最近のトマトは品種改良も進んでおり、中には糖度が高くてフルーツトマトと呼ばれるくらいのものもあって、そういうものは生でそのまま頂いても全然甘いのでしょうけど、時々、そのまま生で食べるには“いまひとつ”な、皮や実が硬かったり味が薄かったりするトマトに出くわすことも…。
ちなみに、ここ数年、我が家では春になると必ずミニトマトの苗を庭の菜園に植えることにしていて、実が成って色付いてくると毎年ワクワクしながら収穫しているのですが、買ってくる苗のせいなのか、育て方のせいなのかわかりませんが、残念ながら生で頂くには“いまひとつ”な場合もあります。
そんなときは加工するしかない!とパスタソースにしたり、コンポートにしたり…。
で、今回は、お店で買ってきたミニトマトなのにもかかわらず、う~ん!という感じ。
見た目は美味しそうだったのに、どちらかといえばちょっと残念かな…というものでした。
いくつかはそのまま頂きましたが、残りはコンポートにしてしまおうかと…。
■ミニトマトの「コンポート」を作る。
材料さえ揃えば、けっこう簡単に作れます。
「コンポート」にすると、強制的に甘味や酸味などを染み込ませてやることになるし、加熱することによって柔らかくもなるので、生で頂くには味が薄かったり硬めだったりするような“いまひとつ美味しくない”はずれのミニトマトにはちょうどいいかもしれません。
もちろん、“あたり”のトマトの場合だったらもっと美味しくなるはずです。

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【ミニトマト】… 10個
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〔材料A〕
【グラニュー糖】… 50g
【レモン果汁】… 大さじ2(30㏄)
【白ワイン】… 大さじ1(15㏄)
【水】… 150cc
■作り方

1.皮を湯剥きします。
先に、ヘタを取って洗っておきます。
●まず、ヘタ近くに楊枝を刺して、皮に1~2箇所穴を開けておく。
●次に、鍋に水を入れて火にかけ、沸騰してきたら火を止めてトマトの実を入れる。
●そして、20~30秒ほど経ったら鍋の湯を捨て、流水で実を冷やす。
●すると、楊枝で刺した穴から”つるん”と皮を剥くことが出来るようになります。
※いまいち剥きにくい場合は、穴に楊枝の先を突っ込んで皮を持ち上げるようにして皮を破ると、そこから簡単に剥くことが出来ます。
最後に、ヘタの芯の部分(黒いところ)が気になるようだったらそこも取り除いておく。

2.コンポート液を作ります。
小さめの鍋に〔材料A〕(グラニュー糖・レモン果汁・白ワイン・水)を全部入れて火にかけ、よく混ぜながら砂糖を溶かしてコンポート液を作ります。

3.弱火にして5分ほど煮ます。
コンポート液が沸騰してきたら、そこに湯剥きしたトマトの実を入れます。
鍋に実を全部入れると沸騰は一旦おさまりますが、しばらくして再沸騰してきたら火力を弱火に落として、5分ほど煮たら調理終了です。

4.密閉容器に入れて、冷蔵庫で保存します。
殺菌してある清潔な密閉容器に、実とコンポート液(煮汁)を全部入れます。
少し冷めたら、浮いている実を押さえるように、適当なサイズにカットしたクッキングシートで覆い、そのあと蓋をして、完全に粗熱が取れたら冷蔵庫で保存します。
なお、直ぐにでも頂くことは出来ますが、1日以上置いたほうが味が染み込んでより美味しく頂けるようになります。
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■次は、「コンポート入りのゼリー」を作る。
コンポート液をゼラチンで固めて、フルーティーなゼリーにも…。

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【コンポート液】… 200㏄
【粉ゼラチン】… 3~5g
【水】… 15~25cc(ゼラチンの5倍)
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【ミニトマトのコンポート】… 適宜
この分量だったら、トマトの実をカップに2粒ずつ入れた場合。用意するカップのサイズにもよりますが、大体3カップほど作れます。
■作り方

1.粉ゼラチンを水でふやかします。
ダマにならないように、水のほうに粉ゼラチンをサラサラっと振り入れて直ぐにかき混ぜ、そのあと10分程ふやかします。
なお、粉ゼラチンをドサッと一気に入れて、そのまま放置しておくとダマになり易いです。

2.コンポート液にゼラチンを溶か込んでゼリー液を作り、そのあとカップに注ぎます。
●「コンポート液」と「水でふやかしたゼラチン」を“ボウル”または“鍋”に入れる。
●そして、60℃程の湯煎で温めて、軽く混ぜながらゼラチンを溶かす。
※ちなみに、温度計が無い場合は…。
【温度計を使用しないで、お湯を「希望の温度」に調節する方法】を参考に。
●そして、ゼラチンが完全に溶けたらカップに注いでゆきます。
なお、トマトのコンポートは、用意したカップの中にあらかじめ入れておきます。

3.冷蔵庫で冷やし固めたら完成。
カップごと冷蔵庫で冷やして固めると、フルーティーなトマトゼリーの完成です。
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以上、生で頂くには“いまひとつ”美味しくないミニトマトを「コンポート」や「コンポート入りゼリー」にしてみました。
コンポートの場合、皮を剥いてあるし加熱もされているので、生の状態とは違う食感が楽しめます。
さらには加熱されていることで青臭さも少なくなり、そこに砂糖の甘さとレモンの酸味、白ワインの風味などがプラスされて野菜感はほぼ無くなり、何かのフルーツを食べているかのような感じです。
また、トマトは本来野菜ではありますが、ミニトマトほどのかわいいサイズにもなると、見た目もなんとなくフルーツのよう…。
もし、あまり美味しくない“残念”なミニトマトに当たってしまった場合、面倒でさえなければ、以上のように加工してしまうというのもありですね。