A4サイズの書類が横になった状態でも入るくらいの大きさで、デザイン的なアクセントとなるように両端をテープで覆って縁取り(パイピング)した構造の「帆布製トートバック」を作ります。

正面からの帆布バックの様子

今回は普段使い用として作りますが、仕様によってはマルシェバッグとしても…。

マルシェバッグとして使う場合は、ポケットや装飾などを一切設けない単純な構造で…。
そして普段使いの場合は、内ポケットを付けたり革のパーツを付けたりその他色々と手を加えたりしてちょっとだけリッチに…。

とにかくシンプルなデザインなので、カジュアルであれば意外と着る服は選ばないかも…。


■両端にアクセント(パイピング)のある「トートバック」の作り方。

布の裁ち方のパターン
パーツのサイズ
■基本バックの材料

【布】… 8号綿帆布
【平織りテープ】… 幅3cm
【綾テープ】… 幅2.5cm

【布】 ここでは8号帆布を使います。
ミシンのパワーが心配な場合は。もっと薄い帆布(号数を大きく)もしくは種類の違う柔らかい布で…。
【平織りテープ】 持ち手用として。
【綾テープ】 布の端処理(パイピング)用として。

ここでは平織りテープも綾テープも布と同色である生成り色を使いますが、布と違った色にするのも趣向が変わって面白いと思う。
なお今回は生成り色の材料を使ったので比較的汚れが目立ちやすいはず。もし汚れたら普通に洗うと思うので、洗ったとしても縮みにくいように、綿素材部分は裁断する前に水通しをしてからアイロンをかけておいた。

※さらにオプションを設ける場合は…
上記の材料は基本的なバックを作るだけの分です。
下記のオプションを設ける場合には別途材料が必要です。詳しくはページ下部にて説明。
内ポケットの作り方と取り付け方。
バック両端に革のパーツを付ける。
バックに底板を付ける。

■作り方


持ち手を縫い付ける

.持ち手を縫い付ける。

まず上記のパターン(型紙)通りに布を裁断をし、その布端と持ち手用の平織りテープの端と揃え、位置を決めて縫い付けます。
この時、平織りテープと布は中表にする。

“赤の点線”がこの工程での縫う箇所。以下の工程も同様。
上端を内側に折り曲げる

.上端を内側に折り曲げる。

上端から2cmのところで平織りテープと一緒に布を内側に折り曲げてアイロンをかけておきます。
なお、平織りテープ部分は硬いので、木槌などがあれば、それで叩いて折り目をつけるといいかも。

折り目にステッチ

.折り目にステッチ。

折り曲げた部分の端から0.5cm(5mm)のところにステッチを入れて縫い合わせ、折り曲げた状態を固定させます。

布ベルトを布に留める

.平織りテープを布に留める。

上記で折り曲げた端から6.8cmのところで布と平織りテープを縫い合わせて留めておきます。

なお、バックに内ポケットを設けたい場合は、この工程のあとに取り付けます。
内ポケットの作り方と取り付け方は下部にて説明。

持ち手が上を向くように折り曲げる
内ポケットを付けたタイプ

.持ち手が上を向くように折り曲げる。

上記工程4で縫い合わせたところ(端から6.8cmの縫い線)よりも0.2cm(2mm)下である、端から7cmのところで折り曲げて持ち手(平織りテープ)を上に向かせます。そしてその状態のままアイロンで押さえておきます。

なお、このアイロンで押さえた折り曲げ部がバックの開口部となります。

この工程は、ポケット無しもポケット有りも同じ。
ちなみに今回は、内ポケット有りで作ります。

折り曲げ部分にステッチ

.折り曲げ部分にステッチ。

アイロンで押さえた折り曲げ部分を固定させるためとデザインのために、折り曲げた端部から0.5cmのところにステッチをいれます。

デザインの為のステッチ

.持ち手の付け根にステッチ。

このステッチは絶対に必要というものではないですが、なんとなくアクセントが欲しかったので、持ち手の付け根から3cmの長さで入れておきました。
まあ多少の補強にはなっていると思う…。

なおここだけは、目立つように太いミシン糸(5番)を使っています。

バックの両脇を縫い合わせる

.バックの両脇を縫い合わせる。

2本の持ち手を合わせるようにして布を中心(バック下部)で折り曲げ、バック開口部(上端)と両端をキッチリと合わせます。
そして、位置決めの為に、バックの両脇となる部分を端から0.5cmのところで縫い合わせます。
この時、上部の2cmは縫わないようにします。

両脇を布テープで覆って縫う

.両脇を綾テープで覆ってパイピングする。

布端の処理の為と本縫いを兼ねて、両脇を綾テープで覆って縫います。
なおこの時、画像のように綾テープ下部は布と位置を合わせ、綾テープ上部はバック開口部(上端)からはみ出させておきます。
そして、バック開口部から下2cmは、あえて縫わないようにします。

※ここで言う上部・下部とはバックでの上下です。画像では上部は右側で、下部は左側です。

布テープの上部端を処理

10.綾テープの上部端を処理。

まず綾テープの端を左画像のように斜めにカットします。
そして右画像のように、バック開口部からはみ出した綾テープの端全部を内側に折り込んで縫い付けておきます。
綾テープを折り込むときは、目打ちを使うとやり易いです。

袋部分をひっくり返す

11.袋部分をひっくり返す。

バックの袋部分(本体)をひっくり返して内側面を外にします。

バック底の隅を縫い合わせる

12.バック底の隅を縫い合わせる。

まず、バックの底にある2カ所の切り欠き部分を、左画像のように合わせた状態にして縫い代1cmで縫います。
なお、画像では内側となっているので見えてはいないですが、この縫い合わせる時には、上記工程9で縫い付けた左右の綾テープ部分(完成したら外側の両端になる部分)は同じ方向に折り曲げておく。

そのあと右画像のように、端処理として、縫い代の1cm分に綾テープを被せて縫い付けておきます。

表に返したら完成

13.表に返す。

表に返したら帆布バックの完成です。


■内ポケットの作り方と取り付け方。

内ポケットは付けても付けなくてもバックにはなりますが、普段使いする時には付いていると何かと便利。
また、内側にポケットがあるとバックの補強にもなり、8号帆布のようにある程度張りのある布で作るとバックが自立しやすくなります。
なおここでは、内ポケットを付けるついでに、引っ掛け収納用のDカンも付けておきました。

内ポケットの材料のサイズ
■ポケットの材料

【布】… 8号綿帆布
【綾テープ】… 幅2cm

この材料は内ポケット1カ所分です。2カ所(両側)に取り付ける場合は、これを2セット用意する。

内ポケットの作り方

内ポケットの作り方。

まず、上端部分をウラ側に三つ折りにして縫います。ここでは1cmずつ2回折り曲げて2cm分。

次に、下部の19.5cm分をウラ側に折り曲げてポケットの袋部分を作ります。

そして、両端を綾テープで覆って縫います。
そして、下にはみ出した綾テープの端部分はポケットのウラ面側に折り曲げて縫い付けておく。

なお、大きいポケットで良い場合は以上で終了。
小さいポケットが左右2カ所にあるタイプにしたい場合は、イラストでの赤点線のようにポケット中央で縫い合わせます。(この赤点線部分の縫い目が仕切りとなる。)

ここでは、小さいポケットが左右2カ所にあって、その幅が左右均等であるタイプを作りましたが、このポケットの数や幅は仕切りの縫い目の数や位置で自由に変えれます。そこはお好みで…。

完成したポケットが2つ

今回は、画像のようにポケットが左右に2カ所となるタイプと大きい1つポケットのタイプをそれぞれ1つずつ作りました。

ちなみに大きい1つポケットの方は、布を裁断する時に少し長めにして、ポケットが深くなるようにしてあります。
そして、口がパカパカと開かないように、上部の三つ折り部分の幅を広くして、そこの中心部分に磁石を埋め込んで縫ってあります。
もちろん、その対する位置の布の裏面側にも磁石は取り付けてあります。

画像下部に写っている2つの小さいパーツは、Dカンに三つ折りにした布テープを通してあるもので、引っ掛け収納用のパーツです。

ポケットの取り付け方

取り付け方

※ポケットを取り付ける場合は、上記工程4の状態まで作業を進めてある状態とします。

まず、イラスト右側のように、バック本体内側面の端部に、作ったポケットの上部を重ねる。
この時、イラスト左側を見ても分かるように、ポケットの有る面と、バック本体外側面は同じ側になるように合わせる。
なお、その重なりの幅は、作ったポケットの上部の1.5cmとしました。
そしてその状態で縫い付けます。イラストでは赤点線の部分。

※このあと、上記の工程5に進みます。

Dカンを取り付けた様子

なおこの画像は「Dカンに布テープを通したもの」も一緒に取り付けた状態です。
ポケット上部の両サイドに取り付けてあるものがそれです。
これは、鍵などをカラビナなどで引っ掛けておくためのもので、無くてもいいですが、あったらあったで何かと便利です。


■さらに、バック両端に革のパーツを付ける。

上記の状態でもバックは完成していますが、さらに今回は、バック両端に革のパーツを取り付ます。

革のパーツの材料とカシメ
■材料

【革】… 1.5mm厚のヌメ革
【カシメ】… 真鍮製で、頭の径は9mm

【革】は、幅18mm長さ55mmにカットして両端を丸く成形し、ポンチで穴を開けました。
そして、周囲のコバ(裁断面)をトコノールで仕上げたら革パーツの完成。
ちなみに、両端の丸い部分はR10mmです。ポンチの穴は端から1cmのところに開けてあります。

革パーツを取り付ける位置
革パーツの付いた帆布バック

革パーツの取り付け方

バック上部の両端に穴を開け、そこにカシメの軸を通すようにして革パーツを取り付けます。
なお、革の穴はポンチで開けましたが、バック(布)にはなるべくポンチを使わないようにする。
今回は、根元にいくにしたがって太くなっていくタイプの目打ちをゆっくりと押し込んで、径4mm程度まで穴を拡げました。


■バックに底板を付ける。

この底板も、あっても無くてもいいですが、モノを沢山入れた時にバックの形が崩れにくいように、今回は付けておきます。

パンチカーペットと帆布

まず、バックと同じ材料の【帆布】と、
薄めの【パンチカーペット】を用意します。

そして、バック底部分のサイズを測り、そこから幅・長さともマイナス1cmにした形状にカット。
枚数は、パンチカーペットが1枚と帆布が2枚です。

ちなみに、プラスチックシート製の硬めな底板でもいいですが、底部分は多少たわんでいる状態のほうが好きなので、ここでは薄めのパンチカーペットを使いました。
なお、パンチカーペットとは不織布のカーペットのことです。

完成したバック底板

そして、2枚の帆布の間にパンチカーペットを挟み、その周囲を【綾テープ】で覆って縫い合わせたら底板の完成です。

これをバックの底に取り付けるときは、
完成したバックを一旦裏返し、上記工程12で縫い合わせた時のバック底にある2カ所の縫い代(綾テープで覆ってあるところ)に手縫いで留めておく。

なお手縫いするのが面倒な場合は、バックの底面に合わせて、ただ敷いておくだけでもいい。


以上のように、両端にアクセントのある「帆布製パイピングトートバック」を作ってみました。

今回作ったバックは普段使い用にするつもりなので、使い勝手を良くするためや見た目のために、内ポケット2つと引っ掛け収納用のDカン、革のパーツや底板など色々と付けて自分なりにアレンジをしてみました。

なお、これらのオプションを何も付けない単純な構造のタイプでも、それはそれでシンプルなバックとして普通に使えます。
かえってマルシェバッグなどとして使う場合には必要の無いオプションもあるし、なによりも簡単に作れるところはいい…。


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