輸入食材を扱うお店や、スイーツショップなどで見かけることが多いレモンカード。
買うとなると、中にはちょっとお高めな物も…。

だけど手作りすれば、4つの材料だけで意外と簡単に出来るんです。

「レモンカード」は、レモンを使ったイギリス発祥の塗り物(スプレッド)のことで、数あるフルーツカード(Fruit curd)の中のひとつです。
主にフルーツカードは、柑橘系のレモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツなどで作られるものが多いのですが、その他のフルーツで作られるものもあります。


■用意する材料は4つだけ。

レモンカードを作るために用意する材料は、「レモン」「バター」「砂糖」「卵」の4つだけです。

用意した材料
■材料 (完成時の量、約155g)

【レモン】・・・ 約1個半
・レモン果汁 50cc
・レモンの皮 1個分すりおろす(お好みで)

【無塩バター】・・・ 50g
【砂糖(グラニュー糖)】・・・ 50g
【卵】・・・ Mサイズ1個

さらに詳しくは…、
レモンのサイズにもよりますが、今回、果汁50ccを用意するために、約1個半搾りました。
なお、すりおろしたレモンの皮を加えるか加えないかはお好みですが、もし加える場合は、防腐剤や防カビ剤などの添加物不使用のものを使用します。
バターは、無塩バターを使用し、1cm角ほどの角切りにしておきます。
砂糖でも良いのですが、今回はグラニュー糖を使用します。
は、Mサイズほどのものでしょうか、殻付きのままで量ったら1個63gありました。

■作り方


レモンの皮を、すりおろす様子

【下準備】.まず、レモン1個分の皮をすりおろしておきます。

皮の白い部分は苦味があるので、風味の良い”黄色い部分だけ”をすりおろします。

なお、皮を食べることになりますので、すりおろす前には、たわしなどを使って表面を良く洗っておきます。

防腐剤や防カビ剤などの添加物不使用のレモンが手に入らなくて、添加物が気になる場合は、
この工程(皮をすりおろす)と、それに伴う下記の[工程8]は、とくに無くても大丈夫です。
ただし、レモンの風味が少しだけ弱くなります。

レモン果汁を絞ったあと

【下準備】.レモン果汁を搾っておきます。

レモン果汁を50cc搾ります。
絞ったあと、茶漉しなどで濾して種を取り除きます。

卵をザルで濾している

【下準備】.卵を溶いて、ザルで濾しておきます。

室温に戻しておいた卵を「溶き卵」にして、それをザル・茶漉し・裏ごし器などで濾し、そのまま耐熱ボウルに入れておきます。

少し面倒な作業ですが、卵を濾すと卵黄を留めているカラザなどを取り除くことができますし、白身のかたまりが出来難くなって仕上がりが滑らかになります。

材料をボウルに入れる

.そして、「バター」「グラニュー糖」「レモン果汁」を耐熱ボウルに入れます。

「バター」「グラニュー糖」と、[工程2]で搾っておいた「レモン果汁」とを耐熱ボウルに入れます。

バターは、次の工程で溶けやすくするために、約1cm角のサイコロ状にカットしておきました。

バターを湯煎で溶かす

.「バター」と「グラニュー糖」を湯煎で溶かして、「レモン果汁」と混ぜ合わせます。

この時の湯煎の温度は特にこだわりません。
とにかく、バターが完全溶けた状態になる温度で。

すべての材料を混ぜる

.「バター」と「グラニュー糖」が溶けたら、[工程3]で準備しておいた「溶き卵」に加えて混ぜ合わせます。

湯せんした[工程5]の材料を、[工程3]で準備しておいた「溶き卵の入った耐熱ボウル」の中に加えてよく混ぜます。

レモンカードをなめらかに仕上げる際には、ここでよく混ぜ合わせておくことも大事です。

材料を湯煎にかける

.材料の入ったボウルを「湯煎」にかけながら、材料に”とろみ”がつくまで混ぜ続けます。

レモンカードを作るための「湯煎」の方法は、
●まず、温度計で測りながら、鍋に80℃程のお湯を沸かします。
●そのお湯に、材料の入った耐熱ボウルの底部分を浸け、火力を弱火にして湯煎をスタートします。
●そして、お湯の温度を80℃位に保つように温度計で確認しながら湯煎を続けます。
なお、湯煎のスタートから終了までの間は、ボソボソとした卵の固まりが出来ないように、スパチュラなどで「かき混ぜ続ける」ことが大事です。
●湯煎を開始してから25分ほどで”トロリ”となってきたらそろそろ終了です。(なお、作る量や材料の割合によって時間は変わります。)
固さはお好みですが、冷めると少し固くなることを考慮して湯煎からはずしてください。

※なお、温度計が無くても湯煎は出来ます。
「温度計が無い場合」での湯煎の仕方や、その際の湯温調節の方法は、(下記↓)の項にて説明。

すりおろしたレモンの皮を加える

.香りを強くするために、すりおろしておいた「レモンの皮」を加えて混ぜます。

レモンの香りや風味を強く残したいので、
[工程1]ですりおろしておいた「レモンの皮」を加えて混ぜ合わせます。

保存容器に入れる

.密閉可能な保存容器に移し、粗熱がとれたら冷蔵保存します。

レモンの皮を混ぜ終えたら、密閉可能な保存容器に移し、さらに、粗熱がとれたら冷蔵庫で保存します。

そして、容器に移して冷ましてゆくとバターと糖分が固まってゆき、ペースト状のカードとなります。

なお、多少でも日持ちをさせたいときには、前もって保存容器を煮沸消毒かアルコール消毒しておくとよいでしょう。

パンに塗った様子

ちなみにですが、出来立てのレモンカードを冷蔵庫で冷やしておくと、冷やす前よりも色は多少薄くなります。

そして、食べ方としては、ジャムなどのようにパンなどに塗って食べます。

そのほかには、パンケーキやクラッカーやクッキーなどにのせてもいいですし、チョコレートやチーズとも合いますよ。
アレンジ次第では何か楽しいスイーツにもなりそうなので、いろいろと試してみるのもいいですね。


■「温度計が無い場合」での湯煎の仕方や、その際の湯温調節の方法

■温度計を使わない場合での、湯煎の方法は…

上記では、温度計を見ながら湯温を80℃ほどにキープしておこなう湯煎の方法でしたが。
これより下では、温度計を使わない場合での湯煎方法を説明します。

温度計を使わない湯煎方法
まず、温度計を使わない場合、温度が徐々に高くなっても気づかないので、お湯を最初から80℃程までには上げません。
●まず最初のお湯の温度は、溶き卵が固まり始める温度よりも低い「60℃位」にします。
なお、温度計を使わないで「60℃のお湯」を作る方法は、(下記↓)にて説明。
●そして、「火力を弱火」にし、材料の入ったボウルをそのお湯に浸けて、湯煎をスタートします。
●そこから、お湯の温度が徐々に高くなってゆくと同時に、卵そしてレモンに含まれるペクチンなども固まってゆきます。
●完成までの時間は、その条件によっても多少変わりますので、あまり気にせずに、最後、トロリとなったら完成とします。
●なお、最初から最後まで「材料をよくかき混ぜながら湯煎をする」というのは絶対です。

さらに詳しくは…
卵が固まり始めるのは、卵白が約60℃、卵黄は約70℃、溶き卵の場合は60℃台後半ぐらいからですので、60℃という低めの温度からスタートして、よくかき混ぜながら湯煎をしていくと、
60℃から80℃前後にまで「徐々」に温度が上がってゆく過程で、溶き卵は、ほかの材料と「徐々」に混ざりながら固まっていってくれます。
そうすればあとは、仮に、後半の方で90℃を超えていたとしても、もうすでにすべての材料同士が均一に混ざり合ってくれているので、卵だけが単体でボソボソと固まってしまうという可能性が少なくなるのです。
そして、かき混ぜてゆくうちに、レモンの中に含まれているペクチンなどもゲル化して(固まって)きて、とにかく「トロリとなったらそれ以上続けずに終了」すればよいだけなのです。

以上のように、湯煎の途中ではとくに温度計を見る必要性がないので、結果的に「温度計を使わない場合でもレモンカードが作れる」ということになるのです。

■温度計を使わないで「60℃のお湯」を作る方法は…

●まず、「1000g」+「20g~40g程」の水を鍋に入れて、強火にかけて沸騰させます。
●そうすると「1000g」前後の沸騰水が出来上がります。
●そして、沸騰を確認してから間を置かず、直ぐにその沸騰水の中へ「900g」の水道水(16℃の場合)を加えると、「60℃前後」のお湯が出来上がります。

なお、下記のページでは、お湯の温度調節の方法をさらに詳しく説明しております。
↓ ご興味のある方はどうぞ
温度計を使用しないで、お湯を「希望の温度」に調節する方法

その他、「湯煎」での便利なアイテム。

通常、湯煎に必要な道具は、
お湯を入れるための【外側の鍋】と、その外側の鍋よりも「ひとまわり小さい」、材料を入れるための【耐熱ボウル、もしくは鍋】ですが、
耐熱ボウルを使う場合、そこにもう1つ【ステンレス製ミニザル】を加えると便利です。

ボウルの高さ調整方法
左の画像がボウルをザルに置いた感じで、右が鍋に入れた様子。

その理由は、
湯煎をする時、外側の鍋の「底」にそのミニザルを設置し、その上にボウルを載せておくと、そのボウルが「上げ底」状態となるので、鍋の底に耐熱ボウルの底が直接着かなくなります。
すると、火の温度が直接ボウルの底に伝わることがなく、お湯と同じ温度でボウルを温める(湯煎する)ことができます。

また、ミニザルの上に耐熱ボウルを載せておくと、ボウルが安定するので、作業がしやすくなります。

なお、鍋の中のお湯の深さによっては、ボウルが浮いてしまう場合があります。
その際は、ボウルのサイズ・ミニザルのサイズ・外側の鍋のサイズ・お湯の深さなどを考慮して、ミニザルを上向きにするか下向き(逆さま)にするかして高さを調整し、ボウルのお湯への浸かり具合を調整します。

まあ、取っ手付きのボウルがあれば、外側の鍋の縁にその取っ手を引っ掛けて底部分を浮かせることが出来るので、もし取っ手付きのボウルを使うのであればミニザルは要りません。
もちろん、ミルクパンのような小さい片手鍋でも同様です。


なお、今回はフルーツカードの中でも代表的なレモンカードのレシピでしたが、
いろんなフルーツで作ってみるのも楽しいかと思います。
恐らくですが、ある程度果汁の量が確保出来るフルーツであれば作れるかもしれません。

また、市販のフルーツ果汁100%のジュースでも、加える砂糖(甘さ)を調整すれば、美味しいフルーツカードが作れるかもしれませんね。

フルーツの種類によって様々な色に仕上がる様は、とてもキレイなはずです。
機会があれば、ぜひ挑戦してみたいです。


―追記―
ということで、後日、いくつかのジュースや果物、また、その他の飲み物などで試してみました。
予想通りに出来たものもあれば、予想通りにいかないものもあるなどと、色々な結果に!

▼下記のページにて、その結果を記載しておりますので興味のある方はどうぞ。
果汁100%のジュースで「フルーツカード」を作ってみた


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