先日卓上用の小さなちりとりを2つ作ったが、そのちりとりそれぞれにほうきをセットするとなると2つのほうきが必要。
もともとは製図用ブラシが2つあったのでそれとセットにするつもりだったけど、どこに行ったのか1つだけ見つからない。いずれひょこんと出てくるとは思うが、差し当たって1つは足りないので新しく手ぼうきを用意することにした…。

まず素材としては、とにかくナチュラルなもの…。
とりあえず手作りするつもりではいたけど、すごく気に入ったものがあったら買ってもいいかなと思い一応は調べてみた…。

色々と見た中で、職人さんが手編みで作った日本製の手ぼうきは味があって捨てがたいが、数千円もしたので予算オーバー…。偶然飛んだ海外のECサイトにはけっこう気に入った古道具っぽいものがあったけど、買えるのかどうかも分からないし英語だらけでちょっと難しい…。ほかにも探してはみたけどなかなか希望のものが見つからない…。
ということで、やはり手作りすることにした。


■天然の素材だけを使って「小さなほうき」を作る。

まず天然の植物で手ぼうきの「穂(フサフサ部分)」に使用されているメジャーな材料はというと、シダ・しゅろ・パーム・草(ホウキモロコシ、いぐさ、ワラ、ススキ)などがある。その中から毛束として販売されているものがないかとりあえず探してみた…。
しかしなかなか見つからない。ということで持ち手がプラスチックのそこそこ安い手ぼうきを買って、リメイクというか作り直しというか、とにかく一旦分解してその穂(フサフサ部分)を利用するということにした。
この方法だととにかく安く作れる。今回の材料費は木の取っ手も含めて総額300円ほど。

穂の材料であるパームの束
■材料

【穂束(毛束)】
【何かの取っ手】または【木の丸棒】
【木片】
【木ダボ】
【木工用の白ボンド】

【穂束(毛束)】今回は市販のほうきを分解してその穂の部分だけを使う。なお用いた手ぼうきは穂の材質が「パーム」のものです。
【何かの取っ手】は何でもよい。ちなみに今回はバーベキュー串に付いている木の取っ手を利用した。
とにかく色々と探せばそれらしいものは何かしらあるはず。例えばヤスリの取っ手(柄)もそれっぽい。これはホームセンターのヤスリのコーナーなどで取替式の取っ手だけが売られている。もちろんネットでも売られていて、調べてみると木製で色々なデザイン・サイズのものがある。小さいものだと100円くらいからあるはず。
または【木の丸棒】でもよい。これは普通に売られている木の丸棒でもいいし、適当な太さの木の枝でもいいと思う。

■作り方


本体の材料であるカットした木片

.木片をカット。

まずは、任意のサイズに木片をカットする。
●高さは、穂束と木ダボ(取っ手取付け用)を差し込むための穴が上下にそれぞれ設置出来るくらいの高さは必要。※下記の工程3と4を参照。
●幅は、穂(毛)の広がり具合にもよるが、おおよそ穂先の幅となる。
●奥行は、穂の束が交互に並ぶくらい。※下記の工程2の画像を参照。

穴を開ける位置に印を付けている様子

.穴を開ける位置に印を付ける。

まず、穂束を差し込んで固定させるための穴の位置を記した実寸の図面を書きます。
そしてその図面を両面テープなどで木片の底面に貼り付け、さらに図面に記す穴のセンターとなる所にキリなどでマーク(木工用ドリルの先端がズレないようにするための窪み)を付けます。

穴を開けたあとの様子

.穂束を固定させるための穴を開けます。

上記の工程で付けた印の位置に木工用ドリルを使って垂直に穴を開けます。
今回は径6mmで深さ12mmの穴を14箇所開けました。これがこのあと穂束を固定させるための穴となります。

本体を成形したところ

.取っ手を固定させるための木ダボ用の穴を開ける。

上部となる面(工程3で穴を開けた反対側の面)に取っ手を固定させるための木ダボ用の穴を開けます。
その深さはダボの長さの半分よりちょっとだけ深めにする。
そのあと、その穴の両側の角をサンドペパーを使って画像のようなデザイン(なで肩のような感じ)になるように削りました。
そして仕上げに、すべての角を面取りしてこのパーツの加工は終了。

いくつか用意した取っ手

.取っ手を用意し、その底面に木ダボ用の穴を開ける。

ちなみに3種類の取っ手を用意してみてその中から一つ選ぶことにした。

画像内で左側のものは、バーベキュー串の取っ手を取り外して、それを5cmほどカットし、サンドペーパーを使って成形し直したもの。
真中は、木の丸棒。
右側は、木の枝。

以上の3種類をその他のパーツと仮に合わせてみて一番好きな組み合わせを決める…。

ダボ用の穴を開けた取っ手

どれもそれなりに良かったが、今回は最初の予定通り串の取っ手を加工したものを使うことにした。

そして、取っ手の仕上げとして、底面(木片と合体させる側)に木ダボを差し込ませるための穴を開けておきます。

なお、2つの余った取っ手ですが、木の丸棒のほうはそれを使ってあとでもう1つ手ぼうき作ろうかとおもう。
そして木の枝のほうは、上記と同じように底面に穴を開け、そこに取っ手の無くなったバーベキュー串を差し込んで付けておいた。ちなみにですが、それはそれでなんだか無骨なアウトドアグッズっぽくて以外とカッコいい感じです…。

本体と取っ手をボンドで接着するところ

.ボンドで接着させる。

木片と取っ手に開けた穴にボンドを注入し、そこに木ダボを差し込んでそれぞれを合体させます。

ボンドが固まって完成した本体

ボンドが固まったら本体の完成です。

束を糸で縛ってまとめてある

.穴にピッタリとはまるサイズの束を作ります。

折り曲がった状態で穴にピッタリと入る量の穂束を数本作り、それぞれの中心部分を糸などで縛ってまとめます。
今回は穴を14箇所開けたので14束作りました。

本体の穴に束を植え付けている

.束を穴に差し込んで固定させる。

穴の奥のほうに1~2mmほどボンドを注入し、そこに束を差し込んで奥のボンドで固定させます。

ハサミで穂先を整える

.穂先を整える。

そのままだと穂先がガタガタしているし、穂の部分が長すぎて全体のバランスがちょっと悪かったので穂先をハサミでカットして整えました。

完成した手ほうきとちりとり

以上で「ナチュラル素材の手ぼうき」が完成。

なお、このままでもべつにいいけど、さらに吊り下げ収納も出来るようにと、このあと取っ手の頭部分に横穴を開け、そこに紐もしくはDカンか三角カンを取り付けておこうとおもう。

ちなみに、画像の中にあるちりとりは、先日手作りした2つのうちの1つです。もう1つは黒いタイプを作っています。
※このちりとりの作り方はこちら>>>はりみ風の「紙製ちりとり」を手作り


以上のように「手ぼうき」を手作りしてみました。
穂(毛)に使用したパームは天然素材なので静電気が帯びずほこりが付着しないのが特徴。
また取っ手を含む木製の本体も天然素材なので、経年変化で色褪せ、さらに使い込むほどに使用感が増して味わい深くなっていくのも楽しみです。

なおこの先、もし穂(毛)が短くなって交換したくなったとしたら、穂を付け根からカットし、そこをドリルで穴を掘りなおして新しい穂を植え直すといいかもしれない。まあ何年も先になるとは思うが…。

とにかくナチュラルで素朴ないい感じの手ぼうきに仕上がってそこそこ満足。これだと意味もなく暇さえあればそこらじゅうを掃除をしてしまいそう…。


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