我が家の庭の一画がドクダミに占領されている。
植えた覚えもないのに下画像の通り。
何かの苗にでも付いてきたのだろうか…。

確かにドクダミの花は可憐でキレイである。
しかしあの何とも言えない独特な臭いは苦手だし、なによりも繁殖力が強すぎるのは問題。
野菜や果物ならどんどん増えてくれても嬉しいのだが、これはちょっと迷惑である。

庭に咲いているドクダミの花

とにかくドクダミは深い地下茎でつながっているので、よくある雑草の草むしりのように、鎌の先でちょっとだけ土を掘って根っこから草を引っこ抜くという要領ではそう簡単に駆除ができない。
もう本格的に土を掘り起こして、つながった地下茎をたどりながらすべて残らず駆除していかないといけない。
でも実際には取り残すこともあって完全駆逐はかなり難しい。

以前、スコップで掘り起こして大変な思いをしながら根っ子と地下茎を駆除してみたのですが、ほかの植物の根と絡まった所は完全に駆除することが難しく、しばらくするとそこからまたボウボウに…。

どうにかして駆逐してやろうと除草剤の使用も考えたが、近くの植物が枯れてしまうのが心配でなかなか全体的には散布が出来ない。
仮に散布をしたとしても、ほかの雑草に使う時ほどの効果はないし…。

また、繁殖力の強いミントを一緒に植えてみると良いという話も聞いたことがあったので、以前アップルミントで試してみたこともあった。
アップルミントもすぐボウボウになってしまうけど、匂いがいいのでまだましかなと思い戦わせてみたが、両方ともボウボウになってしまったので結局駆除することに…。
両方とも地下茎で繁殖するが、アップルミントの場合は意外と浅くて完全駆除は簡単。だけど相変わらずドクダミのほうだけは残ってしまった。

もうあきらめてボウボウにするか、もしくは芽が出るたびに駆除をするという作業をずっと繰り返していくか、もしくはほかの植物ごと庭の土を全部入れ替えるかしかない…。一番最初のボウボウな状態は絶対嫌だし、一番最後のパターンはほぼ無理なので、今はもう芽が出るたびに駆除をしていくしかないという感じです。

せっかくだったら、庭に咲いているというメリットを生かそうと思い、今年は画像のようにこの一画だけ駆除せずに花を咲かせ、それでドクダミの花のチンキを作ってみることにした。

以前からドクダミの花でのチンキ作りには興味があったけど、花が咲く前には刈り取ってしまうことが多かった。もし花を咲かせてしまったら、種が出来てそれからも繁殖したら困るので…。
また、作ったチンキに苦手な臭いがもし残っていたら嫌だなと思いずっと躊躇していたのもある。
なおチンキにしたら臭いは消えてしまうとは聞いたこともあったが、もし消えていなかったらおそらく使わないと思うし、そうなると使うお酒がもったいないので…。
でも今回は臭いが消えるという方に賭けてみる。

ちなみに、花やハーブのニオイは「匂い」と書くのが普通だけど、ドクダミの場合はどうしても「臭い」と書きたくなってしまう。どっちが正解なんだろう?


■高アルコールのお酒に浸けてドクダミのエキスを取り出す。

最初は花と葉っぱの2種類のチンキを作ろうかなとも思ったが、花の部分と葉っぱの部分の臭いを嗅いだら葉っぱのほうが臭いは強い。 なので今回は葉っぱのチンキは作らずに、比較的臭いの弱い花の部分だけでチンキを作ることにした。 効能や使用目的は多少異なって両方ともあったほうがいいのかもしれないが、葉っぱの臭いがもし消えていなかったらショックだし、初めてのお試しなので…。

なお、花は先の黄色い部分だけであって、花びらのような白い部分は葉に近い性質をもった総包(そうほう)と呼ばれるものらしいが、これだけは入れておく。

ドクダミのアップ画像
■材料

【どくだみの花】… 適宜
【ウオッカ】… 適宜

今回、花の量は、用意したビンの8~9割くらいの高さまで入るほどに。ウオッカの量は、ビンの中の花がひたひたに隠れるくらいの量にした。

なお、摘んだ花は、虫やゴミが付いていないかしっかりと確認し、付いていれば取り除く。

■作り方


ビンの中に入れる花

.ビンの中に花を入れる。

キレイに洗ってアルコール消毒したビンの中に花の部分を詰めていきます。

ちなみに、このあとビンにはアルコールを入れるのでアルコール消毒は必要ないかとも思いましたが、さらに度数の高い食品用アルコール(100%食品成分のタイプ)で除菌しておいた。念のためです…。

ビンにウオッカを注いでいる

.高アルコールのお酒で浸す。

チンキ剤は、エタノール(アルコールの一種)またはエタノールと精製水の混合液で作るものもあるらしいが、飲用の高アルコールなお酒でもいいらしい。
例えば、アルコール度数が35度以上のお酒であるホワイトリカーやウオッカなど…。

※なお上記のエタノールは、殺菌消毒剤などが添加された消毒用エタノール(アルコール)のことではありません。

花がウオッカでひたひたになっている

今回は、アルコール度数が40度のウオッカを用いて、花がひたひたになるまで注ぎました。

ハーバリウムのようなフタを閉めたビン

.フタを閉めて保存。

エキスがアルコールに移るまでの間、フタを閉めて涼しい暗い場所で保存します。

ちなみに、この瞬間はハーバリウムのようにキレイですが、ハーバリウムのようにキレイなのは初日だけで、2日目以降は茶色くなってきます。

ビンを軽く揺するように振る

.1日1回、ビンを軽く振る。

アルコールの中に沈みきらずにはみ出している上部の花もアルコールに浸けるため、1日に1回、ビンを軽く揺するように振る。

このようにして1週間~2週間ほど経ったら使えるようになるらしい。

2週間後の茶色くなった状態

そして2週間後…。

画像のように、総苞(そうほう)と呼ばれる白い花びらのような部分はアルコールが染みて半透明っぽい薄い茶色となり、アルコール(ウオッカ)の部分はうっすらと色付いた…。
さらに期間をおくと、アルコール部分はもっと濃い琥珀色になるらしい。
そして、琥珀色になったら花は取り出しておくようにする。その時、コーヒー用のペーパーフィルターで濾す方もいるらしい。
ちなみに、色が変わることによって成分にどんな違いが出るのかは知りません。

なお使用期限なども詳しくは分かりませんが、保存状態がよければ1年後でも使えるらしい。
だだ、水(精製水)で薄めた場合は2週間程度で使いきるようにした方がいいという話もあります。

ところで、臭いの方はと言うと。
今のところ、あの苦手なドクダミ臭はしません。
これはもしかすると、葉っぱでチンキを作ったとしてもドクダミの臭いはしないのかも…。

以上のように、アルコール(ウオッカ)とドクダミの花を使ってチンキを手作りしてみました。

使う時は、必ずパッチテストをして何も問題がないことを確認の上使用することが前提。
そして、もし体に何か異変があったら必ず病院へ。


ドクダミを刈り取った庭

今回は、何年も前から庭に生えている厄介なドクダミと高アルコールのお酒(ウオッカ)でチンキを作ってみた。
今までずっと作ろうかどうしようか迷っていましたが、作ってしまったらなんとなくスッキリ。
あとはもうドクダミは必要ないのでさっぱりとカットしてやりました。
ただ、この土の中には根っ子と地下茎がまだ隠れているし、この先またボウボウにはなるはず。
なので今度は、ほかの植物への影響も考えながら、まだ試していない石灰もしくは重曹で繁殖を制御してみようかな…。出来ると嬉しいが…。

とにかく、花がかわいいからといって安易に庭に植えると大変なことになるので、ドクダミを植える時は覚悟が必要。
そこらへんの雑草よりも生命力は断然強いです。

なお、ドクダミを栽培してみたいけど増えすぎるのはちょっと困るという場合は、プランターで試してみたらいいと思う。しかも、下がコンクリートやタイルの所に置くようにする。さらには土のところから離れた場所で…。
土の上や近くに置いておくと、何かの拍子に土に侵入する可能性もあるし…。
まあ、ボウボウが目的の場合は別ですが…。

ところでこのドクダミはチンキの他にお茶も有名だけど、食べることも出来るようである。
どうやら加熱することによってあの臭いが和らぐらしい。でも少し怖い気もする。
以前、ある用事で伺った先のおじいちゃんから、これ体にいいよと、言われて自家製のドクダミ茶を出された時はちょっと厳しかったので…。
良かれと思って出して頂いているので、残すのは失礼だと思いその場では全部飲み干しましたが、その空になった湯飲みにおかわりを注がれたときにはもう目が点になってしまいました。


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