えないものもある。
そこで今回は、そのいくつかの空き瓶をガラッとイメージチェンジさせるためのカバーを作ってみようかと思います…。

「ボトルカバー」と言うのか「ベースカバー」と言うのか、それとも違う何かほかの呼び方があるのかは分かりませんが、要は、空き瓶やグラス(コップ)などのような「植物を生けておくためのベースとして使おうと思えば使えるもの」に被せるための化粧カバーです。
この化粧カバーを空き瓶に着せて、たまには気分を変えるのもいいかなと…。
なお、使用しない時はペタンコにすることも出来るので、飽きたら飽きたで引き出しにでも収納しておけます…。


■パンチカーペットを用いて、2枚はぎで化粧カバーを作る。

今回作るような「水を入れておくことの出来るただの容器を花瓶に変身させる」という化粧カバーは以前から見られます。
その材料としては、紙・革・布・フェルト・樹脂シートその他色々なものがあり、構造的には2枚はぎ3枚はぎ、もしくはそれ以上の枚数ではぎ合わせたものまであります。またシルエットも、円柱のように上から下までストレートになっているものから、壺のように曲線を描いたものまで様々…。
そんな化粧カバーを、今回はペタッと潰せるように2枚はぎとし、材料にはパンチカーペットを用い、空き瓶の形に合わせたデザインにして作ってみることにしました…。なおパンチカーペットとは、不織布カーペットのことで一見フェルトのようにも見える比較的硬めのシートのことです。

材料のパンチカーペット
■材料

【パンチカーペット】

【パンチカーペット】は、裏面に加工がされておらず、一見すると裏表がないようにも見えるタイプのものを使用します。

その他に必要なものは…
【接着剤】(今回はGクリアー)
【縫い合わせる為のもの】(今回はミシン)
【ボール紙】(型紙用)
その他…

■作り方


瓶のシルエットを型紙に写す

.まず、瓶のシルエットの片面だけを紙に写す。

●今回は型紙用として四角いボール紙を用意。
●そして、そのどちらか1辺の寸法を、瓶の高さの上下に10mmずつプラスしたサイズにカットします。(要するに瓶の高さプラス20mmです。)
これは、型紙(完成したカバー)の高さとなります。なおこの高さは自由に…。
●そのあと画像のように、ボール紙(型紙)の高さ方向と瓶の高さ方向を合わせた状態で瓶をボール紙の上に置き、そのシルエットを写します。ここで写すのは片面だけです。

なお角瓶(断面が正方形)の場合、置き方によっては胴体部分の幅や線の形状が変わってきます。
例えば胴体部分の幅に関していうと、型紙に対して安定している“□”の状態で瓶を置くと幅は狭くなりますし、“◇”の状態で置くと広くなります。

写した線でカット

.写した線を整えてからカット。

まず上記で写した線が基本となります。
そして、その線の足りない部分(上下10mm)を垂直に伸ばしたら、線に合わせてカットします。

ちなみに、首部分から胴体部分にかけてのラインが強い角度で曲がっていたりすると、瓶に被せた時にきれいなアウトラインが出ないこともあります。なので、その状況よっては線の形を多少修正しておくといい場合もある。
例えば、いかり肩の瓶の場合はなで肩に修正しておくとか、カクンと折れ曲がった線があったらその部分を大きな丸い線に修正しておくとか…。

そして、好みのデザインに修正したら、その線に沿ってカットします。
なお、カットした際の切れ端はこのあとテンプレートとして使用するので捨てないでおく。

テンプレートで線を引く

.幅を決めて反対側の線を引く。

仕上がりの幅(下部の胴体部分の幅)を決めたら、上記工程2でカットした際の切れ端をテンプレートとして用いて反対側の線を引き、その線でカットしたら型紙の完成です。
なお今回は、下部の胴体部分にあたる幅を95mmにしておきました。

その仕上がり幅の決め方は以下の通りです。
●まず、基となる瓶の胴体部分の外周を巻き尺などで計ります。今回の瓶の外周は157mmでした。
●その場合、ペッタンコにして半分に折り曲がった状態の幅は157÷2なので78.5mmです。
●そしてその両サイドに5mmの縫い代を設けたとしたら78.5+5+5で88.5mmとなります。(なお縫い代は、5mmでも7mmでもお好みで…。)
ただ、このままの状態で縫い合わせて瓶に被せたら余裕がありません。というかシートの厚さ分だけマイナス気味になります。
●ということで、88.5mmよりも少し余裕をもたせて、切りのいい95mmにしました。
なお今回の型紙で作ったカバーは、基となる瓶に被せると胴体部分はまあまあ狭くてピッチピチなタイプです(下記工程9の2枚目の画像を参照)。

ちなみに、瓶の形状によっては、仕上がったカバーが瓶にピッチピチだと両サイドのラインがキレイに出ない場合もあります。その場合は胴体部分を横に広くするといいかも…。
胴体部分をもう少し広いデザインにしたいという場合は、上記工程2に戻り、下部(胴体部分)の線を外側へ新たに引き直して、その線と上部(首部分)の線を新たな曲線でつなげ直す。

型紙を当てて生地にアウトラインを写す

.型紙を当てて生地にアウトラインを写す。

●まずは、生地の高さを型紙と同じ高さにカットしておきます。
●そして、生地と高さを合わせて型紙を当て、その両サイドのアウトラインを写します。
写したアウトライン(ここでは白線)は、両サイドの仕上がり線(最終的にカットする線)となります。

生地を裁断する

.仕上がり線より外側で生地を粗裁ちする。

この段階では、上記工程で写した仕上がり線(白線)の外側に少しだけ余分なところが出来るように粗裁ちします。画像参照。

今回は余分なところを3mm幅ほどにして粗裁ちしておきました。
なお粗裁ちする前には、裁断するところにテンプレート(切れ端)を当てて裁断線を引いておくと裁断するところが分かりやすい。

生地に接着剤を塗る

.端部分に接着剤を薄く塗る。

仕上がり線(白線)が引いてある面の裏面両端に薄く接着剤を塗ります。
その際には、接着剤が仕上がり線よりも少し内側に入るような幅にします。(裏面なので仕上がり線は見えませんが目測で…。)
ただし、このあとミシンで縫う予定のところ(今回は仕上がり線の5mm内側)にまでは侵入しないような幅で塗ります。
もし、このあと縫う予定のところにまで接着剤が浸入していると、その部分をミシンで縫った時に接着剤が針にまとわりつく可能性があります。

ところでこの面は、仕上がり線が引いてある面の裏側の面なので画像の様に仕上がり線は見えない状態です。
目測では仕上がり線の位置が分かりにくいという場合は、この面にも型紙を当てて表面と同じように仕上がり線を引いておくといいかも…。
※ちなみに画像のものは、もう2mmほど内側に接着面を浸入させておけば良かった。仕上がり線を引いておけば塗る時に分かりやすかったのに。と、あとから思った…。

なおこのあと、接着剤を塗った部分の大半は切り取ってしまうので、別に接着剤を塗らないでも普通に作ることは出来ます。ですが、接着剤で貼り合わされている部分が少しでも残っていると、接着剤が残っていないときよりも完成した時の両サイドラインはシャキッとしやすいです。

接着剤部分を貼り合わせる

.貼り合わせる。

接着剤部分を貼り合わせてしばらく乾燥させます。

ミシンで縫い合わせる

.縫い合わせる。

接着剤が完全硬化したらミシンで縫い合わせます。
今回は最初の予定通り、仕上がり線より5㎜内側のところで縫いました。

なお、パンチカーペットにも様々な種類がありますが、その中には針が通りにくいパンチカーペットもあります。
ミシンがもしウイーン!と唸るようだったら無理はせずに手縫いに変更するといい。ミシンが壊れると元も子もないので…。

手縫いだと「なみ縫い」になると思いますが、太い糸を使ったらそこそこいい感じになると思う。
その際は、針を通す箇所にあらかじめ目打ちを通して針穴を開けておくといいかもしれない…。
また、なみ縫いだと一目おきに間が空きますが、それがもし嫌だという場合は、レザークラフトのように平縫い(交互になみ縫いをするような感じ)にしてもいいと思う…。
なお「かがり縫い」にしたいという場合は、下記工程9の両端をカットしたあとだったら出来ないこともない…。

両端の余計な部分をカット

.両端をカットする。

カッターナイフやハサミを使い、仕上がり線(白線)に沿って両端の余計な部分をカットします。
これで、ボンドのはみ出しもなく貼り合わせのズレもないキレイな端部となります。

そのあと、上下の開口部に貼り合わせのズレがもしあったとしたら、そのズレている分もカット。
※なお縫い糸はカットしないように注意。

空き瓶に完成したカバーを被せる

だだこのままだと、パンチカーペットはフェルトよりも硬めで張りがあるので、立体になった時にはスムースに曲がらずにパキパキと折れ線が出来た状態で曲がってしまいがちです。
その場合は、生地が軟らかくなるようにクシュクシュと手でもみほぐすといいかもしれない。
軟らかくなると、きれいなカーブで曲がるようになりますし、もみほぐすことで多少毛羽立ってきてフェルトぽっくもなってきます。

なおその際には、左右の耳(縫い代)の部分はあまり激しくもみほぐさないように。とにかく接着剤が剥がれない程度で…。

完成した5つのパターン

以上で完成!
今回は、全部で5つのパターンを作りました。用いた瓶は丸瓶が3種類と角瓶が2種類です。
上記で作ったようにピッタリサイズのものもあれば、型紙をアレンジしたゆったりサイズのものもあります。

ちなみに、今回作ったものは上記での作り方と同じように、曲線以外の部分(首部分と胴体部分)はすべて底辺(設置面)と垂直になる直線で作っています。
ですが、それを瓶に被せると、上部の首部分は自然と「上広がり」となり、下部の胴体部分は「下すぼまり」となって、なんとなく花瓶のような形になってくれます。


ペタンコにした花瓶カバー

■「引き出しに収納することが可能な花瓶」

ちなみに、引き出しの中に空き瓶を一緒に収納しておくというのはすごく邪魔であるし、この化粧カバーだけでは花瓶として使えない。
なので、この見出しのように「引き出しに収納することが可能な花瓶」というのはちょっと正しくはないかもしれない。

だけど、家には空き瓶が一本もなくて、普段使いしているグラスを時々花瓶のベースとして使うための専用カバーだったとしたら見出し通りにならないでもない。
花を活けるのが終了したら、グラスは元々収納してあった棚などに戻し、化粧カバーはペタンコにして引き出しに収納する。という感じで…。


ドライフラワーを活けた時

ところで、画像の花はドライフラワーになったアジサイですが、このフェルトっぽい化粧カバーの質感とドライフラワーの雰囲気が何となく合うような気がしたので合わせてみた…。
なお、造花などを飾る場合もガラス瓶と化粧カバーの組み合わせはいいかもしれない。水の入っていない埃っぽい瓶の中をあえて見せる必要もないし…。

花を生けた時のイメージ

いずれにしても、この化粧カバーを被せることによって、日常使いをしているグラスや 普通だったら捨てるような調味料の瓶などが、普段のイメージとは違う花瓶に変身するのはちょっと楽しいかも…。

なお今回は、パンチカーペットを材料にして作りました。
羊毛の厚めなフェルトだとけっこう高価だけど、切り売りのパンチカーペットならば結構安く入手出来るので気軽に楽しめていいかもしれない。
しかも一応不織布なのでそれっぽく見えるし…。

また、このような類のカバーでよく見られるものには、レザーで作られているものやイラストがプリントされている紙や布で作られているものもあって、そこそこ高級感のあるものからポップなものまで色々と見受けられます。
とにかく、使用する紙や布の材質そして柄やイラスト次第では、洋風から和風まで全く異なった雰囲気なものが作れます。


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