手作りで石鹸を作るときに、必ず必要となってくるのが型です。 その型としては、市販されている石鹸専用のものや、シリコン製のケーキ用のものなどを使用することがあるとおもいますが、市販のものには、好きなサイズ 形のものが無い場合もあります。 そんな時は、自作するしかありません。

ということで、オリジナルサイズの石鹸を作るために、型を自作してみました。
※ちなみにこの型は、前に紹介した、市販の石鹸をリメイクする時に使用するものであって。苛性ソーダを使って石鹸を手作りする方法で使用するものではありません。

↓〈基本的な石鹸作りのページ〉へのリンクです。

苛性ソーダを使わない手作り石鹸の作り方と その材料


[1]6面ともフラットな石鹸を作る場合

電子レンジや湯煎で石鹸を溶かした場合、その溶けたものはペースト状位までにしか柔らかくはならず、
液体のようにサラサラと流れない為、型に流し入れたあとの完成品の天面は多少ボコボコになってしまいます。
今回はそのボコボコをフラットにして、6面共フラットになるようなオリジナル型を自作しました。

型から取り出したところ
最上部の竹炭石鹸には刻印がしてあります。
その刻印方法は ↓
おしゃれ雑貨のような 手作り石鹸のレシピとアレンジ方法
必要な物

【木材】
【クランプ】2個(完成した型枠に合うサイズ)
【離型用のシート】 クッキングシート、ラップなど。
(クッキングシートの場合は、表面にシリコンコーティングがされているもの)

用意した木材は、
幅60mmで、厚さ15mm、長さ1メートルのものが1本です。 この寸法は、作りたい石鹸のサイズによって変更します。

今回は、100gの石鹸を、長方形の6面体にリメイクした場合、その完成した厚さが22mm前後となるように型を作りました。(乾燥すると、多少薄くなりますが。)

■作り方


カットした木
木のサイズを記した図

.まずは、木材をカットします。

画像・図のように、押さえ板〔A〕、両サイドの板〔B〕、前後の板〔C〕、となるように木材をカットします。

まず、押さえ板〔A〕をカットします。
この押さえ板を平面(上)から見た『形・サイズ』は、
そのまま、完成した石鹸を平面(上)から見たときの『形・サイズ』とほぼ同じとなります。
今回は、石鹸を幅60mm・長さを85mm程にしたいので、押さえ板は85mmにカットします。
なお、押さえ板をつまみ易くするために、つまみ部分となる板を適当にカットして、押さえ板の上にボンドで着けました。

次に、両サイドの部分となる〔B〕をカットします。
押さえ板 長さ85mm +『前後の板厚15mm×2』
なので、最低でも長さ115mmは欲しいです。
今回は余裕をみて、長さ145mmにしました。

そして、前後の部分となる〔C〕をカットします。
押さえ板(用意した木材)の幅が60mmなので、その押さえ板が型枠の中に入って上下にスライド出来るように1mm余裕をもたせて、長さ61mmにカットしました。
この61mmが、石鹸の仕上がり幅のサイズとなります。(乾燥すると60mmほどになります)

今回は、長さ1メートル(1000mm)の木材を1本用意しましたが、結局、使用したのは55センチ(550mm)ほどでした。

クッキングペーパーを貼り付けたところ

.カットされた木に、クッキングシートやラップなどの、離型用のシートを貼ります。

カットされた其々の木に、石鹸と型が離れ易くなるようにする為の、クッキングシートやラップなどの離型用のシートを貼ります。
要するに、物や汚れが付着し難い性質を有するシートです。

●クッキングシートの場合は、表面がシリコンでコーティングされているものを使用します。
なお、シリコンコーティングされている面が、組み立てた時に内側になるように貼ります。
ちなみに、両面コーティングされている場合は裏表関係ありません。

そして貼り付け方は、型枠の内側となる面に両面テープで簡単に留めてから、透明テープなどで外側の端部分を留めます。

クッキングシート(シリコンコーティング)の使い勝手としては、固まった状態の石鹸から剥がれやすいのがメリットですが、
材料から水分を吸収してシワシワになるのがデメリットです。とうぜん石鹸にもシワが写ります。
しかし、そのシワも見方によっては味にもなりますが…。

ラップで包んだ様子
この画像では、まだ手前の2個しかラップがされていない状態

●また、ラップを使用する時は、木の表面に貼るというよりも、木全体を包むという感じです。
表面(内側)がピン!と張るように、後ろ(外側)から引っ張ってテープで留めます。

なお、押さえ板の場合は、全体をラップで包んでしまうと、あとで使用する時に 型枠部分を包んでいるラップと密着してしまって、押さえ板が下にスライドし難くなります。
なので、押さえ板の底面だけにラップを貼り付けます。
その貼り方としては、まず、押さえ板の底面全体に両面テープを貼り、そこに大き目のラップを貼り付けます。そして、はみ出た部分をカッターで切り取ります。そうすると、押さえ板の底面だけにラップが貼り付けられている状態となります。

ラップの使い勝手としては、材料の水分を吸収することがないのでシワシワにはなりませんし、
さらに、クッキングシートの場合よりも、固まった状態の石鹸から剥がれ易い感じです。

クッキングシートやラップの他には

●カットした牛乳パックを木に貼り付けたバージョンも試してみました。
紙が厚いのでシワにはなりませんでしたが、剥がれ難かったです。でも、作れることは作れます。

●また同様に、シールの剥離紙でも試してみましたが、紙製のモノだったため、クッキングシートよりもシワシワになりなましたし、さらに、剥がれ難かったです。

●そのほかには、試していないので判りませんが、表面がシリコン加工されているアルミ箔を使用するのは案外と良いかもしれません。

組み立てた型枠

.型枠を組み立てます。

内側にクッキングシートやラップなどが位置するように木(パーツ)を並べて、クランプなどで固定します。

その、木(パーツ)を並べる要領としては、
まず、組み立て予定の型枠より大きめのクッキングシートやラップなどを作業台の上に敷きます。

そして、その上の真ん中あたりに押さえ板を置いて、その押さえ板に添うように木(パーツ)を並べてゆき、外側からクランプなどで固定します。

そして、押さえ板を抜き取ることによって出来る、その『押さえ板の跡』が『四角い型』となり、そこに石鹸を流し入れることになります。

■使い方


材料を入れたところ

溶けた材料を流し込んだあと、押さえ板で天面をフラットにします。

まず、組立が完了した『四角い型』にレンジや湯煎で溶かした材料を流し入れます。
そして、天面をフラットにするために、押さえ板で上から軽く押さえます。

押さえ板を上から押さえる時は、指1本で軽く押さえる程度の弱い力で大丈夫です。
中が見えないので、隅まで石鹸が行き届いているか心配になり、強く押してしまいそうになりますが、
強く押すと、型枠も拡がってしまいますし、あらゆる場所から材料が漏れ出る恐れがあります。

その後、20分位経ってから、一度押さえ板を上から強めに押します。 但し、型枠が壊れない程度に…。
これは、押しても押さなくても どちらでも良いのですが、押しておいたほうが 表面のヒケ(凹み)の小さい石鹸になります。

そして、材料を流し込んだあと、2~3時間ほどで固まりますので、クランプを外して、クッキングシートやラップなどを剥がします。

2~3時間ほどですと、強く押さえると まだへこむ位の軟らかさなので、そっと作業をします。

その後、乾燥させて完成です。


[2]適当な箱やケースを型として使用

型を自作するのが面倒な場合は、適当な箱やケースなどを使用すると楽です。

箱とケース
必要な物

【適当な箱、またはケース】
【クッキングシート】 表面にシリコンコーティングがされているもの。

この方法で使用する箱やケースは、
底部分の4辺と縦の4辺が直角になっており、上(平面)から見た形が四角形のモノを使用します。
簡単に言うと。内側に角の有る四角の箱です。

■作り方


ケースを使用している様子

まず、クッキングシートを、使用する箱よりも大きめにカットします。

次に、箱の内側とほぼ同じ大きさになるように、クッキングシートを箱状に折り曲げます。

折り曲げたクッキングシートが拡がらないように、上の部分をホチキスで留めます。

その箱状に折り曲げたクッキングシートを、箱の内側に設置して型の完成です。

■使い方


内側の箱状にしたクッキングシートの中に、溶けた材料を流し入れます。
そして、材料が軟らかいうちに、作業台の天面で、型の底面部分をトントンとします。すると、底部分の隅まで材料が入るはずです。

完成品の天面は多少ボコボコしていますが、その他の面はフラットに仕上がります、
ちなみに、クッキングシートが水分でふやけてシワになり、そのシワが石鹸に写りはしますが…。


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