次の画像は、トマトジュースを「濾過」した状態のものです。
市販のトマトジュースは、「ある方法」を使って濾過すると、液体の「透明ジュース」と、固体の「トマトペースト」とに分離されます。
せっかくそのままでも美味しいトマトジュースを、あえて分離させる必要はないのかもしれませんが、
その「液体」と「固体」の其々を、いろいろとアレンジして料理するのもけっこう面白いですし、幅広い使い方が出来てなにかと便利ですよ。
もちろん、濾した透明ジュースはそのまま冷やして飲んでもぜんぜん美味しいです。
なお、以下ではそれらをアレンジした料理や調味食材などをいくつか紹介しています。
※市販のトマトジュースは、ただ「普通に濾過」するだけでは分離しません。
ページの下部には、「濾して分離させる方法」を説明したページへのリンクがありますのでご参考に。
[1]■ 赤くない 透明なトマトスープ。
まず1つ目は、「透明トマトジュース」を使って、「透明トマトスープ」を作ります。
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【透明トマトジュース】… 320g
【水】… 200g
【オリーブ油】… 大さじ1/2(又はサラダ油)
【セロリ】… 20g
【玉ねぎ】… 50g
【マッシュルーム】… 20g
【ベーコン】… 20g
〔A〕
【白ワイン】… 5g
【塩】… 2g
【黒胡椒】… 少々
作り方
1.「セロリ」は筋取りをした茎部分を薄くスライス。「タマネギ」は繊維に沿って薄切りにし。「マッシュルーム」は3mmほどの薄さで縦にスライス。「ベーコン」は1cm幅にカットしておく
2. まず、鍋にオリーブ油を入れて「ベーコン」を中火で炒め、ベーコンから脂が出てきたら、そこに「玉ねぎ」を入れてしんなりするまで炒めます。
3. 玉ねぎがしんなりとしたら、鍋に「水」と「セロリ・マッシュルーム」を入れてしばらく中火にかけ、 沸騰してきたら弱火にし、蓋をして大体5分ほど蒸し煮にします。
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※この様に、野菜たちはまず水だけで煮ます。 最初からジュースも一緒に入れて煮てしまうと、野菜が酸っぱ過ぎになりますし、コクも出にくいです。
4. 5分ほど経ったら、鍋に透明トマトジュースと〔A〕の調味料たちを入れて中火にし、再び沸騰してきたら弱火にして3分ほど煮ます。
あとは味見をして、薄いと感じたら分量外の「塩」「黒胡椒」で味を調えたら完成です。
なお、今回は飾り付けとして、最後にイタリアンパセリをトッピングしました。
ちなみに、スープの材料に使う野菜としては、上記以外に、ネギ、白菜、かぶ、にんじん、キャベツ、コーンなどを使ってもいいですね。
また、スープが少し濁るかもしれませんが、ジャガイモやサツマイモなどの芋類、カボチャ、豆類などでも美味しいかも。
[2]■ 透明な「トマトジュレ」ドレッシングを作る。
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【透明トマトジュース】… 100g
【ゼラチン】… 2g
【コンソメ】… 1g
【酢】… 5g
【塩】… 少々(0.6g程)
【黒胡椒】… お好み
作り方
1. まず、トマトジュースを10gだけ小さい容器に取り分けて、そこにゼラチン2gを入れてふやかしておきます。
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なお、ゼラチンのほうにジュースをかけるとダマになり易いようです。また、ふやかす時間はメーカーによって異なるようですが10分以上置いておくと確実でしょう。
2. 鍋に、残りのトマトジュース90g・塩・コンソメを入れて弱火で温めます。
3. 塩とコンソメが溶けて「鍋底から小さい泡が出始めたくらい(50~60℃)」で火からおろし、上記1のふやかしたゼラチンを入れて溶かします。
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※ゼラチンを溶かすときの温度は50~60℃が最適です。沸騰させた高温状態で溶かすとゼラチンは固まり難くなります。
4. 冷めたら最後に酢を加えてひと混ぜし、容器に移して冷蔵庫で2~3時間固めると完成です。
食べる時は、固まったジュレをスプーンやフォークなどで少し崩しながらサラダなどにかけ、その上から黒胡椒をふりかけます。
なお、ゼラチンで作ったジュレは、温めると溶けてしまいますので必ず冷たい食品にかけることです。
冷やしたハム、ゆで卵などにかけてもいいですし、冷製パスタのソースとしても美味しいですよ。
また、アイデア次第ではそこそこおしゃれな一品が作れるかも。
また、このジュレドレッシングは、常温でも時間が経てば溶けてしまいますので、サラダや料理などにかける場合は直前まで冷蔵庫で冷やしておいて、かけたらなるべく早く頂くのがいいですよ。
まあ、溶けてしまっても、ただ普通の液体ドレッシングになるだけなので、それはそれで普通に美味しいですが。
[3]■ 見た目と違う、トマト味のオニオンドレッシング。
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【透明トマトジュース】… 75g
【酢】… 10g
【塩】… 3g
【玉ねぎ】… 5g
【菜種油】… 25g
【黒胡椒】… 少々(0.5g)
作り方
1. まず、玉ねぎはみじん切りにしておく。
2. ドレッシングボトルなどの容器に〔透明トマトジュース・酢・塩〕を入れてよく混ぜ、塩を溶かします。
3. 塩が溶けたら、みじん切りにした玉ねぎ・菜種油・黒胡椒を入れたら出来上がり。
保存する際は、ドレッシングボトルのまま冷蔵庫で。ボトルが無ければジャムの空き瓶などでも。
使用するときは、ジュースと油は分離するので、よく振ってから。
※なお、このレシピでは菜種油を使いましたが、お好みの植物油で作ってもOK。
EXVオリーブオイルなどで作ってハーブを入れたらちょっとイタリアンなドレッシングに、ごま油で作ると中華っぽいドレッシングに。
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以上、[1]~[3]は、
「透明トマトジュース」の活用レシピ。
以下、[4]~[8]では、
「トマトペースト」の活用レシピです。
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[4]■ 本格的な「トマトソースパスタ」もお手軽に。
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【トマトペースト】… 50g
【パスタ】… 160g(今回はペンネ)
【ベーコン】… 80g
【玉ねぎ】… 40g
【にんにく】… 1片
【オリーブ油】… 大さじ1
【塩】… 1g
【ブラックオリーブ】… 6~10個
【レモン】… お好み
【黒胡椒】… 適宜
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【水】… 2リットル
【塩】… 20g
作り方
1. 「ベーコン」は1.5cm幅に。「にんにく」はみじん切り。「玉ねぎ」は繊維に沿って適当にカットし。「レモン」はくし形に切っておく。
2. 鍋に2ℓの水を入れ、沸騰してきたら塩20gを入れてパスタをゆで始める。
3. ボウルなどにトマトペースト50gと塩1gを入れ、2の鍋から茹で汁「大さじ4」をすくい取ってそれで溶いておく。
4. フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて火にかけ、にんにくからジワジワと泡が出始めたら、ベーコン・玉ねぎを入れて軽く炒める。
そこに3のペーストを加えて混ぜ合わせるとパスタソースの出来上がり。
5. パスタが茹ったらフライパンに入れてソースと絡め、そのあと、黒胡椒、ブラックオリーブを入れて軽く混ぜます。
なお、パスタとソースが絡みづらければ分量外のオリーブ油又は、茹で汁を少量追加すると良い。
6. パスタを器に盛り付け、最後にレモンを添えたら完成です。
頂くときは、上からレモンを搾ってどうぞ。
[5]■ ペーストを少し加えて、トマト味の卵焼き・オムレツに。
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【卵】… 3個(Mサイズ)
【牛乳】… 大さじ2(30cc)
【トマトペースト】… 25g
【粉チーズ】… 小さじ1(3g)
【塩】… 少々(0.5g)
【黒胡椒】… 適宜
【ドライバジル】… 適宜
【油(植物油)】… 適宜
作り方
1. まず、ボウルに卵を溶いておく。
2. 上記1とは別のボウルにトマトベーストを入れ、そこに、牛乳を「少しずつ加えては混ぜ、加えては混ぜ」を繰り返しながらベーストをトロリとさせる。
3. 2に粉チーズ・塩を入れてよく混ぜたら、そこに、用意しておいた1の溶き卵を少しずつ入れてさらに混ぜ合わせる。
4. バジルと塩、黒胡椒を加えて味見をし、足りなければ塩を追加して味を調える。
5. フライパンが温まったら油を入れ、そこに卵液を一気に入れてかき混ぜ、焼きながら形を整えて軽く焼き目が付いたら完成です。
[6]■ ペーストをパウダー状にして、ふりかけを作る。
ペーストをパウダー状にして、ふりかけにしても美味しいですよ。
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【トマトパウダー】… 8g
【にんにくチップ】… 2g
【ドライバジル】… 1g
【塩】… 2g
作り方
1. まず、にんにくチップを乳鉢などで細かく砕きます。
2. あとは、上記の材料を全部混ぜるだけです。
ただし、トマトパウダーが完全にパウダー状にならないで、所々に小さい塊となって残っていることがありますが、その塊は噛むと硬いので、混ぜる前に乳鉢でさらに細かくしておくと良いでしょう。
ドライバジルは、見た目が大きいと感じる場合は乳鉢などで細かくしておくと良いでしょう。
※トマトパウダーの作り方は、下部に記載。
[7]■ コロコロチーズを入れた、ちょっとイタリアンなおにぎり。
トマトパウダーを混ぜ、さらにコロコロチーズを入れておにぎりにすると、イタリアンな味のおにぎりが完成です。
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【ごはん】… 300g
【トマトパウダー】… 4g
【塩】… 1~2g
【ドライバジル】… 少々
【プロセスチーズ】… 15g
作り方
1. ボウルに温かいごはんを入れ、そこに〔トマトパウダー・塩・ドライバジル〕を入れてよく混ぜ合わせます。
味を見て、塩が足りなければ追加してください。
2. プロセスチーズを5~7mm角に切り、ごはんをおにぎりの数に等分したら、その其々のごはんに角切りチーズを混ぜ込みます。
3. ひろげたラップにごはんを入れ、そのラップで包むように握ってお好みのおにぎりの形に整えたら、ラップに包んだまま少しの間蒸らします。
蒸らすことでパウダーが柔らかくなり、ごはんに馴染みます。
[8]■ 調味料として、3通りの「トマトペースト」の保存方法。
パスタのソースを作ったり、カレーに入れたり、ロールキャベツや煮込み料理に入れたり、パンやクッキーを焼く時に加えたり、そのほか色々な料理の調味料として使える「トマトペースト」ですが、より使いやすくするために目的や状況に応じた保存方法で常備しておくと便利です。
今回は、以下の3通りの方法で保存してみます。
■ ペーストのまま「容器」で保存。
ただ普通に、ビンなどの密閉可能な容器に詰めて冷蔵庫で保存します。
使いたいときに使いたい分だけスプーンなどですくって取り出すパターンです。
少しでも長持ちするように、ペーストを詰める前の容器は、熱湯やアルコールで殺菌しておくとよいでしょう。
ただし、保存料が入っているわけではありませんので、なるべく早く常識の範囲内では使い切りましょう。
■ 「冷凍」して保存。
早く使い切れない場合や、常備しておきたい場合は、冷凍保存をしておくのもよいでしょう。
まず、チャック付きのポリ袋に入れて薄く延ばし、そのあと、袋の上から箸などの棒状のものを押し付けて任意のサイズに等分できる跡(線)を付けたら冷凍保存します。
使うときは、板チョコのようにポキポキと割って必要な分だけ取り出します。
なお、冷凍でも品質は変化してゆくはずですので、冷凍だからといって安心せず、あまり長く保存しないように。
■ 「トマトパウダー」を作る。
ミキサー(ブレンダー)で粉砕してパウダー状で保存すると、ペーストよりも多少は日持ちもしますし、また、違う使い方も出来ます。
なお、パウダー状にするためには、まず下記の様に、ペーストを一旦乾燥させる必要があります。
とにかく、細かいパウダー状となるまでには意外と粉砕に時間がかかります。使用するミキサーの定格時間をよく確認し、その時間を守りながら作業をするのは基本です。
A. フライパンで乾燥させる
弱火に温めたフライパンの上にペーストを薄く拡げて、焦げないように注意しながら加熱します。水分が飛んで乾燥するとカリカリの塊になります。
なお、小さな塊にするために、途中でヘラなどを使って細かく分断させてゆきます。
B. 天日干しで乾燥させる
クッキングシートの表面にペーストを薄く延ばすように拡げて、天気の良い日に太陽の熱で乾燥させると、パリパリのシート状になります。
ミキサーに投入するときは、そのシートをある程度小さく手で割ってから投入します。
■そのほかには、Bと同じ状態(クッキングシートの表面にペーストを薄く延ばす)にし、超低い温度で時間をかけて、焦げないように様子を確認しながらゆっくりとオーブンで乾燥させてもOKです。
この場合、とにかく焦げ易いので注意が必要です。
以上、市販のトマトジュースを濾して、「透明ジュース」と「ペースト」に分離させ、それらを色々とアレンジする方法の紹介でした。
特にペーストは、使いやすい状態で保存・常備させておくと、いざという時に結構役立ちますよ。
また、アレンジ次第では、さらに色々な料理も出来るはず。
◇
下記のページでは、「市販のトマトジュース」を濾して、「透明ジュース」と「トマトペースト」とに分離させる方法を紹介していますのでご参考に。