家具選びの時に、意外とスルーしがちなのが塗装の種類ではないでしょうか?
デザインを決めるといえば、やはりまず一番に家具の形状に意識が行くと思うのですが、けっこう塗装の質感もデザインの中で大きなウエイトを占めているものです。
塗装の種類が違うだけで家具のイメージもガラリと変わってしまいます。大げさに言えば、目指すインテリアのジャンルも変わってしまうほどです。

家具に塗られているものでよく見かけるものは、ウレタン・ラッカー・天然オイル・ポリエステル・UV塗装などがありますが、その中でも比較的よく使用されているものを紹介いたします。

ウレタン塗装について

ウレタン塗装の表面

日本人は比較的、ウレタン塗装の家具を好みます。それは、塗膜が強固であり、汚れにも強く、水に対しても強く、木の変形も少なく、お手入れも簡単なためでしょう。おそらく、キレイ好きで完璧主義な日本人の性分に合うのかもしれません。
そのせいか、日本で一番流通しているのは、このウレタン塗装の家具です。

けれども、木の素材感を殺してしまい、微妙にプラスチック感が出て、木のナチュラルな感じが少なくなります。また、20年ぐらいすると樹脂が劣化し、塗膜が剥がれてくる場合もあります。
そして、ウレタン塗装は、表面がプラスチックの膜のようになっていますので、修復するときは、表面の塗膜を一度削ってはがさなければなりません。これを自宅でやるとなると、とんでもなく大変な作業になりますし、家具屋さんにお願いしても、けっこうな金額になるはずです。とにかくウレタン塗装は修復するのが大変です。
ちなみにそれは、表面をある程度削ってもOKな無垢の木で出来ている場合です。突板仕上の家具の場合は修復不可能です。

ラッカー塗装について

ラッカー塗装の表面

一方、ヨーロッパなどでは、今でも比較的ラッカー塗装の家具が好まれるようです。合成樹脂塗料の中においては一番古くから使われており、輸入家具に多く見られます。
何といっても塗膜が薄くて仕上がりが美しいからでしょう。また、古い家具でも自分で手直しをして永く大切に使われているようですので、補修や塗り直しが自宅で容易な事も選ばれている理由でしょう。
しかし、熱、水、薬品に弱いというデメリットもあります。熱いものや濡れたものは置かないように気をつけなければなりません。

では修復する場合ですが。ラッカーの塗膜は先にも述べたように薬品に弱いという性質があるので、上から新しくラッカー塗料を塗っても、その塗料に含まれた溶剤が元の塗膜を溶かし、新旧の塗料が比較的馴染んでくれます。そのため、古い塗膜を削ってはがすという大変な作業は必要ありません。

そして、DIYで塗り直しの回数を重ねてゆくと、ヨーロッパの古民家に置いてある家具のような、野暮ったくて味わい深い、いい感じにもなります。
たまにテレビで、ヨーロッパなどを旅する番組を見ていたら、古いレストランの家具や建具は味わいがあるのに、日本の家具や建具には何で味わいが無いんだろう? と思われたことはないでしょうか、それはひょとすると、ラッカーで塗装されたものが永く大切に使われているからかもしれません。

オイル塗装について

オイル塗装の表面

もっと味わいのあるのが、オイルフィニッシュと言われる天然オイルによる仕上げです。
オイルフィニッシュに使われるのは乾性油という油で、色々な種類の乾性油があります。中でも多く使用されている油は、亜麻仁油、もしくは、エゴマ油です。純度100%のものや、乾燥を早くするためにドライヤー(乾燥剤)などの添加物を加えているものなどもあります。

乾性油とは、薄く塗り拡げて空気中に放置すると、酸素との化学反応により自然に乾燥する油のことで、亜麻仁油・エゴマ油・クルミ油・桐油・紫蘇油・紅花油・カラシ油・ひまわり油などがあります。

ちなみに、乾燥に時間はかかりますが、スーパーで売っている食用の亜麻仁油やエゴマ油でもOKです。ただし純度100%のものに限ります。この場合、亜麻仁油よりもエゴマ油のほうが多少乾燥は速いです。たた、食用は価格が少し高いのでもったいないですが。

そして、オイルフィニッシュのメリットとしては、無垢の木が持っているナチュラルな風合いや質感を損なわないことです。
また、デメリットとしては、シミが付きやすいこと、汚れが付きやすいこと、木が湿気の吸収と放出を繰り返して変形やワレが起き易いこと、塗膜の強度が弱いのでメンテナンスの頻度が多いこと、などがあります。しかし最近では、このデメリットさえも味わいと捉えて、好んでいる方々も増えてきています。
その他の特徴としては、色やけが起こり易いということがあります。これは、白木のままが好きな人には、デメリットになるかもしれません。しかし、経年変化した雰囲気を楽しみたい人にはむしろメリットになるとおもいます。

そのほかには、ウレタン塗装のいい所を多少持たせたオイル塗装の家具も存在します。
その家具の場合、どちらかと言えばオイルフィニッシュになるんだとおもいますが、メーカーによっては、カタログ上の表記がウレタン塗装となっている場合もあります。
どんな塗装かというと、天然のオイル(乾性油)に、ウレタン塗料を混合させたものです。混合のバランスはメーカーごとに異なりますが、100%ウレタンの塗料よりも多少雰囲気はあります。

テーブルの上に食器

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以上をまとめますと。
お手入れの簡単さを重視するのならとにかくウレタンです。
雰囲気や、味わいを重視するなら断然オイルフィニッシュで、次ぎの、次くらいにラッカーです。
いずれにも長所と短所がありますし、好き嫌いもあります。家具を使い勝手で選ぶのか、さらに味わいのある雰囲気をも重視するのか、でけっこう変わってきます。
なので、塗装の種類を調べることも家具選びの重要な要素となってきます。