お湯に混ぜるだけで簡単にスープが作れるコンソメパウダー。料理のだしとしても大活躍。
今回はそのコンソメパウダーを手作りします。
自家製なので保存料や着色料などの添加物を気にする必要はないし、自分好みの味を作れるというのはうれしい。
煮物や炒め物などの味付けにも使えるし、作り置きしておけば、あともう一品何か汁物が欲しいという時にチャチャッとスープを出すことが出来るのでとても便利です。
とは言え、そのままお湯にただ混ぜるだけだと濁ったスープになってしまう…。
しかし、さらに手間を加えれば画像のような超透明なコンソメスープにすることも可能…。
■無添加のコンソメバウダーを作る。
多少の調理時間はかかるけど、作ってさえしまえば好きな時に簡単にコンソメスープが作れるパウダーです。
ちなみに、今回は数種類の野菜に肉とハーブと調味料で作りますが、玉ねぎ・セロリ・ニンジン・塩だけで作っても甘味のある普通に美味しい野菜スープの素パウダーが出来ます。
なので、以下に記した材料でもし何か足りないものがあったとしても、玉ねぎ・セロリ・ニンジン・塩が最低入っていればそれなりの味にはなるはずです…。おそらく。
なお、玉ねぎ・セロリ・ニンジン・塩だけではフライパンに(テフロン加工なのに)こびり付きやすいです。
さらにこの場合、ねっとりと固まってしまいパラパラの粒状にはなりにくいので最後にミルサーなどで粉砕して粒状にする必要はあるかも…。
[野菜]
【玉ねぎ】… 150g
【ニンジン】… 75g
【セロリ(茎部分)】… 45g
【マッシュルーム】… 32g(大2個)
【にんにく】… 16g(2片)
【トマト】
[肉類]
【鶏むね挽肉】… 150g
【ベーコン】… 16.5g(1枚)
[ハーブ]
【イタリアンパセリ】… 葉10枚ほど
【タイム】… 葉ひとつまみ
[調味料]
【塩】… 15~25g
【黒コショウ】… 2.5g(小さじ1)
【白ワイン】… 30g(大さじ2)
【酢】… 5g(小さじ1) 今回はりんご酢使用
【トマト】今回は透明トマトジュースにしてから使用します。上記のトマトは1個205gあって、そこから透明トマトジュースは120gとれました。ここではその120gを全部使います。
もし透明トマトジュースにせずにそのままのトマトを入れる場合は、トマト1/2個ぐらいでいいかも。
【塩】ちょっと塩分が強かったかなという場合はあとから塩を取り除くことは出来ませんので、もし心配だったら少量の方で作って、頂くときにお好みで塩を追加して塩味を調整するというのも手。
【透明トマトジュース】
そのままのトマトを使っても全然いいのですが、コンソメパウダーの色が赤くならないように今回はトマトを透明なジュースにしてから加えます。
この作業は時間が(半日程度)かかるので、前日に作っておいたほうがいいかも。
それが面倒な場合や、出来上がったコンソメパウダーの色が多少赤くてもいいという場合はカットしただけのそのままのトマトで…。
ちなみに今回の透明トマトジュースは、トマトをミキサーで攪拌してドリッパーで濾して作ります。
なお、この他にも透明トマトジュースを作る方法はあります。詳しくは「透明なトマトジュース」を作る、2通りの方法とは のページを参照。
■作り方
1.材料を適当な大きさにカット。
ミキサーのモーターに負荷をかけないように、ここでは材料を細かくしておくことにしました。
野菜はそれぞれ繊維を裁つようにカット。ベーコンは細目の短冊切りにしておいた。
2.野菜類と透明トマトジュースを入れてミキサーにかける。
まずは、野菜とハーブそして透明トマトジュースをミキサーにかけます。
[野菜]
玉ねぎ・ニンジン・セロリ・マッシュルーム・にんにく
[ハーブ]
イタリアンパセリ・タイム
※今回は、トマトを透明ジュースにしてから混ぜますが、ただカットしただけのトマトをそのまま入れるのでも全然かまわない。とにかくお好みで…。
なおトマトをそのまま使用する場合は【少量の水】を追加するとミキサーで回しやすくなるかも。
3.残りの材料を入れてミキサーにかける。
上記の中に、残りの材料(肉類・調味料)をすべて加え、ペースト状になるまで攪拌する。
[肉類]
鶏むね挽肉・ベーコン
[調味料]
塩・黒コショウ・白ワイン・酢
4.フライパンに広げます。
なるべく底の広いフライパンを使用。出来ればテフロン加工などの「食材が表面にくっつかない加工」されたもので。
5.火にかけて水分を飛ばす。
まず、弱めの中火にかけて煮詰めていきます。
フツフツとしてきたら弱火にし、ときどきスパチュラなどで混ぜながら煮詰めていきす。
フツフツとしてきた最初のうちは、鍋底が見えるようにスパチュラでスーッと跡を付けると、その跡にジワーっと水分が溜まってくる感じになりますが、煮詰まってくると、同じように付けた跡に水分は溜まらなくなってきます。
そうなったらそのあとは煮詰めるというよりも炒る(乾燥)という感じになります。
焦がさないように火加減に注意をして、スパチュラでかき混ぜながら水分を飛ばします。ここからはフライパンの火を消したり着けたりしながら炒るといいかも。
なお、この炒り具合(色の濃さ)によってスープの色も変わってきます。ただし炒り過ぎると焦げてしまうのである程度までで…。
塊になってきたらスパチュラでその塊をカットするようにチョップしながら塊を小さくしていきます。
テフロンが傷つかないように、ここはシリコン製のスパチュラで…。
6.パラパラになったら出来上がり。
このようにパラパラになったら出来上がりです。
なお、使う食材によってはパラパラにならない場合もあります。もしパラパラにならなかったときはミルサーなどで粉砕するといいかも…。
ちなみに以前、トマトの代わりに水で戻した昆布を入れて作った時はパラパラになりませんでした。また、玉ねぎ・セロリ・ニンジン・塩だけで作った時もねっとりとなってしまいパラパラは無理でした。
昆布の粘りのせいなのか、玉ねぎの糖分のせいなのかは分かりませんが…。
7.密閉容器に移して保存する。
普通の料理だったらここで味見ということになると思いますが、出来てすぐお湯に溶かしてスープを作ってもさほど美味しくはありません。
ニンニクはとがり過ぎだし、何故かちょっと魚臭いし、塩分も強く感じるし、とにかく味はバラバラ。
完成した後は、1週間くらい容器に入れたまま熟成させたほうがよい。少なくとも2日以上は必要かも。
頂くときは、カップに水とお好みの量のコンソメパウダーを入れてレンチンで沸かします。また、作る量が多いときは鍋に水とコンソメパウダーを入れてコンロで沸かしてもよい。
なお、カップにコンソメパウダーを入れ、そこにお湯を注いで ただ混ぜるだけも普通に作れます。
しかし、この作り方の場合は比較的だしが出にくので、ついついパウダーを多く入れがちになってしまいます。そうなると塩分も強めになってしまう。
どっちみち何かで湯を沸かすのであれば、前者のように最初からパウダーも一緒に入れて水から沸かすほうがいいかもしれない。
まあ、これは都合の良いほうで…。
ちなみに、材料の塩を少なめにして作った場合、味見をして塩味が足りなければここで調整する。
なお、カップの底にはカスのようなものが沈殿してしまいます…。
まあカスと言っても野菜と肉なのでそのまま頂いても全然いいし栄養もとれるので自宅でササッとスープを作ってすぐに頂く場合にはそれでも全然良いとは思う。例えば味噌汁椀の底にも大豆のカスは沈殿するし…。
もしどうしてもそのカスが気になるのであれば茶漉しなどに通して取り除くといいかも…。
■超透明なコンソメスープを作る。
市販のコンソメパウダーの場合はエキスをドライにしてあるものがメインなので、ほぼほぼお湯に溶かしただけで透明なスープになります。
しかし今回作ったコンソメパウダーは、ただお湯に溶かしただけではそうはならない。茶漉しなどで濾したとしてもカスは取り除けるけどスープは濁った状態です。
だけど透明に出来ないわけはありません。少し手間は増えるが卵白を使うことによって超透明にすることが出来ます。しかも卵白からの旨味も追加されるのでさらに味わい深くもなります。
【手作りコンソメパウダー】
【水】
【卵白】
上記の材料はそれぞれお好みの量で…。
ちなみにここでは
【手作りコンソメパウダー】小さじ4
【水】360㏄
で、この量だと【卵白】は1/2個分使用。
■透明にする方法
1.まずは普通にスープを作る。
まず鍋に水と自家製コンソメパウダーを入れて少し火にかけ普通に温かいスープを作ります。
2.濾し器で濾します。
茶漉しなどの濾し器を使い、スープを濾してカスを取り除きます。
※ちなみにこのカスは普通に捨ててもいいですが、今回はスプーンで押さえてよく絞ったあと、バターと混ぜてペースト状にし、それをトーストに塗っていただきました。カスとはいっても主に肉と野菜なので…。
感想としてはまあまあかな…。
おそらくですがバターではなくクリームチーズだったらもっと美味しかったかも…。
3.冷まします。
しばらくの間フタをして一旦スープを冷まします。
4.鍋にスープと卵白を入れます。
スープが冷めたらを鍋に戻し、その中に卵白を入れます。
ここではまだ濁った状態です。
5.弱火にかけて混ぜます。
弱火にかけて混ぜ続けていると、所々にだんだんと固まった卵白がポツポツと見え始め、そのあとスープが白っぽくなってきます。
プクプクと泡が立ってきたらすぐに火を止めます。
そしてかき混ぜるのをやめると、画像のように濁りの原因となるものが透明スープと分離して細かい浮遊物となってきます。
6.スープを濾します。
キッチンペーパー・ドリップペーパー・布などのフィルターになるものでスープを濾したら透明コンソメスープの完成です。
濾し終えたら、画像のようにまるでレストランで出てくるかのような透明コンソメスープとなります。
確かに、市販のコンソメパウダーを使ってインスタントにスープを作るよりも手間はかかります。
ただコンソメスープを本格的に作るとしたら、まずブイヨンを作り、それからコンソメ作りとなるわけですが、今回のように自家製コンソメパウダーを作り置きさえしておけば、すべての材料を揃えて全くのゼロから本格的にじっくりと透明コンソメスープを手作りするよりも全然早いことも確か…。
また、スープの状態で保存するよりもパウダーならば場所をとらないし、保存性もアップするはず。
頂くときは冷でも温でもOK。
スープ皿やカップなどに注いでそのまま頂きます。
また、多少は濁るかもしれませんが、何か具材を入れて少し煮込んでもいい。
以上、自家製コンソメパウダーを手作りするレシピでした。
なお、ただのコンソメスープとして頂くだけではなくアレンジするのも面白い。
例えば、まずコンソメスープを作り、そしてそのスープと牛乳をハーフ&ハーフの割合で混ぜるだけ。これで味わい深いクリームスープの完成です。
また、キャベツで肉種を包んでそれをコンソメスープで煮込むとロールキャベツが作れるし、カット野菜に振りかけてフライパンで炒めると美味しい野菜炒めが出来上がる。そのほかにも味が決まらない料理に少し入れてみるなどと使い道も色々。