家庭菜園で育てているバジルが大きくなって葉が密集してくると、そのたびごとに、剪定も兼ねた収穫をすることになるのですが。
その使い道としては、摘み取って直ぐの「フレッシュ」なままで料理に使うこともあれば、保存用として「ドライバジル」にしておくことも。
さらには、常備調味料として「バジルペースト」を作っておくこともしばしば。
そして「バジルペースト」を作る場合、せっかくの自家製ということで、その時々によっては加える材料を変えたりすることもあります。
今回は、その「バジルペースト」を作るのですが、色々な料理にもアレンジしやすいようにと、あえて、チーズ・木の実・塩などは加えずに「フレッシュバジルの葉」「オイル」「ニンニク」だけの簡単でシンプルなものを作ることに。
なお、そのような最小限の材料でシンプルに作っておくと何かと役に立ちますよ。
例えば、●魚料理や鶏肉料理などのちょっとした風味づけなどにも使えますし、
●薄切りにしたトマトと薄切りにしたモッツァレラチーズを皿に並べ、その上からポタポタと垂らしてゆくと「カプレーゼ」に。
●また、マヨネーズと混ぜるだけで簡単に「バジルマヨソース」が完成。これは、フライやサラダ、茹で野菜などにかけても美味しいです。
●パスタを作った日などには、オイル系、トマトソース系、クリーム系にかかわらず、食事の際に食卓テーブルの上に置いておけば、各自が自由に好きなだけ上からかけて、自分好みに味変させて食べることが出来るので楽しいですよ。
●そして、オリーブオイルにお好みの量を加えるだけで、「自家製バジルオイル(香味油)」が完成。
●さらには、「すりおろすか、または細かく刻むかしたナッツ類(無糖ピーナツバターでもOK)」と「粉チーズ」、「塩コショウ」などを加えると、こっくりとして味わいのある「ジェノベーゼソース」にすることも可能です。
このように「シンプルに作ったバジルペースト」は、食材・調味料・料理などとアレンジさせやすいので、作り置きしておけば何かと便利ですし、料理のレパートリーも豊かになりますよ。
■用意する材料は3つだけ。
シンプルで簡単な「バジルペースト」を作るために用意する材料は、「バジル」「オリーブ油」「ニンニク」の3つだけです。
◇
【バジルの葉】・・・ 100g
【オリーブ油】・・・ 100g
【ニンニク】・・・ 1片~2片
●【バジルの葉】は、若い葉を使用します。 育ち過ぎた葉や、株に花が咲いてしまった状態での葉では、青臭かったり苦かったりする場合もあります。
●【オリーブ油】は、エクストラバージンオリーブオイルを使用します。 まあ、それが切れてるときは、ピュアオリーブオイルでも作りますが。
●【ニンニク】の量はお好みです。
■作り方
1.葉をキレイに洗い、そのあと、表面の水分を完全に取り除いておきます。
まず、葉の表面のよごれをキレイに洗い落とします。
そして洗ったあとは、少し手間ですが、キッチンペーパーや布巾などで葉の表面の水分を丁寧に拭き取ります。
このあと、水分が残っているまま調理すると、完成したペーストの劣化が早くなります。
2.「バジルの葉」「オリーブ油」「ニンニク」をミキサーに入れます。
今回は、ジュース用ミキサーを使用しますが、ハンドブレンダーでも大丈夫ですし、もちろんフードプロセッサーでもOKです。
さらには、少量の場合、すり鉢とすりこぎ棒ですり潰してもOK.
なお、ニンニクのかたまりが細かくなり難い場合は、あらかじめ、おろし器ですりおろしておくのも良いです。
3.材料を、粉砕&攪拌し、ペースト状になったら完成です。
材料が細かくなるまで粉砕&攪拌をして、全体的にペースト状になってきたら完成です。
なお、途中で、ミキサーの容器内に飛び散った材料は、ゴムべらなどで下に押し込みます。もちろん回転が止まっている状態で!
保存する場合は密閉容器に移し、上部をオイルで覆っておくと、多少の劣化防止になります。
ペーストが完成したら、殺菌(熱湯消毒かアルコール消毒)した清潔な保存容器に移しておきます。
その際には、ペーストの上部を覆って膜を張るような感じで、オリーブ油(上記の分量外)を少し流し入れておくのも良いですよ。
入れる量は、「薄ーく」で結構です。
こうしておくと、空気と接触しにくくなるので、酸化して劣化するのを多少なりとも防いでくれます。
流し入れた上澄み(オリーブ油)は、使うごとに減ってゆきます。多少なりとも劣化防止をしたい場合は、ペースト表面が出てしまう前にオリーブ油を追加してやると良いでしょう。
但し、何度も追加してゆくと、だんだんと「バジルペースト」感が無くなってきて、そのうちに「バジルオイル」っぽくなってはきます。
しかし、それはそれで使い道はありますよ。
なお、ペースト感の無くなってゆくのが嫌な場合は、追加しなくても全然OKですが…。
4.冷蔵庫で保存。
密閉容器の蓋をしっかりと閉めて、冷蔵庫で保存します。
但し、この自家製バジルペーストは、加熱処理がされていない食品ですので、なるべく早く使い切りましょう。
なお、冷蔵保存すると、オリーブ油は白く固まる場合もありますが、みなさんもご存知の通り、常温におくと元にもどります。
そして、ちょっと作り過ぎたかなという場合は、[工程3]のペースト状となった時点で直ぐに、チャック(ジッパー)付きのポリ袋などに入れて冷凍保存をしておくと良いかと思います。
■上記ではシンプルな「バジルペースト」を作りましたが…。
上記の3つの材料【バジルの葉】【オリーブ油】【ニンニク】に、
さらに【松の実】【パルミジャーノレッジャーノ】【塩】を追加すると、
「香ばしさ」や「コク」「うま味」がプラスされ、
こっくりと味わいのあるジェノヴァ風ペースト、いわゆる「ペスト・ジェノベーゼ」となります。
そしてその「ペスト・ジェノヴェーゼ」を、茹でたパスタに和えるだけで、
とても美味しい「ジェノベーゼのパスタ」が簡単に作れます。
■ペスト・ジェノベーゼ(ジェノヴァ風ペースト)
※作り方は、
上記の「バジルペースト」と大体同じ。
◇
【バジルの葉】・・・ 10g
【オリーブ油】・・・ 50g
【にんにく】・・・ 1/4片
【松の実】・・・ 20g
【粉チーズ】・・・ 10g
【塩】・・・ 少々
●【松の実】がない場合は、代わりに【クルミ】【アーモンド】【カシューナッツ】【ピーナッツ】などのナッツ類でもOK。
●【粉チーズ】は、すりおろした【パルミジャーノレッジャーノ】、もしくは【パルメザンチーズ】
■ジェノベーゼのパスタ
【パスタ】・・・ 160g
【ペスト・ジェノベーゼ】・・・ 上記のもの
◇
以下は、お好みで。
【松の実(ナッツ類)】・・・ (仕上げ用)
【粉チーズ】・・・ (仕上げ用)
【コショウ】・・・ (仕上げ用)
●【パスタ】は、スパゲッティなどのロングパスタでも、また、ペンネなどのショートパスタでも、どちらでも美味しく頂けます。
●【コショウ】は、食べる直前に、ガリガリとミルで挽いたものを上から振りかけると、スパイシーで美味しいです。
■作り方
1.「茹でたパスタ」に、「ペスト・ジェノヴェーゼ」「パスタの茹で汁」を和えるだけ。
ボウルの中に、上記の、「茹でたパスタ」と、「ペスト・ジェノヴェーゼ」、「パスタの茹で汁(少し)」を入れて、それらを手早く混ぜ合わせます。
なお、ペーストとパスタが絡みにくい場合は、茹で汁をさらに少しずつ加えて調節してゆきます。
和えるだけの簡単料理です。
◇
さらに仕上げとして…
皿に盛り付けたあとは、●その上からローストした「ナッツ類」をのせ、
●ガリガリとミルで挽いた「コショウ」と、お好みの量の「粉チーズ」をパラパラと振りかけて、
●最後に、フレッシュバジルの葉を飾りつけるだけで、味でも見た目でも楽しめる一皿となります。
なお、「ナッツ類」は、フライパンやトースター(オーブン)などでローストすると香ばしさがアップして味わい深くなり、カリカリとした食感も楽しめます。
以上、フレッシュなバジルの葉を使って、ちょっとだけ「バジルオイル」に近いような「シンプルなバジルペースト」と、こっくりとした味わいのある「ジェノヴァ風ペースト」を作りました。
それらは、パスタと和えたり、トーストにのせたり、サラダにかけたり、魚料理や鶏肉料理にのせたり、また、カプレーゼを作ったりと、見た目的にも味的にも料理のアクセントとなりますし、アレンジ次第ではさらに色々と楽しめます。
なお、バジルが無い場合は大葉(青紫蘇の葉)でも代用できますよ。同じ味ではないですが 多少似ていますし、それはそれで美味しいです。
うちの家庭菜園では大葉も採れるので、気が向いたらたまに作ることも。
あと、スーパーなどでは大葉のほうが比較的お安めですし。
ちなみに、食料品店などでは、瓶詰めにされた市販のバジルペーストなどが売られてはいますが、
その市販のモノと、フレッシュなバジルの葉で作った「自家製」のモノとでは、風味や香り、清涼感などはまったく違います。
そして、その「自家製」のモノを使って料理を作ると、レストランで頂くような美味しい1品が出来ること間違いなしでしょう。
まあ、たとえレストランでも、エッ!これはひょっとしたら業務用の袋詰めか瓶詰めのやつでは?と思うことも、たまにはありますが…。