“鍋つかみ”には、大きく分けて、手袋の形状をした「ミトンタイプ」や、フラットな形状の「マットタイプ」、また立体的な「道具タイプ」などがあります。 また材質も、布製・皮革製・シリコン製・その他色々と…。

使い道としては、キッチンでの加熱料理の際に、熱々のものを手で持つ場合の火傷防止としてですが、どのタイプのものを使うかはその状況にもよります。

例えばヤカンや鍋の取っ手を掴む程度の場合では、手を覆わない仕様の「マットタイプ」の鍋つかみでも全然大丈夫ですが、熱々のオーブン庫内に手を突っ込む場合では、完全に手をガードする「ミトンタイプ」でないとオーブン庫内の輻射熱などから手を守ることは出来ません。

しかし、チョットしたものをつかむ程度の場合、サッと取り出してサッと使いたい時に「ミトンタイプ」だといちいち手を差し込むのが面倒だということも…。


■「マットタイプ鍋つかみ」「ハーフミトン」「鍋敷き」と、3WEYな仕様。

ということで、今回は比較的取り回しがしやすい「マットタイプ」の“鍋つかみ”を作ろうかと…。

とは言え、手の先ぐらいはガードしたい状況もたまにあるかとは思うので、時には「簡易的なハーフミトン」としても使える“鍋つかみ”を作ることに。
せっかくなので「鍋敷き(ポットマット)」も兼ねるデザインにしてみました。

材料の寸法を記した図面
■材料

【布】… 綿の帆布(10号)
【中綿】… キルト芯
【皮革シート】

“吊り下げループ”が必要な場合は…
【紐または布テープ】… 長さ70~80㎜ほど

【布 A・B】 化繊の場合だと、状況によっては溶けてしまうこともあるので、今回は「綿の帆布」を使用します。

【中綿 C】 使用するのは厚手の「キルト芯」。
なお、薄手のキルト芯を数枚、もしくはタオル地を数枚使用するというのでも良い。

【皮革シート D】 “鍋つかみ”として掴んだものを滑りにくくするための効果は多少ありますし、また、付いていないよりも耐熱の効果は増すので、今回は皮革シートを貼り付けます。

断裁する数量は、
の「綿の帆布」が2枚。
の「綿の帆布」が4枚。
の「キルト芯」が1枚。
の「皮革シート」が2枚。

■作り方


材料を重ねる様子

.2枚の布とキルト芯とを3層に重ね合わせる。

イラストの様に、Aの布2枚と、Bのキルト芯を重ね合わせます。
もし、Aの布に裏表がある場合は、2枚のA同士を中表に合わせます。

なお、完成した時に“吊り下げループ”が必要な場合は、紐や布テープなどをU字状に曲げ、下画像の要領で配置して2枚のA同士の布の間に挟んでおく。
この時、位置が動かないように、Aの布には縫い付けておく。
吊り下げループの設置状態
今回は、70㎜の長さにカットした「20㎜幅の綿綾テープ」を取り付けました。
取り付ける前には、20㎜幅の綾テープを半分に折り曲げ、端にコバステッチを入れて10㎜幅の紐状にしてあります。
ちなみに、革紐でもかっこいいですね。

重ねた材料の周りを縫う

.縫い代10㎜で縫い合わせます。

縫い代10㎜のところで周囲を縫います。
この時、あとで裏返すので、一部に縫わない場所(穴)◎を設けます。

なお縫い終えたら、裏返した時にモサモサしないように、8ヶ所の角部分に切り目を入れておきます。
角部分に入れた切り目

アイロンをかける

.穴の部分から裏返して、そのあとアイロンをかけておきます。

[工程2]で出来た穴から裏返し、そのあと形を整えてからアイロンをかけておきます。

裏返すと、イラストのように吊り下げループが外側に出てきます。

皮革シートを縫いつける

.皮革シートを縫い付けます。

Dの皮革シートを、任意の面にステッチで縫い付けます。

配置の仕方としては、2枚の皮革シートの間に6㎜ぐらいの間隔(隙間)をあけ、その状態で皮革シート全体が布の中心に位置するように…。
その時、2枚の皮革シートの間に出来た“隙間”の端に吊り下げループがくるようにする。

▲以上で、本体部分の作業はほぼ終了です。
もしここで完成としたい場合は、この時点で周囲にステッチを入れてしまうなどをして[工程3]で裏返した時の穴塞いでしまえば、「マットタイプの鍋つかみ」兼「鍋敷き」として使えます。

▼この先は、「ハーフミトン」にもなるように、指を入れる部分を作ります。

パーツの周りを縫う

.Bの布を、縫い代10㎜で縫い合わせます。

この時、あとで裏返すので、一部に縫わない場所(穴)◎を設けます。

縫い終えたら、裏返した時にモサモサしないように、6ヶ所の角部分に切り目を入れておきます。

なお、このパーツは2個作ります。

パーツの穴を塞ぐ

.穴の部分から裏返して、その穴をステッチで塞ぎます。

穴から裏返したあと、形を整えてアイロンをかけ、“穴の開いている辺”とその“両サイドの辺”にステッチを入れておきます。

2個ともです。

周囲にステッチを入れる

.本体部分に、[工程5・6]で作ったパーツを縫い付けます。

最後に、[工程5・6]で作った2個のパーツを本体部分に縫い付けて完成です。

パーツの配置の仕方としては、本体部分のアウトラインと2個のパーツのアウトラインがほぼ重なるように合わせます。
その時、[工程4]で、すでに本体の反対面側に縫い付けてある2枚の皮革シートと同じ方向となるようにします。

そして、周囲にステッチを入れる要領で縫い合わせます。
なお、矢印部分の4ヶ所は補強のため返し縫いをしておきます。


完成した鍋敷き兼鍋つかみ

以上、“鍋敷き” も兼ねる「鍋つかみ」を手作りしてみました。

「マットタイプ」の“鍋つかみ”なので、比較的取り回しがしやすいです。

ハーフミトンにした様子

そして、時には「簡易的なハーフミトン」としても使えます。

皮革が縫い付けてある面

鍋などを掴むこととなる面には、溶接用の手袋にも使用されるほど耐熱の効果がある“皮革シート”を貼り付けたので、熱々の鍋でも平気でつかめます。
※但し、キッチンにおける調理の範囲内で熱々になった場合です…。

そして、この面は鍋敷き(ポットマット)として使用する際には天面とします。


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