道具などを“整理・収納”しておく際に使われることのある「ツールロールケース」。

このロールケースには様々な形態のものがあって色んな場面で使われます。
例えば、行楽やキャンプなどにカトラリーやキッチンツールなどをもって行く際の、それらを入れておくケースとして…。
またそれ以外にも、仕事や趣味で使う際の道具などを入れておくツールケースとしてや、筆箱の代わりとしてなどと使い道も色々…。

広げた状態のツールロールケース

とにかく縦長なものが数本あった場合、これに収納しておくと整理がしやすいし後々使い易い。煩雑になりがちな道具たちもスッキリとするし、入れたものの体裁が良く見えてくる。
とにかくパッと開いた時にキレイに整列している道具やカトラリーなどを見るとなんだかテンションも上がるような気が…。

べつにキャンプに行くからとか、趣味で使う道具が沢山あるからと言って、わざわざロールケースに入れておかなくても全然いいのですが、何となくそれっぽい感じが出てくる…。 とりあえずそういう雰囲気作りも楽しみのひとつだと思う。

ということで、とりあえずは簡単に作れる構造の「ロールケース」を作ってみた。


■カトラリーの整理にも便利な「ロールケース」。

今回は、ナイフ4本・フォーク4本・スプーン4本・箸4膳が入るロールケースにします。
なお縦横の長さ・ポケットの数やその幅次第では色々な道具に対応させることは可能。

帆布と布テープの型紙
■材料

【布】… 綿の帆布(11号)。
【布テープ】… 今回は25mmの綿綾テープ。
【紐】… 1mほど。今回は綿綾テープで。

使用して汚れてくると後で洗うことになる場合もあるかもしれませんが、今回の材料である布やテープはすべて綿のものを使用しているので洗えばある程度縮むはずです…。
今回はカトラリーなどを入れるためのケースなので多少縮んでも全然平気ですが、キッチリと採寸した何かの専用ケースにする場合、もし縮むのがまずいようだったら、あらかじめ水通しをして材料を縮めておいてから断裁するといいかも…。
また、使用する布テープが化繊の場合は綿帆布との収縮率が異なるので、この場合も綿帆布は水通しをして縮めてから断裁するほうがいいかも…。
なお、両方とも化繊の場合はスルーで…。

■作り方


まず、下部を折り曲げる

.下部を三巻きにして縫います。

下部の40mmを20mm幅で2回折り曲げて三巻きにし、その折り曲げられた20mm幅の上下をコバステッチで縫います。

なお、2本のステッチのうちの内側の1本は縫い合わせ用なので絶対必要ですが、もう1本のステッチは飾り用です。
この飾りステッチはあっても無くてもどちらでも良いのですが今回は入れておくことに。
2本のコバステッチ

上下部分を内側に折り曲げる

.上下を折り曲げます。

上部を100mm幅で、下部を120mm幅で手前に折り曲げてアイロンをかけておきます。

両側の切り端をテープで覆う

.両側の切り端を布テープで覆って縫い付けます。(パイピング処理)

本体両側の切り端のほつれ止めとして…
布テープを縦半分に折り曲げ、それで本体両側の切り端部分を覆って縫い付けます。

この時、上下にはみ出す“布テープの両端”を内側に折り込ませることが可能となるよう、イラストの様にそれぞれのテープの上下には25mmずつ縫わない部分を設けます。(今回は、布テープのはみ出しが上下20mmずつとなるのでそれを折り込ませるため25mmとした。)

なお、布テープの端を内側に折り込ませた時、その部分がモサモサとしないように、本体の端の角部分を少しだけ切り欠いておきました。
本体の端部分を切り欠く様子

そして最後に、布テープの“はみ出した端部分”を内側に折り込ませて縫い付けます。
テープを折り曲げた様子
ちなみに、この布テープを折り曲げた部分は、木槌などで叩いてペッタンコに潰しておくと多少縫いやすくなります。また、仕上がりも自然になります。

再度上部を折り曲げる

.上部を折り曲げてその部分を縫います。

工程2に引き続いて、上部をもう一回100mm幅で折り曲げます。
この部分は、物を入れた時の落下防止用フラップとなります。

そして、この100mm幅のフラップ部分は布が2重となり、工程2で折り曲げた際の布の端部分は内側の奥に隠れますが、まだ断裁された時のままの切りっ放し状態なので、ほつれ防止のために折り曲げた箇所を7mm幅ほどのステッチで縫って、切りっ放しの部分を仕舞い込んでしまう処理をします。

仕切りを作る

.下部の袋状の部分に複数のポケットを作ります。

下部の袋状の部分を、縦に複数個所縫い合わせて複数のポケットを作ります。

今回は、それぞれの間隔を30mmとして17か所の仕切り部分を縫いました。
左側の部分だけは、端から150mmの所で縫い、幅140mmほどの予備のポケットにしてあります。

紐を縫い付ける

.紐を取り付けます。

カトラリーを入れたあとはロール状に丸めることになりますが、その状態をキープしておくおくための紐を縫い付けます。

今回は、「幅20mm」の綿綾テープを縦半分に折り曲げ、さらに縦にステッチを入れて縫い合わせて「幅10mm」の紐を作り、本体外面側の端部分に縫い付けました。
なお、その紐の長さは1mです。そして、両端はほつれないように折り返して縫ってあります。

以上で完成!


■使い方(ロール状に丸めて、それを閉じておくには…)

カトラリーを入れてフラップを被せたロールケース

●まず、上部のフラップが被るようにしてポケットの中にカトラリーなどを設置します。
●そのあと、本体をロール状に巻きます。

※フラップの用途は、ロール状にしてそれを逆さまにした時に、中に入れたものが落下しないように防止するためのカバーです。

ロール状に巻いた様子

●そして、ロール状に丸めた本体の外側を紐でクルクルと巻き。 最後にその紐の端を、クルクルと巻いた紐の部分に差し込んで留めておきます。


■カトラリーを入れてみた感想…

スプーンとフォークは重ねる

ナイフ4本・フォーク4本・スプーン4本・箸4膳を各ポケットに差し込んで、ロール状に巻いてみた感想としては…
スプーンとフォークは先部分の幅が広く、さらには“くの字”に曲がっているので、箸やナイフが入っている箇所と“比較”するとスムーズには巻き難く、多少ではありますがロールが太くなりがちです…。
とは言うものの、ごく一般的なスプーンやフォークである限りは全然普通に巻けはしますが…。
ともあれ、スプーンはなるべく先のカップ部分の幅が狭いものを選んで入れるといいかも。

もし、先部分が幅の広いスプーンやフォークしかなかった場合、少しでもロールを太くさせたくないのなら、スプーンとフォークはそれぞれで重ねてしまって、その持ち手(柄)部分を一つのポケットにまとめて差し込んでおく…。
そうすると、ロール状になった時に多少ではありますが小さくまとめることが出来ます。
これならさらにフリーの空ポケットも増えるし…。

但し、持ち手(柄)部分が薄いタイプで、重ねることが出来る形状のスプーンとフォークの場合です。


■アレンジも色々…。

以上、帆布を使って簡単な「ツールロールケース」を作ってみました。

今回はキャンプなどにカトラリー持っていく際にも使えるロールケースでしたが、
キッチン道具用のものを作って上部に引っ掛け機能を設けておけば、キャンプ用としてだけではなくおうち用としても使えるはずです。
その引っ掛け機能としては、例えばハトメリングを取り付けて引っ掛け穴になる部分を設けておけば、壁などに直接取り付けたフック、また、パイプなどに引っ掛けたS字フックに簡単に掛けれます。
また、その一式をそのままキャンプ先でも同じようにどこかに引っ掛けておけば、おうちと同じ感覚で使えます。

そのほかには、仕事や趣味などで道具を沢山持っている場合、その整理用としても使えます。

なお今回は、物を入れるところであるポケットの幅を30mmの等間隔にして作りましたが、入れる物に合わせてそのポケットの幅を自由に変えられるのも手作りならではです。

そして、構造や作り方は多少変わってきますが、材質を帆布ではなく穴のあきにくい厚めの皮革シートに変えて、ナイフ・彫刻刀・ハサミなどの刃物類を入れておくツールケースとしても…。


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