何かの“行事ごと”になると いつも実家では母お手製のおはぎが出てきていた…。まわりのあんこがほっくりとした手作りらしい素朴な感じで、子供のころからよく食べていた まさにおふくろの味です…。
とは言っても実際には結構手伝わされていたが…。
そればかりか今でも「作ろうと思うんだけど…。」と、助手募集中ということを何となく匂わせたお呼び出しの電話がかかってくることがある…。しかも そこそこ頻繁に…。とにかくあんこが好きらしく、これといった行事がなくても一年中なにかしらの“あんこもの”を作っているので…。
ともあれ今回は、おはぎではなくほかのお菓子を作るためにあんこを必要とするが、せっかくだったらということで久しぶりに自宅でも手作りすることにした。
市販の缶詰や袋詰などでも全然いいが、やはり手作りは一味違う…。また自分であんこを作れば好みの甘さに調整も出来るし…。
■手作りあんこ(粒あん)のレシピ
甘さ控えめで小豆の旨味が感じられ、ほっくりとした食感が楽しめる素朴なあんこです。
なお今回、あまり大量には要らないので、材料は少なめにしておきました。だだしこれでもあんこになったら450~500gほどは出来ます。
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【小豆】… 150g
【砂糖】… 110g
【塩】… 1g
【水】… 下記にて
【砂糖】この量はお好みで…。
一般的には〔小豆100に対して砂糖も100〕と、同じグラム数にすることが多いが、今回は甘さチョットひかえめの砂糖73%ほどにする。もっと少ない50%ぐらいでもいいとは思うが砂糖が少ないと多少日持ちは悪くなる。
もちろん甘好きの場合は逆に砂糖多めでも良いとは思う。まあその用途にもよるかな…。
【塩】味をしめるために少々入れる。今回は1gにしたが、こちらもお好みの量で。
■作り方
1.小豆を水で洗う。
小豆は水でサッと洗うだけでOK。長く浸水させておく必要はない。
2.あく抜きをします。
小豆のあくを抜きます。(一般的には渋切りというらしい…。なお、あえてしない場合もあるらしい。)
●その方法。
鍋にたっぷりの水と小豆を入れて火にかけ、沸騰したら火を止めて10~20分間放置し、そのあとザルにあけて煮汁を捨てる。
3.水からゆっくりと煮ます。
豆を鍋に戻し、水750ml程を加えて強火にかける。
沸騰してきたらフタをして弱火で煮ていきます。
この時、豆が軽く踊るくらいの火加減が丁度良い。
ちなみに実家では、冬だったら石油ストーブにのせて小豆や金時豆を煮ていました。これだと絶妙な火加減でふっくらです…。
4.豆の硬さを確認します。
40分ほど煮たら豆の硬さを確認します。
その方法は、色んな場所から何粒か取り出し、芯まで軟らかくなっているかを指で潰してみます。また食べてみるのも確実ですね!
軟らかくなっていたらOK。硬ければさらに煮ていきます。5~10分ごとくらいに確認しながら軟らかくなるまで続けます。
豆の品種が違ったり、新豆か古い豆かでも煮あがりの時間は変わってきます。新豆だと早く軟らかくなります。煮る時間は大体40分~1時間30分ほどを目安にしたらいいかも。
とはいえ、以前産直で買って、2時間以上煮ても全然軟らかくならない豆もあったが…。
なお、豆が軟らかくならない場合は煮る時間を長くすることになりますが、その場合は煮汁が少なくなってしまいます。また、煮る時間が短くても火加減によっては早く煮汁が減ってしまいます。
なので、途中で中を確認して煮汁が少なくなっている場合はお湯を追加することが必要。
とにかく“豆が水面から出ない”ように…。
5.火を止めて蒸らします。
豆が軟らかくなったら火を止めて30分以上蒸らします。蒸らすことで煮えムラをなくします。
※ちなみに砂糖を入れてしまうと、そのあと豆を軟らかくするのは難しくなってしまいます。
なので砂糖を入れる前には、全体が芯まで十分に軟らかくなっていることが大事です。
とにかく、工程4の[煮上がり具合の確認]と、工程5の[蒸らし]を確実にすることはマスト…。
6.豆がヒタヒタになるまで煮汁を減らします。
砂糖を加える前に、豆がヒタヒタな位になるほどまで煮汁を減らします。
今回はお玉ですくって減らしました。なおその煮汁は、このあと煮詰め過ぎて硬くなってしまった場合の“ゆるく戻す用”に使えるかもしれないので最後まで取っておくといいかも…。
そのあとは捨ててもいいし飲んでもいい。
7.砂糖を加えて煮詰める。
砂糖を加えたら蓋をせずに弱めの中火で煮詰めていきます。このとき、材料が鍋底にこびり付かないようにヘラで底からすくうようにして混ぜながら…。
なお、最初のうちは煮汁が減るのにある程度の時間がかかりますが、少しトロッとしてきたかなと思ったらあっという間に硬くなり始めますので目を離さず集中。
8.塩を加えてから火を止めます。
作りたいあんこの硬さよりも“ゆるい”かなというくらいまでトロッとしてきたら塩を加え、軽く全体を混ぜたあと火を止めます。
とにかく冷めると硬くなるので軟らかめにしたい場合は水分が多めの時点で火を止めます。思ったよりもゆる過ぎるくらいで大丈夫なほどです。
なお、ちょっと煮詰め過ぎたかなと思ったら、上記の工程6ですくっておいた煮汁を戻して調整。
ちなみにですが、画像の煮詰め具合ではちょっと硬めに仕上がります…。(仕上がりは下の画像参照。)
火を止めたあと、常温で冷ましたら完成です。
出来上がったあんこはバットなどに移して広げた状態で冷やすパターンもあるようですが、うちでは鍋に入れたままフタを外して冷ましています…。自宅で消費する分ですし、鍋のままで冷ましても普通に美味しいので…。
ちなみに、フタを外して冷ました場合と閉めたまま冷ました場合とでは、フタを外しておいたほうが水分(蒸気)が飛んで硬めになりがちです。
なのでちょっとゆるすぎたかな?という場合でも冷めてしまえば全然大丈夫ということもありますし、逆に丁度にしたつもりがちょっと硬めになってしまったということもあります。
さらに、冷めると糖分の粘りも増すのでその分でも硬くはなります。
粗熱が取れたら清潔な密閉容器に移し冷蔵庫で保存します。
なお、今回は約470gのあんこが出来ました。
大体450~500gほどの予定だったのでまあこんなもんでしょう…。
この仕上がりの量は、水分の飛ばし具合(煮詰め具合)によって変わります。もちろん450gの場合は硬めで500gの場合は軟らかめに…。
消費期限に関しては…
自家製の場合、保存料などの添加物が入っていないので2~3日以内がいいと思う。
特に小豆100に対して糖分を50以下にした場合は、作った当日中に頂くようにしたほうがいいらしい。
長く保存しておきたいという場合は、チャック付きのポリ袋などに入れて冷凍しておくと2~3カ月くらいは大丈夫だと思う。
以上、自家製あんこ(粒あん)のレシピでした。
今回は、水ようかんを作ろうかと思ってあんこを手作りしたのですが、例えばフルーツコンポートに添える。キューブ状に凍らせて牛乳をかける。ぜんざいを作ったり、おはぎ、小倉アイス、あんバタートーストにしたり、そのほかにも挙げたらきりがないくらいあんこには使い道がある。
また、あんこには食物繊維が多く含まれておりヘルシーなのがうれしい…。ただ砂糖も入っているので食べ過ぎ厳禁だとは思いますが…。