よく、焙煎から数日以内の高品質な豆で淹れたコーヒーの酸味はフルーティーで美味しいといいます。
確かに、それを調整することが出来るお店で飲むコーヒーはそうかもしれませんが、一般的に自宅で飲むコーヒーの多くは、煎りたてではない市販の豆である場合が多いと思います。
そして、購入から多少の日にちが経ってしまっていても、コーヒーの味がするかぎりは捨てるのがもったいなくて、飲んでしまうのがほとんどでしょう。

コーヒーを淹れる時、多くの場合はお湯で淹れることが多いと思いますが、高品質ではない豆の場合、酸化した豆の嫌な酸味や、へたもするとアクの様なえぐ味などの収れん性のある雑味までも引き出してしまうこともあります。

そんな時は、水出しで作ってみるのもいいかもしれません。いつもとは違う味わいが楽しめるかと思います。
お湯でホットドリップした時に、舌の上にずっと居座るような嫌な酸味のあったコーヒーが、酸味やえぐ味などの収れん味の少ない飲みやすいコーヒーに変わります。

しかしその場合、どうしても水出しコーヒーの専用器具が必要となってしまいます。
まあ最近は、お手ごろな価格のものも出ていますが、そればかりを飲むわけではないので、使用しない時はけっこう器具がジャマです。

やはり、いつも使用しているドリップコーヒーの器具や、そのほかにキッチンにある何かが使用できればベストです。

ということで、水出しコーヒーの専用器具を購入しない3通りの方法で淹れてみます。

用意するモノは
●1つ目は、ビンと、お茶パック。
●2つ目は、ビンと、ドリッパーと、サーバー。
●3つ目は、ドリッパー2個と、サーバー

サーバーは持っていればそれを使用。もしなければガラス製でもプラスチック製でも下で受けることが出来る容器でさえあれば、耐熱でも耐熱でなくてもなんでもOKです。水出しなので…。
あと、ビンもなんでもOKです。水出しなので…。
しかし、中身が見えたほうが便利なので、出来れば透明で。


●1つ目の方法は、お茶パックで作る水出しコーヒー

道具と材料

この方法は、とても簡単です。
必要な道具は、【ビン】と【お茶パック】のみ。
今回は、冷蔵庫に入れやすい大きさの蓋付きのガラスのジャーポットと、お茶パック2枚を用意しました。

【材 料】
●水 500cc
●コーヒー粉 40g (深煎り豆を、比較的細かく挽いたもの。もしくは、アイスコーヒー用。)

【作り方】
まず、40g のコーヒー粉を、2枚のお茶パック其々に20gづつ分けて入れます。
次に、用意したビンに、水500ccと、お茶パックに詰めたコーヒー粉40gを入れるだけ。

ビンの中で抽出中

あとは、8時間待つのみです。

抽出している間、このまま冷蔵庫に入れておくと、お茶パックを取り出した時には直ぐに冷たいアイスコーヒーが飲めます。

この作り方で注意する点は、必ず8時間ほどでお茶パックを取り出すことです。
お茶パックを入れたまま、10時間以上も経つと、いろんな雑味が出てしまいます。

加えて、作る時間帯にも注意が必要です。
例えば夜の7時に仕込んだ場合、8時間後といえば、夜中の3時になってしまいます。

また、お茶パックの構造にもよるとは思いますが、粉が口の部分から漏れ出て、ビンの下部に沈殿することがあります。
その場合は、粉を入れてフタをしたお茶パックを、更に2枚目のお茶パックに包んで2重構造にすれば良いでしょう。


●2つ目は、コーヒーの粉と水を直接混ぜる方法

ビンの中に粉を入れている

この方法で必要な道具は、【ビン】【ドリッパー】【ペーパーフィルター】【サーバー】です。
今回は、サーバーとしてガラスのポットを用意しました。

【材 料】
●水 900㏄
●コーヒー粉 50g (深煎り豆を、比較的細かく挽いたもの。もしくは、アイスコーヒー用。)

ビンの中に水を入れている

【作り方】
まず、用意したビンに、コーヒーの粉50gと、水900ccを入れます。

ビンの中身をマドラーで混ぜている

次に、粉と水を混ぜ合わせます。
そして、ビンに蓋をして、3時間コーヒーを抽出します。

この作り方は、粉と水を直接混ぜ合わせているので、コーヒーの成分が出やすくなっています。
なので、上のお茶パックに粉を入れる作り方よりも抽出時間は短くて済みます。
お茶パックに粉を入れる作り方では抽出時間が8時間でしたが、この方法ですと3時間で済みます。
全然時間が違うので注意して下さい。
5時間も漬けてしまうと雑味が出てしまいます。

このように抽出時間は短いので、早く作りたい時はこの方法が良いです。 但し、次に説明しますが、コーヒーを濾すのが意外と大変です。

粉を濾している

3時間経ったら、ドリッパーにペーパーフィルターをセットしてコーヒーを濾します。

一見簡単に濾せそうですが、以外とペーパーフィルターが直ぐに詰まってしまいます。
本当に直ぐです。そして、濾す時間が長いです。これが結構ストレスになります。

全部越し終わるのにペーパーフィルターが4枚ほど必要になります。
なので、茶漉しなどで一度濾してからペーパーフィルターに通したほうが良いです。
ただそれでも直ぐに詰まります。細かーい粉が直ぐに詰まります。結局ペーパーフィルターが2~3枚ほど必要になります。


●3つ目の方法は、氷出しコーヒー

水出しの道具とドリッパースタンド

この方法で、最低でも必要な道具は、【サーバー】【ドリッパー2個】【ペーパーフィルター1枚】【キッチンペーパー】です。
今回は、サーバーとして750mlのガラスのジャーポットを用意しました。
ドリッパーが2個必要なのは、上の段に氷を入れるため、下の段にはコーヒーの粉を入れるためです。
あと、ドリッパースタンドを持っている方は、使用すると便利です。

【材 料】
●氷 200g
●コーヒー粉 20g (深煎り豆を、比較的細かく挽いたもの。もしくは、アイスコーヒー用。)
●水 大さじ2杯

粉に水を含ませている

【作り方】
まずサーバーの上部に、下の段となるドリッパーをセットします。そして、ドリッパーの中にペーパーフィルターをセットして、そのペーパーフィルターにコーヒーの粉を入れます。

そして、その粉に、全部で大さじ2杯分の水を数回に分けながら加えて湿らせます。
要領としては、粉の中心をほんの少しだけ凹ませて、そこに少し水を加えます。

粉と水を混ぜている

上の画像の様に水を加えたら、粉をスプーンなどで混ぜて粉全体が均等に湿るようにします。
この作業を数回繰り返して、全部で大さじ2杯分の水を加えます。

粉にキッチンペーパーを被せる

粉全体を均等に湿らせたら、天面をキレイにならして、その上に、粉が隠れるように適当に切ったキッチンペーパーを被せます。これはティッシュペーパーでも布でもOKです。
このキッチンペーパーは、水滴の落ちる部分が凹み過ぎないように、また、粉全体に均等に水が行き渡るようにする為のものです。

上部のドリッパーに氷を入れる

以上のように、下の段になるドリッパーに粉を入れ終えたら、その上部に、用意したもう1つのドリッパーをセットして、その中に氷200gを入れます。

あとは、氷が解けて水滴となり、水出しコーヒーのドリップがスタートします。

抽出中に落ちる水滴

氷200gの場合、室温が26度ほどで、大体4~5時間位で終了します。
しかし、同じ室温(26度)でもエアコンなどの風が当たる場所に置いておくと、2時間30分位で終了することもあります。

早く解ける場合と、遅く解ける場合の味の差ですが、同時に飲み比べなければ判らない程の差しかありません。

先の2つの方法のように、水に粉を漬ける方法では、長時間漬けすぎると雑味が出てしまいますが、この方法の場合は、氷の解けるがままにまかせておけば大丈夫でしょう。

また、うっかりと粉を取り出し忘れてしまった、ということもありません。


上の3通りとも深煎りの豆を使用したので、アイスで飲んでももちろん美味しいですし、ホットにしてミルクを加えて飲んでも全然美味しいです。
また、深煎りではない豆を使用して作っても、美味しく飲めます。

また、水出しコーヒーをホットにしたら美味しくないという話もありますが、そんなこともなく、お湯でドリップして美味しくなかったはずの豆でも全然おいしくなることもあります。

グラスに注ぐコーヒー
カップに入ったホットコーヒー

ホットで飲みたいときは、湯煎または、レンジでチンが良いでしょう。ただし、煮詰まらないようにすることが大事です。

時々、パッケージのデザインやキャッチコピーなどにつられて、興味本位で豆を買ってしまうこともあったりします。
その他にも、以外とプレゼントやお土産などで豆をもらうこともよくあります。
そしてそれらがあまり好みではない味であったりする場合もありますが。
コーヒーは淹れ方によっては、好きな味になったり嫌いな味になったりすることがあるので、あまり好みの味ではなかった場合は、色々と淹れ方を試してみて、自分の好きな淹れ方を探して見るのも楽しいと思います。

この水出しという淹れ方は、酸味が好きな方には少し物足りないかもしれませんが、酸味や雑味が少なくなった分、奥のほうにあるフルーティーさが僅かに引き立ちます。
また、お湯で抽出する時と比較すると、カフェインの量も少ないようなので、飲みすぎて気持ち悪くなり難いかもしれません。
さらに、水で淹れる為、熱による酸化を防ぐことが出来、多少時間が経っても味の変化が少なく、1~2日位なら冷蔵庫に作り置きしておけるのも便利です。
これなら、コーヒーを作る時の選択肢として、あってもいいでしょう。


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