家の近くに、50年近くも前からやっている凄く美味しいアイスクリームのお店があります。
メニューは、昔ながらのアイス最中とソフトクリームの2つだけ。
特にそこのソフトクリームは絶品です。
色は普通に白いやつですがバニラソフトではありません。とにかくレトロな昔懐かしい味です。

なめらかなソフトではなく、ほんの少しだけ細かい氷の食感が残るジェラートのような舌触りで、牛乳の味が濃く、あっさりとした甘さでとても美味しいのです。

ところが、一年のうちで夏の前後の5ヶ月間ほどしか営業されなくて、その期間以外は食べれません。

数年前、営業期間外にどうしても食べたくなって、その味を再現してみることがマイブームとなった時期がありました。
材料に練乳を使っていると昔聞いたことがあったのと、子供の頃からずっと通って覚えた味の記憶とを基に色々と試してみました。
そして、これはなかなか近いぞ!というものが出来るほどまでにはなりました。
おそらく作り方は全然違うと思いますが…。

マイブームが去ってしばらく作らなくなりましたが、レシピ帳にしっかりと残しておいたので、久しぶりに作ってみることにしました。

この作り方だと、ソフトクリームマシーンがなくても作れます。


■材料は、牛乳・砂糖・ゼラチン の3つだけです。

並べられた材料たち
■材料(2人分)
*完成すると約300gのソフトクリームに。
【牛乳(A)】 120cc(砂糖と煮詰める分)
【牛乳(B)】 170cc
【牛乳(C)】 15cc(ゼラチンふやかし用)
【砂糖】 30g
【粉ゼラチン】 2.5g(約小さじ1)

牛乳を細かく分けましたが、12017015ccで、ようするに牛乳305ccです。
牛乳は、生乳100%の普通の牛乳でOKですが、出来れば低温殺菌牛乳のほうが美味しいです。

なお、牛乳を g(グラム)で換算すると
120cc ⇒ 約124g
170cc ⇒ 約175g
15cc ⇒ 約15.5g です。
※牛乳の種類によって、多少異なります。

主に使う器具や道具
【ミキサー(ブレンダー)】
【電子レンジ】 他にはガスコンロでもOKです。でもやはり、電子レンジのほうが簡単です。
【ボウル】 耐熱ガラス製か、耐熱プラスチック製のものを使用。金属製はダメです。
なお、ガスコンロを使用する場合は金属製の鍋で。
【面積の広い密閉容器】 製氷皿の代わりです。
「キューブ氷が作れる普通の製氷皿」で凍らせると、凍ったものが砂糖の粘度でネットリとこびり付いて、水で作った普通のキューブ氷のようにポロポロと簡単に取れないので不便です。
もたもたとしている間に溶けだします。

■作り方


牛乳に粉ゼラチンを加える

.まず、牛乳(C)に、粉ゼラチンを混ぜて、あらかじめふやかしておきます。

牛乳(C)15cc(約大さじ1)に、
粉ゼラチン2.5gほど(約小さじ1)を混ぜて、前もってふやかしておきます。

このゼラチンを入れる理由は、ソフトクリームが完成した時に、溶けて直ぐサラサラの牛乳に戻ってしまわないようにするためです。
それが口の中に入れた時のトロリ感になります。
また、ソフトクリームの形になり易く、ネジネジの先っちょがピン!と立ちます。

ただし、溶けない訳ではありません。普通に溶けます。
砂糖を加えてレンジでチン

.牛乳(A)に砂糖を加え、少し煮詰めて濃縮します。

牛乳(A)120ccと、砂糖30ccをボウルに入れ、電子レンジで煮詰めます。

●まず、500w1分チンしたら、一旦ボウルを取り出し、砂糖をヘラなどで混ぜて溶かします。
●次に、500w6分チンしたら濃縮完了です。

このソフトクリームのレシピでは、ミルク感を少し濃くするため、このように牛乳を濃縮します。
なお、砂糖と一緒に煮詰めることで、牛乳の表面に膜が張らなくなる効果があります。

※この時、あまり煮詰め過ぎてしまうと練乳になってしまいますので、ほんの少し煮詰めるだけでOKです。
重量で換算すると『砂糖と牛乳を混ぜた状態』で100%の重さだとしたら、「70%位」の重さにまで減らす感じです。
「上記の分量」で「上記の時間」だと、我が家のレンジの場合、丁度70%位の重さになります。
ちなみにですが、45%位の重さにまで軽くしたら練乳になります。

なお、材料を鍋に入れて、コンロの火で煮詰める作り方でもよいのですが、レンジのほうが簡単なので、今回はボウルに入れてレンジで煮詰める作り方にしました。

ゼラチンを加えて溶かす

.煮詰めた(工程2)の牛乳を少しだけ冷ましたら、(工程1)のゼラチンを入れて溶かします。

煮詰めた(工程2)の熱々な牛乳を、そのまま常温で4分ほど放置して少し冷まします。すると大体50~60℃ほどになるとおもいます。

そこに、牛乳でふやかした(工程1)のゼラチンを全部入れて、よく混ぜながらそのゼラチンを溶かします。

残りの牛乳を入れて混ぜる

.残りの牛乳(B)を加えたら、ソフトクリームの原液が完成です。

(工程3)のボウルに、残りの冷たい牛乳(B)170ccを全部入れてよく混ぜ合わせます。

これで、ソフトクリームの原液が完成です。

容器に原液を薄く入れる

.ソフトクリームの原液(混ぜ合わせた材料)を、容器に入れて凍らせます。

(工程4)で混ぜ合わせたソフトクリームの原液を、面積の広い容器に浅め(1~1.5㎝)に入れ、冷凍庫で凍らせて薄い原液氷(牛乳氷)を作ります。

なお今回は、凍った原液氷を容器から取り出しやすくするために、容器の内側にはラップを敷いてから原液を流し入れました。

原液を浅め(1~1.5㎝)に入れる理由は、
原液を浅く入れることによって薄い原液氷を作り、手でも簡単に割れるようするためと、
次の(工程6)の時に、ミキサー(ブレンダー)で粉砕し易くするためです。

この様に、薄く凍らせます。
薄い牛乳の氷
さらに、次の(工程6)では、
この様な、小さな「かけら」にします。
牛乳の氷を細かく割った様子
原液氷はカッチカチにはならないので、手で簡単に割れ(ちぎれ)ますし、包丁でも簡単に切れますので、いずれかのやり易い方法で小さくします。

■次の工程の前に

なお、原液が凍ったら、このあと(工程6)のミキサーにかける作業に進みますが、
その(工程6)の作業をおこなう30分ほど前から、ミキサーの容器部分を、前もって冷蔵庫の中で冷やしておきました。

ミキサーにかける様子

.原液が凍ったら、ミキサー(ブレンダー)にかけます。

冷やしておいたミキサー(ブレンダー)の容器部分を冷蔵庫から取り出し、その容器部分が室温に戻ってしまう前にすばやくミキサーにかけます。

そのミキサーをかける方法としては、
先にも記しましたが、まずミキサーにかける前に、材料である原液氷(牛乳氷)を複数に割って、小さな「かけら」にしておきます。

そして、ミキサーの容器に投入する際は、ミキサーを回しながら、その小さくした「かけら」を1個ずつ投入してゆきます。
ミキサーを回す時は、押している間だけ刃が回転する「フラッシュボタン」を使うと便利です。

●原液氷(牛乳氷)を一度に全部入れてしまうと、ミキサーのモーターに負担がかかります。
なので、小さくした「かけら」を必ず1個ずつで!

ミキサーで、材料(原液氷)がうまく回らない場合や、刃が空回りする場合は、
ミキサーを一旦止めて、木のヘラや菜箸などで材料をツンツンと押し込むとスムーズに回るようになります。

※材料(原液氷)をツンツンと押す際は
材料をツンツンと押し込むのは、必ずミキサーの回転が止まっている時に行います。
なお使用するヘラや菜箸などは、絶対に木のものにします。
金属やその他の何か硬いものを使用すると、ふとした拍子に、それらがミキサーの刃に当たった場合危ないです。
さらには、危険ですので 間違っても手では絶対にツンツンしないこと!です。

▲注意!
パワーの弱いミキサーの場合、氷を砕く力が無くてモーターが止まってしまい、ウーン!と唸りだす場合があります。
あまり無理をさせると、モーターに負担がかかってしまいミキサーが壊れてしまいますので。
その場合は、無理をさせずに直ぐに止めて下さい。

ちなみに、原液氷(牛乳氷)を別の容器に移して、木のヘラ(スパチュラ)などで上から垂直に『切るような・潰すような』感じでトントンと叩いていくと、ジェラートのようにはなります。

密閉容器に移している様子
密閉容器に移す様子
絞り袋に移している様子
絞り袋に移す様子

.クリーム状になったらミキサーを止め、「密閉容器」か「絞り袋」に移し、少しだけ冷凍庫で冷やします。

原液氷(牛乳氷)が完全にクリーム状になってスムーズに回り始めたら、すぐにミキサーを止めます。
メチャメチャ回さなくても大丈夫です。

そして、そのクリームを「密閉容器」か「絞り袋」に移し、そのまま15分間ほど冷凍庫に入れて、少しだけ硬くなるように冷やします。

「密閉容器」か「絞り袋」に移して冷凍庫に入れるまでの作業は『素早く』が基本ですが、
移すときにもし手間取ってしまい、チョット溶けてしまったという場合は、冷凍庫に入れておく時間を少し長めの30分間ほどにします。
入れておく時間が長いとカチカチになるかと思いきや、30分間程度だとソフトのままです。

ただし「絞り袋」に入れて30分間だと、「先の細い部分」は凍るのが早いので、その部分だけが硬くなってしまうことがあります。そういう場合は、絞る時にその部分だけ少し揉みほぐします。

なお、絞り袋に移す時は、画像の様に袋の先を折り曲げた状態でカップなどに差し込んで、袋の入り口を上に広げた状態にすると入れやすいです。

皿やカップに盛り付けているところ

.カップやお皿、またはコーンカップに盛り付けて完成です。

15分ほど経ったら冷凍庫から取り出し、冷やしたお皿やカップなどに盛り付けたら自家製手作りソフトクリームの完成です。

なお、絞り袋でニョロー!と押し出して、市販のコーンカップにネジネジして盛り付けると、よりソフトクリームらしくはなりますね。

アレンジしても楽しい!

なお、このソフトクリームの作り方をアレンジして、色々なアイスを作るのも楽しいですよ。

例えば、ミキサーにかけて密閉容器に移したら、少し硬めになるように2時間ほど凍らせ、それをスプーンでかき混ぜて空気をふくませてやるとミルクジェラートになりますし。
また逆に、ミキサーをかける時、ほんの少し牛乳を加えて柔らかくするとミルクフラッペになります。

また味については、バニラビーンズやバニラエッセンスを加えると、バニラ味のソフトクリームになりますし、
ほかには、フルーツソースやチョコクリーム、コーヒーや抹茶、その他色々なフレーバーを練り混ぜてアレンジすると、色々な味のソフトクリームが作れます。


その他の作り方としては

今回のレシピでは、凍らせた材料をミキサーで砕いてソフトクリームを手作りする方法でしたが、
塩を加えた氷の上に金属ボウルをのせ、そのボウルの中にソフトクリームの原液を入れて、シリコンのヘラでまわし続けるという手作り方法もやってみました。
その方法でもキレイには出来ますが、塩をけっこう使用するのでもったいないですし、ヘラでまわし続けるのがちょっと面倒です。

また、ハンドミキサー(ハンドブレンダー)でも手作りすることは出来ました。
しかし、我が家のハンドミキサーの場合、パワー不足のせいなのか、刃の周辺の構造(形状)のせいなのかは判りませんが、使用中に何度か材料に負けて、ウーン!と唸って刃の回転が止まりそうになりました。 心配なので今持っている機種はもう使わないと思います。
だけど、刃の周辺の構造(形状)が違う、他のメーカーのハンドミキサー(ハンドブレンダー)を購入した場合はチャレンジしてみるかも…。

それはそうと、今回のソフトクリームを手作りするにあたって使用した材料と道具や器具とで、練乳も手作りすることが出来ます。
練乳は酸味のある果物にかけるとおいしいですよね。
下記のページでは、練乳のレシピを紹介していますので興味のあるかたはどうぞ。
↓ 練乳の作り方はこちら
練乳の手作りレシピが驚くほど簡単なこと

また、このソフトクリームを使って、チェリーアイスを作ってみましたので、こちらも興味のあるかたはどうぞ。
↓ チェリーアイスの作り方はこちら
アメリカンチェリーで作る「コンポート&アイス」のレシピ


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