ここ数年、自宅のミニ菜園で育てている野菜の中に数種類のトマトがある。
食べる分だけ順に少しづつ実ってくれればいいのにと思いながらも、実るときには一度にまとまって出来てしまうことがあります。こればっかりはこちらの都合に合わせてはくれません…。
自宅のミニ菜園でのトマト

とにかく、土を耕し・肥料を施し・害虫と格闘しながらと 手間ひまかけて育てたトマトですから、一つでも無駄にするのはもったいないということで、取れ過ぎたものはそのまま生で食べる以外にもせっせと色々な加工をしています。

今回はそのうちの一つですが、フルーツトマトを“ドライトマト”に加工し、さらに“オイル漬け”にまでしておきます。


■まずは、天日干しでドライトマトに…。

今回のフルーツトマトは、ミニよりも大きく普通のものよりも小さい、直径5cm前後のミディサイズです。
枝につけたまま赤く完熟させているため、採れたてを生で頂くとみずみずしくて糖度もあってとても美味しいのですが、これがドライになるとはたしてどんな味になるのか…。

フレッシュな16個のフルーツトマト
■材料

【トマト】

●今回は、フルーツトマトを約560g使用。
(直径5cm前後のものを、大小合わせて16個)

■作り方


まな板の上にある6等分したトマト

.乾燥しやすいようにカットします。

今回は早く確実に乾燥させようということで、大きなものは「6等分」、小さなものは「4等分」の『くし形』にカットしました。
なお、ヘタ部分は硬いので取り除いておきました。

ちなみに、一般的に見受けられるような『ミニトマトを「2等分」にして天日干しにするという方法』と同じように、ミディサイズのものを「2等分」にして干すと、“かたまり”が大きすぎてカビるリスクが高くなります。
実は以前、ミディサイズのものを「2等分カット」で天日干しにしてカビさせたことがあります。

乾燥する前のザルに並べたトマト

.ザルに並べて天日で干します。

切り口の水分をキッチンペーパーなどで拭き取り、その切り口を上にしてザルの上で干します。

ザルは、直射日光の当たる風通しの良いところに置き、ザルの下には上げ底になるような何か(今回は空のジャム瓶3個)を置いて、下にも風が通るようにしておきました。

このように天日干しする時は、必ず週間天気予報を確認して、とにかく晴天が数日続く時を狙います。
そして、干し始めるのは絶対に午前中の早いうちからです!。とくに初日はなるべく長い時間直射日光に当てたいので…。

ちなみに、乾燥しやすくするために、トマトの切り口に「塩」を少々振りかけ、その塩の浸透圧で水分を出して拭き取るという方法もあります。
しかし、ドライフルーツの場合は塩をかけないで乾燥させますので、今回のドライトマトの場合も塩はかけませんでした。
あとあとを考えると、出来れば塩分は調理の際に自由に調整したいですし…。

なお、塩には殺菌効果もあるので、少しでも腐食し難くしたいという場合は、上記のように「塩」を振りかけたほうが良いのかもしれません。

セミドライになった様子

.今回はセミドライトマトで終了。

とにかく、夕方になって陽が沈んだあとは、高温多湿な環境には置かないようにします。

もし、カビるのが心配ならば、日光の当たらない時間帯だけプラスチック容器などに入れて冷蔵庫で保存しておくとよいかもしれません。

今回、夜の直射日光の当たらない時間帯には、せっせとサーキュレーターで風を送り続けました。

そして次の日になって、午前中の早い内から再び直射日光に当て始めます。

そうこうしてる内に、甘ーい匂いがしてきて、見た目もチリチリと小さく縮み、つまむと“グミ”のように“弾力のある感じ”になっていれば、セミドライトマトの完成です。

今回は2日半干してOKとしました。(画像のもの)
この乾燥時間は、天候やその場の状況、トマトのカットの仕方によっても違うとは思います。

■もし、途中で天候が悪くなったら…。

途中で天候が変わって乾燥しずらい状況になった時には、そのまま続行するのではなく、途中からでもオーブンを使って乾燥させてもよいと思います。
そこらへんは臨機応変に!

オーブンでの乾燥方法

●オーブントレイの上にオーブンペーパーを敷き、その上に切り口を上にして並べます。
●あとは、100度程の低温で加熱乾燥します。
ちなみに、オーブンを使用して“生のトマト”から始めた場合では、カットする大きさにもよりますが、この大きさならば2~3時間ほどでいい感じのセミドライになるはずです。
なので、途中からオーブンに変更した場合だと、とうぜんそれよりも短い時間で!ということになります。
●それまでの天日干しでの乾燥状況にもよりますので、とにかく様子をみながら乾燥させます。
なお、小さいものから順に乾燥してゆくので、時間差で取り出しでゆくことになると思います。


■そして、オイル漬けに…。

オイル漬けにする前の材料
■材料

【セミドライトマト】… 約57g
【オリーブオイル】… 約130g
【塩】… 2g
【ドライハーブ】… 今回はドライバジル

【セミドライトマト】上記のもの。天日で2日半干したら、生で560gが → 約57gになりました。
【オリーブオイル】出来たドライトマトが保存ビンの中で沈むくらいの量。今回は、エキストラヴァージンオリーブオイルを130g(143cc)使用。
【塩】お好みで。
【ドライハーブ】今回は、横で一緒にバジルも天日干ししておいたので、その自家製ドライバジルリーフを5枚使用。
バジル以外では、タイム・オレガノ・ローズマリーなど…お好みのものでOK!!
さらに、にんにくや黒胡椒などを入れても深みが出て良い。

■作り方


密閉容器に材料を入れた状態

.容器に、ドライトマト・ドライハーブ・塩を入れます。

熱湯もしくはアルコールで殺菌消毒した密閉可能な容器に、ドライトマトを入れ、さらにドライハーブと塩も入れます。

早めに使い切るならばフレッシュハーブを入れても全然OKですが、
以前、フレッシュハーブを入れた時、カビの生えるのが意外と早かったので、今回はドライハーブ(ドライバジル)で。

材料の入った容器にオリーブオイルを注ぐ様子

.オリーブオイルを入れます。

今回は、エキストラバージンオリーブオイルを入れました。
中の材料が沈むくらいの量を入れます。

作業が終了して蓋を閉めた密閉容器

.冷蔵庫で保存。

密閉容器の蓋を閉めて、冷蔵庫で保存します。
セミドライなので出来るだけ早く使い切ります。

例えば、スライスしたバゲットにこのオイルをかけて、その上にドライトマトをのせてブルスケッタにしたり。
また、このオイルを使用したオイル系のパスタを作り、そこにこのドライトマトを入れたり。
パンを作るときに練りこんだり。とアレンジ次第で色々と楽しめます。

もちろんそのまま食べても美味しいです。


■自家栽培ではないが、ローマという品種でも…。

加熱調理用のローマ種トマト

よく行く産直のお店で、スーパーではあまり見かけない細長い種類のトマトを発見。

袋に記載されている説明を読むと、生食用ではなく加熱調理専用の“ローマ”という品種らしい。これは形からして、ひょっとしたらイタリアから輸入されているドライトマトのやつではないのか…?。

ちょうど、ドライトマトを作っている途中だったので、気になって1袋だけ買ってしまった…。

ネットの上で天日干し中

今回は、縦半分(2等分)にカット。
ミディを縦に長くした感じのサイズなので、本当は上記の時のように「6等分」や「4等分」でカットした方が確実に乾燥するとは思うのですが、せっかくローマ種を使うので市販のドライトマトの様にしてみたかった…。
カビるリスクが高くはなるけど、今回は、ただ単に出来上がった時の雰囲気重視で…。

とにかく、週間天気予報で確認して晴天が続く日を狙う。もし、天候が悪ければ、オーブンでやるつもりでしたが今回は晴天続きだったのでラッキー。
そして、日中は風通しの良い2階の南窓の網戸際でカンカン照りの直射日光に当て、夜間はプラスチック容器に入れて冷蔵庫で保管。色々とカビが生えないように気を使いました。

本当は、切り口に塩をかけたほうが良かったのかもしれなかったのだが忘れていた。

外側に広げてから再度干している様子

縦半分の「2等分」にカットした場合、乾燥してくると、一つ上の画像のようにクルンと内側に丸まった状態になります。
なので2日目は、内側に丸まった状態を外側に広げて平たくしました。

このように広げたほうが乾燥しやすいですし、クルンと丸まった内側部分はカビる確率が高くなりますので、それを防ぐためでもあります。

ちなみにここでは、上記の時のように“上げ底にしたザル”ではなく、“上げ底にしたネット”の上に並べて乾燥。さらにその上げ底の下には“銀色の反射シート”を敷きました。
こうすると下からも日光が当たり乾燥が早く進む気がするので…。
なお使用している「ネット」は、画像のようにワイヤーの“メッシュパネル” を “張替用の網戸の網” で覆って、端をターンクリップで留めたものです。
そして、上げ底用の台として“空のジャム瓶”を数個使用しています。

完全に乾燥した状態のドライトマト

ともあれ、同じ頃に上記のセミドライトマトを作ったばかりだったので、この“ローマ”たちは最終的にカチカチのドライトマトにしておきました。

完成したものは、ほぼ水分もなくなって画像のようにペラッペラです。 これだと、比較的長く保存できそうです。

なお、このカチカチのペラッペラを使う時は、お湯で戻してから使います。


以上、自宅でも出来る“ドライトマト”とその“オイル漬け”などの作り方でした。
自家製の場合だと、塩分の調整や硬さの調整など自由に出来るのがいいですよね。

なお、天日干しのNGとしては、
日光の当たる時間が短い季節・長雨の時期・風通しが悪い場所・雨に濡れる場所・日光の当たらない場所や時間帯・ジメジメした場所などで干す。
また、かたまりが大きすぎ・直接素手で触り過ぎ。その他色々あるかと思いますが、とにかく乾燥し難い状況や不衛生な状況は避けたいです。

いずれにせよ、いくら完璧に干したつもりでも、カビが発生してしまった・色が変・異臭がする・虫や異物が付着している。また、実際に食べた時に違和感を感じる。などがあれば、もったいないですけど廃棄処分するしかありません。
とにかく絶対大事なのは衛生面です。

日本は湿度の高い国なので、もし天日干しが心配なのであれば、オーブンでドライにするのも一つの手です。


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