ブレッドバスケットとは、文字通りパン(ブレッド)を入れるためのかご(バスケット)です。
海外では穀倉地帯や胃袋という意味で使われる場合もあるようですが、ここでは“パンかご”の事で…。

種類としては、籐を使って編んだものや、木で作ったもの、また金属、竹、プラスチック、布、その他様々な素材で、様々なデザインのものが作られています。

使い方としては、パンを食卓に出す際のテーブルウェアなのですが、中には、形状やサイズによってはフルーツバスケットやトレーなどとして使用出来るものもあります。

なお、パンを食卓に出す際には、とうぜん焼きたてやリベイクした熱々のパンを出す場合もあるかとは思うのですが、その場合、熱々のパンからは多少の蒸気が出ています。
それを、陶器、金属、プラスチックなどの普通のお皿に盛り付けた場合、その蒸気が水滴となってお皿の表面に付着し、その水滴によってパンが濡れてしまい美味しさが多少損なわれてしまうということにもなりかねません。
しかし、ブレッドバスケットを使用した場合、その点は多かれ少なかれ解消してくれます。

今回は、そのブレッドバスケットを手作りするのですが、その中でも布製タイプのものを作ります。


■イラストと画像で、作り方を紹介。

布製のブレッドバスケットには「布が1重」のタイプのモノもありますが。
多少薄い布を材料にして作ったとしても、サイドがしっかりと立ち上がるように、今回は「2重構造」になっているタイプのモノを作ります。

寸法が記してある材料の型紙
■材料

【布】… 画像通りのサイズで2枚

布は、同じサイズのものを2枚用意します。
今回は、横620㎜ × 縦270㎜。

よく使用されているのは麻や綿です。
ただし、腰の無いテロテロな柔らかい布の場合は、サイドが倒れてしまうのでバスケットとしては難しいかな。

今回は、【10号帆布(綿)】で作ります。帆布としては薄い部類ですが、布としては厚いほうにあたるので確実にサイドは立ち上がります。
なお、裁断する前には水通しをしておきます。

また、先日手染めをした【綿のシーチング】でも作ってみました。
シーチングは帆布よりも全然薄いですがそこそこ立ち上がります。但しギリギリですが…。

●この作り方では、リバーシブルも可能。
ここでは、用意する布を2枚とも同じ色にして作りますが。 例えば用意する1枚1枚を、異なる色・柄・材質にするとリバーシブルにもなります。
リバーシブルだと、上端を外側に折り返した時に、内側の布がデザインのアクセントに…。

■作り方


半分に折り曲げて端を縫う

.半分に折り曲げて、端同士を縫い合わせます。

布を半分に折り曲げて端同士を合わせ、その端から縫い代10㎜のところで縫って“筒状”にします。

※用意した2枚の布は、両方とも同じように加工。
なお、以下の[工程2・3・4・5・6]も同様で、その工程ごとに2枚とも同じ加工をします。

縫い代にアイロンをかける

.縫い代を開いて、その部分にアイロンをかけます。

まず縫い代を開いてアイロンをかけます。

そのあと、下記の[工程3]に進む前にはイラストの様に、縫い目の位置を横幅で3:1の箇所にもって来るようにしておきます。
今回の場合は、225(75×3)㎜:75㎜となります。
※断裁や縫製の正確さ、また布の厚さなどによっては1~2㎜くらい変わってきますので、そのへんは臨機応変に。

なお、どちらでもいいのですが、この工程では下の画像の様に、縫い目の両側にデザインステッチを入れておくと、完成した時にアクセントとなりますし、完成度が高くなって見えます。
ミシンでデザインステッチを入れる
今回は、とりあえず入れておきました。
筒状の布を半分に折り曲げる

.縫い目の位置を3:1の所にもってきたら、半分に折り曲げます。

折り曲げたあと、とくにアイロンをかける必要はありません。手押しで十分です。

下部の両側を45度にカット

.下部を45°でカットします。

上記[工程3]の折り曲げた状態のまま、イラストのように下部の両側を45°でカットします。

その結果、残った本体部分の下端は、下に向かって尖っている形状となります。
ちなみに、その先の角度は直角(90°)になっているはずです。

布を開いた様子
カットしたあとに開いたら、このように下に向かって直角(90°)に尖った部分が4ヶ所出来ます。
底部分を縫う

.底部を4ヶ所縫って袋にする。

カットした箇所の、隣り合う端と端を合わせて、縫い代10㎜の所で縫い合わせます。

全4ヶ所を縫い合わせると、その部分が正方形の底となって全体が袋状になります。

縫い代の先を縫う

.縫い代の始末をする。

4ヶ所の縫い代が交差している中心部分を画像の様にして合わせると、先端が三角になります。

さらに底部分(袋)を広げると、その三角がとび出した状態になります。

そして、そのとび出した三角部分の付け根部分を縫い合わせます。

三角の部分を寝かせて縫う

そのあと、その三角部分が立っていると邪魔なので、寝かせて本体に縫い付けておきます。

底部分の始末の様子
反対側から見るとこの様になっています。
一方の袋をもう一方の袋の中に入れる

.一方の袋を裏返して、もう一方の袋の中に入れます。

イラストで説明すると、裏返していない「A」の中に、裏返した「B」を入れます。

上端を合わせて待ち針で留める
そして、奥まで入れたら「A」と「B」の上端を合わせます。
その時、「A」と「B」の縦の縫い目どうしも合わせます。
袋の上部分を縫い合わせる

.袋の上部分を縫い合わせます。

袋の上端部分を合わせたら、縫い代10㎜の所で縫い合わせます。
その時、全周をすべて縫わないで、一部分に縫わない所(穴)を設けます。

今回、縫わない所(穴)の幅は、大体80㎜ほどにしました。

穴を使って裏返す

.ひっくり返す(裏返す)。

上記[工程8]で縫わなかった所(穴)を使って、全体をひっくり返し(裏返し)ます。

上部にステッチを入れる

10.裏返したら、形を整えて上部にステッチを入れる。

上部にぐるり1周ステッチを入れることによって、[工程8]で縫わなかった所(穴になっている所)を閉じます。

以上で完成。

完成した形状・サイズは、
幅が約150㎜の正方形で、高さが約160㎜です。

■使用する際の高さは、パンの量に合わせて自分で調整。

ブレッドバスケットにパンが入っている

パンバスケットを使用する際の高さ(深さ)は自分で調整します。
中に入れるパンの量が多い時はそのままの高さで使っても良いし、少ない時は折り曲げて低くするなど、その時々に合わせて…。

なお、低くする場合は。
少ない幅で一回折り曲げると少しだけ低く。
大きい幅で一回折り曲げるとまあまあ低く。
さらには二回折り曲げるとすごく低く。


■食卓を演出する際のテーブルウェアとして…

テーブルの上のブレッドバスケット
食卓にブレッドバスケットが置いてある風景

以上、布製のブレッドバスケット(パンかご)の作り方でした。
中に入れるパンの種類や形、一緒に出てくる料理、そして使い方によっても全然異なってくるとは思いますが、今回作ったブレッドバスケットは2~5人用くらいかな。

この布製タイプのものは、シンプルな雰囲気の食卓を演出したい時のテーブルウェアとしてもピッタリですよね。
以前、海外を紹介するテレビ番組の中で、布製のブレッドバスケットにパンを無造作に入れて、それをテラス席のテーブルの上にポンと置いていくというカフェがあって、なんだかオシャレだな~と思って見ていました。スウェーデンだったかベルギーだったかフランスだったか忘れましたが…。

なお、上記に記載してある布(材料)の寸法を変えることによって、色んなサイズのブレッドバスケットも作れます。

ちなみに、2重構造の布の内側に小豆またはチェリーの種が詰められて販売されているブレッドバスケットもあります。
それらは、そのままレンジでチンすると、布の内側に入っている小豆やチェリーの種が温かくなり、中に入れるパンを保温してくれるらしいです。

■パンの保存用バックとしても。

また、この布製ブレッドバスケットはテーブルウエアとしてだけではなく、自宅で焼いたパンをしばらくの間保存しておく際の「パンバック」としても使えます。

使い方は…
●まず、このブレッドバスケットの立ち上がりを折り曲げていない状態(袋状)にします。●そして、その中にパンを入れます。●そのあと、口(上部)を閉じて1回折り曲げてパンを保存しておきます。
もしそれでも口が広がるならば、折り曲げた部分をクリップなどで止めて封をしておきます。

しかし、保存用とはいっても長時間の保存用ではありません。 焼いてから、その日の内に食べるまでのしばらくの間用です。
長く保存するときは、一般的に行われているように密閉出来る袋や容器に入れ、次に食べるまでの期間を鑑みながら普通に冷凍か冷蔵しておくのが良いでしょう。
なお、暑くなる時期・場所では、たとえ短時間でも保存用としては不向きです。

※上記画像のブレッドバスケットは、コーヒー液で「手染め」した布で作ってあります。
●染め方の参考 ↓
コーヒー・紅茶で「手染め」して、味のある雰囲気の布に


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