紫蘇の花穂を収穫し、「醤油漬け」と「花穂紫蘇パスタ」を作って食べてみた。
花穂の食べ頃はほんの一瞬の間…。花が咲くか咲かないかくらいの頃から7~8分咲きくらいまでの間で、まだ軸が短くて柔らかい状態の時です。
とにかく、花穂はあっという間に大きく成長して、すぐに軸が硬くなってしまいます。
いつもはついつい食べ頃を見逃してしまうことも多いのですが、今年は気が付いたので収穫してみた。
ちなみに、花が散って大きくなったらなったで、硬くなった軸から実を取って食べることもできます。
●例えば↓↓↓
紫蘇の実を塩漬けにして、常備采として作り置き
ともあれ、花穂の食べ方は色々とあります。
まずは“天ぷら”。おそらくこの食べ方が一番美味しいような気もするが、準備や後始末がちょっと面倒だったので今回はスルー。またの機会にでも…。
あとは“塩漬け”や“つくだ煮”などに加工したり、また、“薬味”として使ったりも…。
とにかく全部試してみたいとは思うが、とりあえず今回は、“醤油漬け”と“花穂紫蘇パスタ”に…。
■まずは、「花穂紫蘇の醤油漬け」を作ります。
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【花穂紫蘇】… 適宜
【醤油】… 適宜
【花穂紫蘇】は、出来れば短いものを使用。長くなるほど硬くて苦くなるような気がします。
手で摘むときに、ちょっと硬いかな~と感じるものは、灰汁抜き(下記参照)しておいたほうがいいような…。
なお今回は、上記の材料だけで作る、シンプルなタイプの醤油漬けですが、さらに【山椒】やスライスした【みょうが】などを追加しても美味しいかも。
■作り方
1.下準備として、灰汁(アク)を抜きます。
短い花穂の場合だと灰汁抜きする必要がないほどのものもありますが、沢山摘むとなると多少長めのものも一緒に摘まなければいけなくるので、とりあえず全部まとめて灰汁抜きしておきました。
まずボウルなどに水を張り、そこに花穂を入れて手で揺らすように洗い、何度か水を取り替えながら汚れを落とします。
そして灰汁(アク)抜きの方法…
●1~2時間、水または塩水に浸けておく。
●もしくは、お湯または塩を少々入れたお湯の中で30秒ほど茹でる。
※なお、灰汁は水溶性なので水やお湯だけでも溶け出すようです。塩を入れるのは一般的に色味をきれいに仕上げる場合と言われています。
上記の方法では、水に浸けておくだけの方が紫蘇の風味は残りますが、花穂の大きさ(少し伸び気味)によっては渋さや苦がさが多少残ってしまう場合もあります。 なので、苦いのが嫌な場合は、茹でたほうが良いかもしれません。
ちなみに、長く(1晩以上)水に浸けておくと苦みは無くなるのか試してみた(塩無し・塩ありの両方でテスト)。 その結果、一部のものは下の画像のように少し黒ずんでしまうことに…。
なお、これは“品種によって”なのか、それとも“すべての紫蘇で”なのかは判りません。何しろ、うちの庭では2品種以上の青紫蘇が混ざり合って生えていて、それらを適当に摘んだので…。
ともあれ、早く作りたいという場合は、軽く茹でるのがおすすめです…。
しかし、今回は風味優先なので、あえて水に1~2時間浸けておくパターンを選択…。
参考までに…
●左が「水に1時間浸けて」灰汁抜き。
●右が「塩を入れたお湯で30秒茹でて」灰汁抜きしたものの画像です。
2.灰汁抜きをしたあとは、水分を取り除きます。
今回は、ザルに花穂を入れ、おもいきり振って水を切り、さらにそのあと、キッチンペーパーに挟んで水分を吸収させました。
とにかく、水分はしっかりと取り除きます。
3.保存容器に穂紫蘇を入れ、醤油を注ぎます。
きれいな保存容器に穂じそを入れ、そこに穂じその高さの半分ほどの醤油を入れます。
4.醤油の量を調整し、フタを閉めて2日以上漬けたら完成です。
盛り上がった穂じそを上から押さえて醤油に沈ませます。
醤油が足りなければ追加します。
容器のフタを閉めて冷蔵庫にて保存し、2日以上漬けたら完成です。
ご飯のお供にピッタリ…。
まず、漬けた次の日に食べてみた…。
味はたしかに美味しい。しかし、ちょっとだけ苦い感じは残っていた。
そして、漬けて4日目に食べてみた…。
すると、苦みは無くなっている。とにかく美味い。
紫蘇の香りに醤油の旨味が合わさって、とってもご飯の進む味でした。もう、白めしにピッタリです。
そのほかには、冷奴の上にのせたり、料理のトッピングにしたり、炒め物などに入れて香り付けにしても美味しそう。
また、おにぎりの具にしたり、和風チャーハンに入れてもいいかも。
なお、最後に残った醤油は、“さしみ”や“卵かけご飯”などを食べる時に使ったり、料理用に使ったりと無駄なく使えるはず。
◇
■次は、「花穂紫蘇パスタ」を作ります。
チーズやオリーブオイルの旨味、クルミのコクや香ばしさ、それらと紫蘇の香り混ざり合ってとても美味しいパスタが出来上がります。
紫蘇を使うので和風かと思いきや、けっこうイタリアン。
見た目的には、「麺にバジルソースの絡まった緑色のパスタ」のようにはなりませんが、食べた時には口の中で、その緑色のパスタである「ペスト・ジェノヴェーゼ “風”」の味になります。
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【パスタ】… 160g
【花穂じそ】… 30g以上(お好みで増量)
↑は、茹でて無い状態でのg数です。
【くるみ】… 約15g(12~13粒)
【粉チーズ】… 15g以上(お好みで増量)
【にんにく】… 1片
【オリーブ油】… 大さじ2(約27g)
【塩】… 少々
【黒胡椒】… 適宜
【花穂じそ】を、上記の1.5倍(45g)入れたパターンも作ってみましたが美味しかったです。
※なお、花穂じそを増やした場合はチーズの味が弱まるので【粉チーズ】も一緒に増やしたほうがいいかも。
【くるみ】が無い場合、松の実でもアーモンドでも美味しいはず。
〔パスタを茹でる用〕
【水】… 2L
【塩】… 約20g(大さじ1と1/4)
※塩の分量は、水1Lに対して1%(10g)
■作り方
1.●花穂は灰汁抜きし、水気を切っておく。
●にんにくは、みじん切りにしておく。
●くるみは、170℃に熱したオーブンで5~6分ほどローストして包丁で刻んでおく。 このとき粗くきざんだものと、細かくみじん切りのように刻んだものをまぜておくと美味しい。細かく刻んだものはパスタにからんでコクを深め、粗くきざんだものはその食感がアクセントとなります。
※灰汁抜きの方法は、上記「花穂紫蘇の醤油漬け」の工程1と同じ。
2.鍋に湯を沸かし、分量の塩を入れてパスタを茹で始める。パスタは袋に表示されたゆで時間より、30秒短く茹でる。
3.パスタが茹で上がる2分ほど前から、フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて中火にかけ始める。
4.フライパンが熱くなって、にんにくの香りがしてきたら花穂を入れてひと混ぜし、直ぐにパスタのゆで汁少量と塩少々を加えてさらに混ぜる。
5.パスタが茹で上がったら、パスタ、そしてくるみを入れ、すべての具材を絡ませるように混ぜ合わせて、火を止めます。
6.フライパンを火からおろしたら、粉チーズを全体に散らすように振りかけて混ぜあわせます。
7.器に盛り付けて、お好みで上から黒胡椒をふりかけます。
今回はパスタの上で、ホールの黒胡椒をミルを使ってガリガリしました。
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以上、紫蘇の花穂を「醤油漬け」にする方法と、「花穂じそパスタ」の作り方でした。
紫蘇の花穂は、和風にはもちろんのこと洋風の料理にも使えるので、とにかく万能で便利です。