ナチュラルで素朴なデザインの石鹸が雑貨店などでよく売られていますが、それを自宅でも簡単に作ることができたらよくないですか。
手作りだと、自分の好きなハーブや精油を自由に練り込むことができて楽しいですし、場合によっては経済的です。
そこで、色々と作り方を調べてみました。すると、手作りする場合、材料として苛性ソーダという危険な薬品が必要とのこと。 なのであまり気が進まず、一時はくじけてしまいした。
しかし、さらに調べてみると、手作り専用で、石鹸が細かく粉砕された状態の『石鹸素地』というものを使って、簡単で安全に作る方法もあるとやら。

そして、さらに調べてみると、普通の石鹸を細かく削り、それを素にして作るという方法も。
それは、作るというよりもリメイクするという感じかもしれません。
その作り方の場合ですと、材料となる石鹸は、スーパーやホームセンター、またドラックストアなどで、1個からでも手軽に購入することができます。
ということは、長年愛用している『普通の石鹸』でも作れるということでもあるので、それを材料にしてオリジナルの石鹸を作ってみることにしました。
但し、普通の石鹸とはいっても、無香料・無着色の石鹸素地100%で出来たタイプのモノを使用します。

ちなみに、『普通の石鹸』で作るのと、手作り専用の『石鹸素地』で作るのとでは、どのように違うのか気になりすぎて、参考までに両方とも作ってみました。
そして実際に作って、両者を比較してみましたが、
手作り専用のモノは、当然ですが、最初から細かくなっているのでとても手軽で楽です。とても練り易くて、しっかりとしたものが出来上がりました。
また、削る道具なども必要ないので安全です。なので、細かく削る作業が嫌だという方にはおすすめです。
しかし、普通の石鹸で作っても、そこそこの形にはなりました。
普通の石鹸をオリジナルにリメイクしてみます
今回は、少量(1個100g程)からでも手軽に購入することができる、『普通の石鹸』で作ることにします。
なお、水分量や作り方は、市販の手作り用『石鹸素地』とは多少変えてあります。

―材料―
【無香料で無着色の石鹸】 1個(100g程)
(無添加・石鹸素地100%)と、パッケージのどこかに材質が書いてあるはずですので、そのタイプを選びます。
【水分】 40g程(40cc)
例えば、ハーブの香りを付けたいとき
■精油(エッセンシャルオイル)を使う場合は
【ハーブの精油】 3~5滴程
【お湯】 40g程(水でも作れます)
■ハーブティーを使う場合は
【ハーブティー】 40g程
※色々と試してみましたが、加える水分はすごく正確に量る必要はないという感じです。 100gの素地に対して、加える水分を20g・30g・40g・50gとで作ってみましたが。いずれもそれなりに出来ました。
この水分の量は、石鹸の種類・乾燥状態(日にちの経っているモノほど乾燥が進んでいます)によっても変わってきます。
なお、加える水分の量が少ないと成形中にモロモロと割れ易くなり。
逆に、加える水分の量が多いほどネットリとなって、道具などにこびり付き易くなり、扱うのが厄介にはなります。 そして、完成した後の乾燥も遅くなります。
―道具―
【削り器】 おろし金(大根おろし器)や、チーズグレーター(チーズおろし器/削り器)
【ポリ袋】 なるべく厚めのものを使用したほうが、色々と作業はし易いです。
【手袋】 炊事用のビニール手袋やゴム手袋
【型枠】 お菓子の型や、適当な形の箱
【ラップ】 型枠から取り出し易くするためのもの
※型枠は、手で成形する場合は無くてもよいです。
■作り方

1.まず、おろし金やチーズグレーターなどを使って、石鹸を細かく削ります。
今回はおろし金で削りました。
削る前は、『けっこう力が必要なんだろうな…。』と思っていたのですが、以外と楽で、チーズや大根を削る時と同じぐらいの力で大丈夫でした。
なお、この削る作業をする時には、器具で怪我をしないように十分に注意が必要です。
そして、削った後に周りを見てみると、結構粉が飛び散っていたので、下に置くボウルやトレーは大き目のものが良いかと思います。
また、おろし金には石鹸がこびり付きはしますが、元々は洗剤のようなものなので、水で流しながらブラシなどで軽く撫でると簡単に落とせます。
※最初から細かくなっている市販の手作り用の素地を使う場合は、この作業が必要ないので、安全ですし楽です。

2.ポリ袋の中に、細かく削った素地100gを入れ、そこに、水分40g程を数回に分けて加えながら均一に混ぜてゆきます。
なお、ハーブの香りを付けたい場合には
●お湯40g程と一緒に、ハーブの精油を3~5滴程加えます。(お湯ではなく、水でも作れました。)
●もしくは、ハーブティーを濃い目に作って、それを、お湯の代わりに40g程加えます。
この場合、精油は加えても加えなくてもお好みで。
※なお、ハーブや精油には色々な効果はありますが、アレルギー体質や敏感肌の人は、ご使用をお控えになった方がいい場合もあります。
精油(エッセンシャルオイル)を多めに加えると、芳香剤(石鹸ではなく雑貨)として使えます。
また、加えるモノをアレンジして、色々な見た目や香りを楽しむのもいいですね。

3.ポリ袋の上から、中の素地を練ります。
加えた水分や精油などが均一に混ざるように練ってゆきます。
このとき、加える水分が無色 もしくは薄い色の場合は、そのまま固めても気にはなりませんが、
濃い色のもの(例えば濃い色の紅茶など)を加えた場合は、素地の白い粒粒は多少目立ちます。
もし、それが嫌な場合は、ある程度混ぜた後に、数時間そのまま(乾燥しないように密封した状態で)放置しておくと、粒粒の素地がふやけて多少潰れ易くなります。
おまけに、このあとの成形する際には、多少割れ難くなってもくれます。
なお、潰す際には、ポリ袋を平たくしてテーブル等の上に置き、指で押しながら潰すとやり易いです。
その時、袋の端部分辺りで潰すと袋が破裂しやすいので、真ん中辺りで潰します。
ただ、水分を多めに加えた場合には、中身が袋にベッタリとこびり付いて、取り出し難くはなってしまいますが…。
また、ポリ袋ではやり難いという場合は、中身をボウルなどに移し、炊事用のビニール手袋やゴム手袋をはめた手で練り混ぜても良いです。

4.好きな形に手で成形するか、または、好きな形の型枠に入れて成形します。
ポリ袋の中から素地を取り出し、両手で挟んでコロコロと転がしながら団子状にしてゆきます。
そのあと、手で好きな形に成形するか、もしくは、型に押し込んで成形します。
なお、それらの作業をする際には、手にビニール手袋などをするか、素地をラップで覆うかします。
そして、手で成形したものは、多少デコボコとした形になってしまいますが、それはそれでハンドメイドらしくて味があります。
成形するときは、100g(1個分)全部を丸々1個に固めてしまわずに、数個に分けて小さいサイズのモノをいくつか作るのもかわいいですし、
また、好きな形の型枠や、ケーキやクッキーの型などに入れて成形するのも楽しいですよ。
型枠として使用するものは、適当な大きさのしっかりとした箱ならなんでもよいと思います。
なお、型枠などに入れる際には、型枠に素地がこびり付いてとれなくなりますので、素地を入れる前に型枠の中にラップを敷きます。

5.成形後は、直射日光を避けて重ならないようにして乾燥させます。
加えた水分の量や、完成したものの厚さによって乾燥の日数は異なります。
素地100gに対して40gの水分量で、厚さ15mmほどに成形して、大体2週間以上です。
とうぜん、加える水分の量が多いほど、乾燥日数は長くなります。
また、日光や光にあてると酸化しやすくなりますので、日陰で風通しの良い場所で、網やザルの上にのせて乾燥させます。
もし網やザルがなければ、割り箸などを2本並べて、その上に石鹸が浮いたようにして置きます。
そして、複数個作った場合は、乾燥中にお互いが重ならないように。
保存方法
日光や光の当たらない冷暗所で保存します。
使用期限
作ったものはなるべく早く使いきるようにします。遅くても半年以内には使いきるようにしたほうが良いでしょう。
但し、半年以内でも、匂いが変わった、すごく色が変わった、ベタベタしてきた、その他あきらかに何かが変わった(酸化や腐敗が進んだ)なと感じたら処分の対象です。
中に加えるものによって、そこらへんは変わるはずですので。
とにかく、一度にたくさん作りすぎなければよいだけですが。

以上の作り方が、ハンドメイドで作る石鹸の中では、最も安全で簡単な作り方だと思います。
なお、今回ハンドメイドで作ったモノは、個人用として自分で使用するものです。
また、使用前には必ずパッチテストはします。
いきなり顔や身体には使用せずに、まずは手洗いで試しています。
加えたものが、肌に合わないとまずいですからね。
とにかく、材料となる石鹸や精油の説明書は必ず読むこと。
ハーブや精油や何かを加える前には、身体への影響や効能については必ず調べること。
もし、なにかのアレルギー反応や異常が起きたら、使用をやめて必ずお医者さんには見せること。
などが大事です。
なお、今回は簡単な作り方を紹介しましたが、苛性ソーダを使用していないのに「なめらか」に作るというような、今回とは違ったハンドメイドの方法もあります。
下記のページでは、それらも紹介しますので、興味のあるかたはどうぞ。
↓こちら
苛性ソーダを使わない手作り石鹸の作り方と その材料
