以前、サツマイモを天日干しにして“干し芋”を手作りしたときのこと。
もし、ジャガイモでこの干し芋を作ったらどんな風になるんだろう?… と少し気になった。

調べてみると、どこかの国に「サン ドライ ポテトチップス」(sun dried potato chips)という呼び名の、“ジャガイモを干して作る何か”があるらい…。
日本語にすると、天日干しポテトチップスかな?

とにかく、ポテトチップスということなので、干し芋とは多少イメージは違いますが、“干してある芋” であることには違いない。

面白そうだったのでさらに詳しく調べてみると、
スライスしたジャガイモを天日で乾燥させたあと、最後に揚げるというものでした。
なーんだ、ただのポテトチップスか…。と一瞬スルーしようと思ったのですが、わざわざ手間と時間をかけて「天日干しにする」というのには、何かそれなりの理由があるはず。

まあ、最初に考えていた干し芋とは全然違ったが、興味が沸いたので試しに作ってみることに。


■「サン・ドライ・ポテトチップス」とは?

どこの国で食べられているものなのかは、はっきりと分かりません。 しかし調べているときに、“India”という文字がいくつか見られたので、ひょっとすると、インド もしくはその周辺地域なのかな?。まぁ合っているかどうかは分かりませんが…。 ちなみに、紹介動画の冒頭で“ナマステー”とおっしゃってはいました。

それでは、これから作ります。
まずその前に、どんな感じの食べ物なのかを先に述べておくと。普通のポテトチップスよりも歯ごたえのあるカリコリとした食感で 味わいについても多少違います。 とにかく“普通のポテトチップスとは違う種類のスナック菓子”みたいな感じです。

材料の男爵イモ
■材料

【ジャガイモ】 品種は下記の通り。

「男爵」と「メークイン」を使って 色々と試してみました。結果としては「男爵」が最適でした。

ということで今回は、主に「男爵」を材料にして作ったものを紹介します。

材料のメークイン
ちなみに「メークイン」では、作れることは作れました。 しかし、いまいちでした。その理由は下記の工程6にて…。

なお、「キタアカリ」などの「煮崩れしやすい品種」は、作っていないので何とも言えません。

■その、作り方は…


スライサーでカットしているところ

.皮を剥いたあと、スライサーを使用して薄くスライスします。

まず、ジャガイモの皮を剥きますが、その表面が黒くならないように、皮を剥いた順から水を張ったボウルなどに浸けてゆきます。

そのあと、水を張ったボウルなどの上にスライサーを設置してジャガイモをスライスし、水の中に落としてゆきます。

なお今回は、普通のスライサーと、ワフッル形(ウェーブ形)スライサーでスライスした2種類を作ります。

ボウルの中の水に浸している様子

.水に30分間さらして、そのあとすすぎます。

すべてスライスし終わったら、そのまま30分間水にさらしておきます。

30分経ったらその水を捨てます。
そして、再び新しい水を入れて、余分な澱粉を除去するために1~2回 軽くすすぎ洗いします。水が透明になるくらいまですすいだらOKです。

鍋の中の沸騰したお湯に塩を入れる様子

.鍋にたっぷりのお湯を沸騰させ、そこに塩を加えます。

沸騰したお湯に塩を加える時の割合は、
お湯【1リットル】に対し、塩【3~5g】ほど。
これで塩味が付きます。 塩の量はお好みで…。

※ちなみにですが、パスタのゆで汁並みの「お湯1リットルに、塩10g」でも試してみたのですが、塩味が濃すぎでそこそこNGでした。

鍋にスライスしたジャガイモを入れる

.塩を加えたお湯で茹でます。

沸騰したお湯に塩を加えたあと、スライスしたジャガイモを入れ、中火くらいにして少し茹でます。

茹でる時間は…、
ほんの少しだけ柔らかくなる程度までです。
状態としては、張りがあって、ペラペラと揺らしても崩れたり千切れたりしないくらい。

スライサーでの厚さによっても変わると思うので、あくまでも参考ですが、茹で時間は【2分間】ほどがいいようです。

何はともあれ、持ち上げるとすぐに崩れるほど柔らかくならないように。

なお、「男爵」は「煮崩れが中程度の品種」なので、少しでも気をそらしてしまうと大変なことに。5分も茹でるとこの有様です。
煮崩れたジャガイモ
このあと、ポテトサラダになってしまいました…。

ちなみに、「メークイン」のような「煮崩れにくい品種」の場合、何分で煮崩れるのか試してみた。
3分OK。5分OK。7分OK。8分でギリギリくらいかな。
でも、さすがに9分以上は、端の部分から崩れ始めてくる感じですが…。

とにかく薄くスライスしたジャガイモなので、使う「品種」と「茹で時間」は重要なポイントです。

網の上で干している様子

.天日で乾燥させます。

茹で終わったらお湯を切って、スライスしたジャガイモが重ならないように並べ。天日の下で2~3日間乾燥させます。

完全にパリパリになったら乾燥終了です。
乾燥したら、少し透明感のある、硬くてカチカチでシワシワなチップになっているはずです。
ジャガイモが乾燥した様子

そういえば、ご当地では、面積にしておよそ“たたみ1畳くらい”はあろうかというほどの「大きい布」または「大きいビニールシートの様なもの」などの上に並べて干している場合が多いようです。

初めは、どうして「ザル」や「網」の上ではないんだろうと思いました。
その本当の理由は定かではありませんが、実際にジャガイモを“薄くスライス”して干してみると、たった1個でも結構広い面積が必要となります。
もし“沢山のジャガイモ”をスライスするとなると、ものすごい大量のザルが必要となるため、その代わりとして、たたみ1畳くらいの“大きな布や大きなビニールシート”などを使うのかな?…。 これは、あくまでも予想です。

なお、調べた限りでは、実際には多くの場合で大量に干されてはいらっしゃいました。
ちなみに、この食べ物は保存食なのかなぁ…?。

また、「布やビニールシート」で干すのは、大きさが関係しているのではなく、ほかに何か理由があるのかもしれないと思い、それを探るため、少しだけ「布」と「プラスチックシート(ビニールシートの代わり)」の上にのせて干してもみました。
布とプラスチックシートの上で干している
その結果。乾燥したチップにはあまり違いが感じられず…。

ともあれ日本は湿気の多い国です。カビがはえると嫌なので網の上で干すことにした。
但し、ジャガイモの数が多いと、大量のザルや網が必要とはなりますが…。

チップを油で揚げている

.“食べたい分”だけ油で揚げたら完成です。

油(植物油)で揚げるのは、ほんの数秒間…。
本当に少しの時間で揚がってしまいます。
(但し、油の温度・スライスの厚さにもよる。)

今回は、180℃の油で、7~10秒程でした。
揚がったら、油を切って完成です。

硬くカチッカチに乾燥されてシワシワになったジャガイモを油で揚げると、
一瞬でフワーっと広がり、カリコリとした楽しい食感のポテトチップスになります。

日本でいうと、「薄くスライスして乾燥させた餅」を油で揚げると、フワーっと膨らんでカリカリの「手作りせんべい」になるような感じでしょうか。

ちなみに、この「サンドライポテトチップス」は、ジャガイモを十分に乾燥させて水分を飛ばしてあるので、揚げた時に油の飛び跳ねが少なく、ストレスも少ないですよ。

●ところで「メークイン」の場合ですが…。
焦げているわけではありませんが、下画像のようにあまりきれいな色にはなりませんでした。
さらには、男爵のようにフワーっときれいに広がることはなくチリチリのままでした。
メークインを揚げた場合
しかし、見た目はあまりよくありませんが、味は美味しいです…。

でも次回からは、男爵オンリーで作りたいかな。

サンドライポテトチップスと調味料

.食べ方のアレンジ。

基本的には、茹でる時に塩が加えられているので、そのまま食べてもすごく美味しいです。

なおご当地では、カイエンペッパーパウダーを振りかけてから食べるパターンが多いようでした。
美味しそうだったので自分も試してみましたが、辛くて良い。
カイエンペッパーパウダーを振りかけた様子

また、中にはチャイと一緒に食べられている方も。
…ん~。チャイ?。ということはやっぱりあの国なのか?…

そして、色々とアレンジもしてみた…。
まず、ブラックペッパー、粉チーズ、ハーブ、カレー粉、を振りかけるというパターンを試してみましたが、どれも美味しかったです。

例えば、下の画像は「粉チーズ・ドライタイム・ブラックペッパー」の3つを同時にのせたもの。
粉チーズ・ドライタイム・ブラックペッパーをのせたもの
さらには、ドライローズマリーをのせたもの。
ドライローズマリーをのせたもの

そのほかには、チリパウダー・コンソメパウダー・ガーリックパウダー・チキンパウダーなどを振りかけるのもいいかも。

乾燥したチップを瓶に詰めてある

.保存方法。

ご当地では、すぐに食べない時や、大量に干した時などには、「まだ揚げていないカチカチの状態のまま」で容器などに入れ、保存しておくようです。

なお、日本においても「スライスした餅を乾燥させて、それをを揚げたり焼いたりして“せんべい”などにする。」みたいな「保存食」がありますが、
この「サン・ドライ・ポテトチップス」も、やっぱりそのような保存食なのかな?。

ともあれ、パッと見は 乾燥パスタのようですね。


■揚げないで作る、“ヘルシー”なポテトチップスにも…。

上記では、油で揚げる食べ方でしたが、
“揚げる” だけではなく、日本での “干した餅” のように、「オーブントースター」や「電子レンジ」で加熱しても膨らむのか試してみた。

使用したのは、上記同様に男爵の乾燥チップです。

まずは「オーブントースター」の600Wで、恐る恐るゆっくりと(5分ほど)加熱してみたところ、膨らみはしたが少し焼け過ぎぎみ。
そのあと、おもいきって1200Wにし、中の様子を見ながら加熱してみたところ、短時間(2分ほど)で比較的うまく焼けました。

次に、「電子レンジ」でチンもしてみた。
条件は、中の様子を見ながら600Wで2~3分ほど。
(枚数次第でレンチン時間は多少変わるかも。)
どちらかといば、レンジのほうが気楽に作れる感じかな。
…ん~、でもどちらも一長一短はあります…。

レンジとトースターで加熱した様子

なお、「オーブントースター」を使用した場合でも「電子レンジ」を使用した場合でも、どちらも、揚げた場合よりかは、少しだけ“焼き色”が付いてしまいます。

また、均一に熱を通すのが難しく、すぐに膨らむ所と、膨らみにくい所が出来てしまうことも。
そして、薄いので目を離すとすぐに焦げてしまいます。ただし、電子レンジのほうがオーブントースターよりも比較的焦げにくいかな?。

あと、見た目的には、油で揚げた時の様にフワーっと平たくは広がりません。シワシワのままで膨らんでゆく感じ。

とはいえ、両方とも食べると美味しいです。(あたりまえですが、焼け過ぎはNG。)
ちなみに、油で揚げたものとは味も違います。海老が入っていないのに、なんとなく海老せんべいみたいな味がするような?しないような?…。
また、食べる時は焼きたてが断然美味しいです。
“焼きたて” と “1日経ったもの” とを食べ比べてみましたが、結構違いました。

とにかく、保存しておいた「乾燥チップ」の中から、“食べたい時に食べたい分だけ”をレンチンすれば良いので、小腹がすいた時などにも便利です。
また、油で揚げていない分“ヘルシー”かな。


以上、「サン・ドライ・ポテトチップス」(sun dried potato chips)の作り方でした。

先ほども述べましたが、食べた感想としては、普通のポテトチップスとは異なった食感で、ちょっと違う食べ物みたいな感じです。
なお今回は、スライスする際にワフッル(ウェーブ)スライサーも使いましたが、普通のスライサーを使ったものとはまた違った食感で楽しいですよ。


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