色々とアレンジをして、料理やスイーツなどに使うと楽しい「透明なトマトジュース」。
その作り方としては、普通に考えると、まず2通りの方法が思い浮かびます。

1つ目は、「生のトマト」から作る方法。
2つ目は、「市販のトマトジュース」を透明にする方法です。

1つ目は、よく知られている方法で、
生のトマトをミキサーで砕いてトロトロなジュースにし、しばらく放置して固形の部分が沈殿するのを待つか、もしくは、ペーパーフィルターなどで濾過をして分離させる方法。
まあ、それらが可能なのは分かっていたのですが、
問題は2つ目です。
「市販のトマトジュース」を透明にする方法が全然分りませんでした。

ドリッパーで濾過しても赤く濁っている
分離されずに、赤く濁った状態のまま。

そこで まず手始めに、「市販のトマトジュース」をフィルターで濾過すると、透明になるのかどうか?
上記の1つ目の方法と同じように、ペーパーフィルターに通してみた。
その結果は…。
ある程度の固形物を濾すことは出来ているが、滴下してくるのは「赤く濁ったまま」のジュース。
ということで失敗。

ただ単に、細かい「固形物」と、透明な「液体」とに「分離させたい」だけなのですが…。
よく調べてみると、市販されている普通のトマトジュース(濃縮還元)は、簡単に分離しないようになっているらしいのです。
もし、遠心分離機があれば簡単に出来るらしいのですが、一般的には無理。
なので、透明にするのを半分諦めていました。

しかし、ふと思いついたことを試してみたら、なんと大成功! それは、ある料理にヒントが。

ということで、その透明トマトジュースを作る方法を下記にて紹介します。


■「市販のトマトジュース」を、卵白(卵の白身)を使って透明にする方法。

用意する材料は、「市販のトマトジュース」と「卵」の2つだけ。
作業の途中では、こんなにトロトロなのに、本当に「固形物」と「透明な液体」とに分離するの?。という感じですが、ちゃんと分離します。

なお、最後には、「トマトペースト」という美味しい副産物も出来てきます。

ペットボトル入りの市販のトマトジュースと卵
■材料

【トマトジュース(無塩)】・・・ 600g
【卵】・・・ 1個(Sサイズ)

●【トマトジュース】は今回、普通に市販されている「トマト100%・濃縮還元・食塩無添加」のものを使いました。
なお、何にでもアレンジ出来るようにと食塩無添加を使用しましたが、塩入りでも出来るような気はします。ただ、やっていないので分りませんが…。
●【卵】は、「卵白(白身)」だけを使用します。
今回は、殻ごと計って、1個が大体50g(Sサイズ)程のものから卵白を分けて使用しました。
なお、この卵白の量で、どれだけの量のトマトジュースを「分離」させることが出来るのか、その限界はやってみていないので分りません。
まあ、多少の量が前後する程度であれば、おおよそ可能だとは思いますが…。
余った卵黄(黄身)は、何か他の料理に使います。例えば、卵かけご飯だったら簡単でいいですよ。

■作り方


鍋に卵白を入れるところ

.まず、「トマトジュース」と「卵白」を鍋の中に入れる。

この時点では、まだ火にはかけていません。
とにかく最初は、卵白(卵の白身)を「冷たいジュース」と合わせます。

材料をヘラで混ぜているところ

.次に、鍋を弱火にかけて、混ぜ始める。

材料を入れたら、鍋を火にかけます。
火力は、材料の量にもよりますが、
今回の量だと弱火。もっと多いと弱火~中火

そして、「トマトジュース」と「卵白」とが均一に混ざり合うようなイメージで混ぜ始めます。

とにかく、卵の白身が「大きい固まり」になってしまわないよう、そして、鍋の底にこびり付いてしまわないようにと、ヘラなどを使って混ぜ続けます。

なお、混ぜている間は急激に沸騰はさせないこと。

卵白が白く固まり始めてきた

.混ぜ続けているうちに「卵白」が所々で白く固まり始めてきます。

ひたすらかき混ぜ続けていると、そのうちに、卵白が凝固し始めて、所々に白くポツポツと「卵白の小さな固まり」が出来てきます。

※卵白は60℃程の温度から固まり始め、大体70℃程から白くなってきて、80℃程で完全に凝固します。参考まで。

なお、画像では温度計を使用していますが、確認のために使用しているだけです。
ですので、作業中は、特に温度計の必要はありません。「卵白の小さな固まり」か目安です。
卵白の小さな固まりがポツポツと出来た様子

.「卵白の小さな固まり」が出来たら混ぜるのを止め、ブクブクと泡が湧き上がってきたら火を止める。

「卵白の小さな固まり」が白くポツポツと出来たら、かき混ぜるのを止めます。
そして、弱火で加熱した状態のまましばらく様子を見て、小さい泡がプクプクと湧き上がってきたら火を止めます。
※卵白は、80℃程で完全に凝固するので、グラグラと沸騰させる程までの必要はありません。

ちなみにですが、卵白が固まる頃になると、トマトジュースはほんの少しだけ「微妙ー!」に白く濁っています。
徐々に変化しているし、ほんの少しだけなので、あまり気づかないとは思いますが…。
フィルターで濾すと、透明なトマトジュースが滴下

.フィルターなどで濾すと、透明なトマトジュースが滴下してきます。

ザルの内側に、キッチンペーパーや晒(さらし)などのフィルターとなるものを設置し、その下に容器を設置しただけの「簡易的な濾過装置」を作り、
そのフィルターとなる部分に、鍋の中の材料を全部入れると、下の容器の中に透明な汁が溜まります。

※少量の場合は、コーヒードリッパーとペーパーフィルターで。

なお、上記の[工程4]で、卵白を完全に凝固させないままで濾すと、その卵白の細かい白いカスが、濾過されずに多少混ざった状態で滴下することもあります。
フィルターの上部を折りたたむ
ペーパーの上部を折りたたむ。

なお、完全に汁を搾り切りたい場合は、フィルターの上部を折りたたんで、その上から重しをしておく。

材料をフィルターの中に入れたあと、そのまま放置しておいても濾過はされますが、
さらに、完全に搾り切りたい場合は…、
●ある程度濾過されて「フィルターの中身が少なく」なったら、●その中身を中央に寄せて、●フィルターの上部を折りたたみ、●その上から重しをしておく。
そうすると、より沢山搾れますし、また、搾る時間も早くなります。

ガラス瓶で重しをしている
重しは何でも良いので、キッチンにある適当な物をのせます。 ここでは、ガラスのキャニスターに水を入れて、それを重しにしました。

今回、最終的に、基のトマトジュース【600g】から、【約450g】の透明ジュースが出来ました。 つまり、基の量の【約75%】です。

この透明トマトジュースは、冷蔵庫で冷やしてそのまま飲んでも普通に美味しいですよ。
なお、透明になると同時にサラサラにもなるので、ドロッとした飲み物が嫌いな方は、多少飲みやすくなると思います。そして、多少フルーティーにもなったような…。
また、それをアレンジして、料理やスイーツなどに使うのも楽しいです。

以上、卵白を使用して市販のトマトジュースを透明にする方法でした。
作ったことのある方ならお気づきかもしれませんが、この方法は、コンソメスープを透明にする方法の応用です。 まさか使えるとは思いませんでした。

最初、買ってきたままのジュースを普通に濾過しても、あれほど濁っていたのに、この方法で分離をさせると、なんと!こんなにもクリアになるのです。

トマトペーストと、瓶入りのジュース

■副産物として、「トマトペースト」もついでに出来てきます。

フィルターの中に残ったものは「トマトペースト」ですので、全然おいしく食べれますよ。
料理上手な方だと、簡単に 何かとアレンジ出来るのではないでしょうか。
別のページでは、その活用方法も紹介します。

なお、ペーストには、少しだけ白い固まりがポツポツと混ざっていますが、卵の白身が固まったモノなので食べても平気です。

もし、その卵の白身の固まったモノが邪魔だという場合は、中から取り除いて、また何か別の料理に入れても良いかも…。 例えば、卵焼きの中に入れてしまうとか。

ちなみに ここでは、このペーストを「副産物」と表現しましたが、
それはあくまでも、このページのタイトルからの目線であって、その目的によっては、この「ペーストがメイン」で、「透明ジュースが副産物」になる場合もあるはずです…。


■次は、「生のトマト」から透明ジュースを作る方法です。

これはすごく単純な方法です。 ただ、濾過する時間が相当かかってしまいます。
なぜか、上記の場合よりも目詰まりしやすいようです。

■材料

【トマト】 お好みの量で。

●今回は、1個だけで作ってみました。

■作り方


ペーパーフィルターで濾過している

.トマトを、ミキサーで粉砕&攪拌をしてトロトロなジュースにし、それをフィルターなどで濾します。

今回は、量が少ないのでコーヒードリッパーのペーパーフィルターで濾過します。

量が多い時は、上記のような「簡易的な濾過装置」で濾してもOKです。

なお、全部が濾せるまでには何時間もかかるので、濾過中は、できれば冷蔵庫の中に入れておくと良いでしょう。

フィルターの中に残った固形部分と透明ジュース

.数時間で濾過されます。

今回は、169gのトマト1個を搾って、114gの透明ジュースが出来上がりました。

なお、メインは、透明ジュースだけではありません。
搾ったあとの、ペーパーフィルターの中に残った固形部分は、料理するとすごく美味しく頂けます。
その方法は、また別のページで。

上から重しをのせるところ

完全に搾り切るために、ペーパーフィルターを折りたたんで、重しをしました。

今回は、ペーパーフィルターの上部を折りたたんで、その上から、パイやタルトを焼く時に使うアルミの重しを容器の中に入れてのせておきました。

ペーパーフィルターを折りたたむ
上部を折りたたむ。

ジャム瓶での重し
ほかには、水を入れたジャム瓶などでも。


以上、「市販のトマトジュースを透明にする方法」と、「生のトマトから作る方法」の、2通りの方法で、透明なトマトジュースを作りました。
もちろん、この2通り方法にもメリット・デメリットはあります。

例えば、前者の場合、材料となる「トマトジュース」の価格は、「生のトマト」と比較しても一年中安定していますし、なによりも、両者で同じ量のジュースを作るとなると、一般的な販売価格で鑑みた場合、前者の方がかなり割安になるところはメリットですね。
但し、作るときに、卵白を入れて加熱するという手間はありますが…。

次に、後者の場合、前者のように、卵白を入れて加熱するという手間がいらない点は楽です。
しかし、ミキサーを準備するという手間はありますし、作業が終わったら、さらにそれを洗って片付けるという手間のあるところは面倒なので、その点はちょっとデメリット。
また、前者と比較すると、ものすごく濾過する時間がかかってしまう点は、結構ストレスです。

そして、其々の使い道に関しては、「スープ」「ジュース」「ジュレ」「ドレッシング」「ジャーベット」等々、他にも色々な料理やスイーツにアレンジ出来てとても楽しいですよ。

「生のトマト」を搾ったものは、そのフレッシュさを生かして「ジュース」で頂くと美味しいです。
但しその場合、個体によってはフレッシュすぎるがゆえの、多少の青っぽさが感じられる場合はあるかもしれません。これは好き嫌いが分かれるかも。
また、「市販のトマトジュース」を分離させたものは「スープ」にしても美味しいです。
もちろん、それぞれを逆にした頂き方でも全然いいとおもいます。 あくまでも、例えばこうしたら、という程度です。
なお、「スープ」にする場合は、ホットでも冷製でもどちらでも。

今回は、「透明トマトジュースを作る方法」の紹介だけでしたが、
その「ジュース」や、副産物である「トマトペースト」などの美味しく頂く方法は、別のページにてあらためて紹介します。


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