子供のころよく飲んでいた、あの“白い乳酸菌飲料”
氷を入れたグラスに原液と水を注ぎ、ストローでかき混ぜた時のあの“カランコロン”という音を思い出すだけでなんとなく懐かしさを感じてしまう…。

出来上がった自家製カルピス

普通に水でのばしても美味しいし、お湯でのばしてHOTにしても美味しい。炭酸水でのばせばすっきりとした飲み口の○○○○ソーダに…。
さらにお好みで牛乳を混ぜてもいいし、コーラやジュースなどと割ってもいい。
また昔は、よくかき氷のシロップとして使ったり、製氷皿で凍らせてキューブ形のシャーベットなどを作ったりもした。

とにかく色々とアレンジの利く、すごくメジャーな国民的飲み物である。

今回はその白い乳酸菌飲料“風”の原液を「2通り」のレシピで再現してみる。


■1つ目は、乳酸を使って作る「乳酸飲料」。

色々なレシピを参考にしてちょっとずつアレンジしながら作ってみた。
作り過ぎて余らすのも嫌なので今回は少な目に…。
なおこの1つ目のタイプは、菌が入っていないので乳酸飲料となります。

並べた材料たち
■材料(グラスに4~5杯分)

【牛乳】… 100ml
【砂糖】… 165g(グラニュー糖)
【レモン果汁】… 11ml
【乳酸(食品添加物)】… 3g

【砂糖】今回はグラニュー糖を使ったが上白糖でも良い。但し完成したものの甘さが多少違うかも。
【乳酸】乳酸の味を知らないとレシピのバランスをとることが出来ないので、まずその透明な原液を水だけでのばして舐めてみた…。
のばし方次第ではあるが結構酸っぱい。原液をそのまま舐めるのはちょっとやばそう(危険)な感じ。

■作り方


砂糖と牛乳を混ぜ合わせる

.牛乳と砂糖を混ぜる。

ここでしっかりと混ぜてある程度砂糖を溶かしておくと、このあとの作業がスムーズ。

湯煎で砂糖を溶かす

.湯煎で温めて砂糖を溶かす。

湯煎で温め、ヘラなどで回しながら砂糖を溶かす。この時、材料が70℃以上にならないように。

材料の量が多いと直火でもいいのかもしれないが、今回は材料の量がすごく少ないので湯煎にした…。

湯煎にした理由…
材料が少ないと温度の管理がしにくそうだし、あっという間に沸騰してしまいそうだったので。
また、直火にすると、鍋肌に付着した糖分が焦げそうで嫌だし…。

温度計で70℃を確認する

.材料の温度が70℃になったら、お湯(火)から外す。

最高温度を70℃までにする理由は、牛乳のタンパク質が凝固しないように。なのかな?…。

45℃まで冷ます

.45℃まで冷ます。

今回、70℃から45℃に下がるまで約30分ほどかかりました。
※室温26度のテーブルの上で、鍋敷きを下に敷いてそのまま放置しておいた場合。

なお、長い時間ずっと温度計を持っているのは大変なので、何かに立てかけておくといいかも。
ここではビーカーの注ぎ口のへこみに温度計が引っかかるようにして斜めに立てかけておいた。

乳酸とレモン果汁を入れる

.45℃まで下がったら、乳酸とレモン果汁を加える。

45℃まで下げて混ぜる理由は…
“乳酸菌”の場合は、菌が死なないようにするためであったり、また、丁度いい生育温度であったりするのかもしれないが、“乳酸”の場合はどうなんだろう?。
とにかく調べたレシピ通りにやってみた。何か理由があるはずなので…。

※ちなみに、このあとに作る2つ目のタイプの材料には“乳酸”の代わりに“乳酸菌の入ったホエイ”を使うので、その乳酸菌を生かすためには この45℃まで下げるということは必須だとは思う。
なお、そのほかにも色々な理由があるとは思う。
下記の項にてその内の一つを説明。
ホエイを加える時、液を45℃まで下げる理由は…

混ぜ合わせたら完成

.よくかき混ぜたら完成。

通常、牛乳にレモン果汁を加えてかき混ぜたら分離すると思うが、ここではいっさいしなかった…。
これは、45℃という温度のおかげなのか、大量に砂糖が入っているからなのかわからないが、まったく分離する気配がない。とりあえずよかった。

密閉瓶で保存する

混ぜ終えたら、蓋付の密閉ビンに入れて常温まで冷まし、そのあと冷蔵庫で保存する。
なお、混ぜ終えたあとすぐに飲んでも美味しい。

ちなみにですが、出来上がってすぐを頂いても美味しかったが、それよりも1日経ってからの方が味が落ち着いて美味しくなっていた?ような気がする。
それは上記での70℃や45℃という温度が関係しているのか?それともただ馴染んだだけなのか?…。詳しくはわからない…。

氷と原液を入れたグラスに水を注ぐ

飲むときは水や炭酸水などで薄めます。
今回はグラニュー糖を用いたものしか作っていないので上白糖を用いた場合の甘さ具合はわからないですが、このグラニュー糖を用いた原液の場合は4~5倍に薄めると丁度良い…。
まあ、これは好みですが…。


■2つ目は、ヨーグルトのホエイを利用して作る「乳酸菌飲料」。

上記で作った1つ目のタイプは乳酸飲料。この2つ目のタイプは乳酸“菌”飲料。そして食品添加物不使用。

このタイプのレシピではヨーグルトをそのまま入れるパターンも多いが、それだとほぼ「ラッシー」。
今回はその「ラッシー感」をなくしたいのでヨーグルトから絞りだした「ホエイ」だけを使います。
面倒だけどこれでヨーグルト臭はかなり感じなくなる。
なお、残った固形分は水切りヨーグルトとしてクリームチーズのように美味しくいただけます。

2つ目のレシピの材料
■材料(グラスに4~5杯分)

【牛乳】… 70ml
【砂糖】… 165g(グラニュー糖)
【レモン果汁】… 40ml
【ホエイ】… 40ml

【ホエイ】[40ml]必要な場合は[約66gのヨーグルト]を絞るとよい。※但し、ヨーグルトの種類や、絞り方にもよる。

■作り方


「乳酸」の代わりに「ホエイ」を入れる点と、材料の分量が多少違う以外は、作業も手順もまったく上記と同じです。

「ホエイ」はヨーグルトを絞って作りますが、その絞り方は以下の通り。

●ホエイの絞り方…
材料を並べた上記画像の中にあるように、ペーパーフィルターをセットしたドリッパーを適当な容器の上に置き、そのペーパーフィルターの中にヨーグルトを入れるだけ。

そして、よりしっかりと絞りたいときは…
ある程度絞れてヨーグルトの量が減ったら、ペーパーフィルターの上部を内側に折り畳んで、画像の中にあるようにその上に重しをのせておくとよい。
今回使った重しは画像のように適当なジャム瓶に水を入れたもの。

●試しにヨーグルトを100g絞ってみた…
そこから取れたホエイの量は63.5gで、ヨーグルトの固形分は31.5g。そして5gほどのホエイがペーパーフィルターに吸収された…。(今回使用したペーパーフィルターはコーヒー4杯用のサイズ。)
つまり【40gのホエイ】が必要な場合は【約66gのヨーグルト】を絞るとよいということ。
※但し最後に、重しの上からさらに手でギューッと押して固く絞った場合です。軽く絞った場合はもう少しヨーグルトは必要のはず。
※また、このホエイの量は、ヨーグルトの種類にもよるとは思う。


■ホエイを加える時、液を45℃まで下げる理由は…

分離した液

理由はいくつかあるはず。
下記はあくまでその内の一つだとは思うがとりあえず説明すると。
例えばこの画像は、ホエイを使っていくつかの作り方を試した時のこと…。

まず、液がまだ70℃の熱い時にホエイを加えても出来ることは出来る。そして普通に美味しいです。
ただ、作った当日は全然大丈夫だが、1~2日経ったあたりから分離し始めてきた。
●右側が「70℃」の時に加えたもの。
一旦ビンを振って元に戻しても、しばらく経つとすぐに分離してしまう。
●左側が「45℃」まで下げてから加えたもの。
この場合だと6日経っても一切分離しなかった。

以上のような結果に…。
なお前記のものは、分離はしたけれど捨てるのがモッタイナイのでこのあと振って飲んでしまいました。味は普通に美味しかったです。まあこれはあくまでも自己責任で…。


■エッセンスは入れたほうが良いのか?

バニラエッセンスを試してみる

色々と調べたら、エッセンス少々と書いてあるレシピもあった。
だがエッセンスと言っても色々とある。
このエッセンスとは何風味のことなんだろう…。

パッとすぐに思い浮かぶのはバニラだが、今までよく飲んでいた乳酸菌飲料にはその風味を感じたことはないような気がする。ひょっとするとうまい具合いに馴染んでいて気付かなかっただけなのか?

バニラのほかには調べてみるとフルーツ系だけでも十数種類とある。そのほかにはナッツ類なども…。

とにかくエッセンス少々と書いてあるだけなので“お好みの風味をどうぞ”ということなのかもしれないが、目指すはあの味。あの味は1つしかない…。

とりあえず試しにとバニラエッセンスを入れてみることにした。ただし原液のほうにではなく、飲むために水で4倍にのばしたほうに入れる。せっかく作った原液が全滅すると嫌なので…。
そのバニラエッセンスにしても、濃過ぎないように水20㏄ほどに1滴だけを入れて薄~くのばし、さらにそれをスプーンでちょっと入れてみただけ…。
そして飲んでみた…。あれとは程遠いものになってしまった。やはりバニラではないような気がする。
でも別の飲み物としては全然おいしかったが…。

結局、色々な種類を買うのもモッタイナイし今回はエッセンスを入れないことにした。
と言うか、入れなくても全然美味しいので…。
ひょっとしてレモン果汁の風味がエッセンス代わりになっているのかな…。

もし酸味料として使用するものが今回のレモンではなくクエン酸だった場合には、なにかフルーツ系のエッセンスが必要だったのかもしれない。


■レモンではなくクエン酸を使う場合、その量は?

レモンとボトルに入ったクエン酸

色々調べると、レモンに入っているクエン酸の割合は4~8%らしい。中でも多く書かれていたのは6%程という割合。
つまり、平均的なレモン100gの中にはクエン酸が大体6g前後入っているということになる。

●それぞれのクエン酸量を同等に表したら…
【クエン酸1g】=【レモン汁約16.6g】となる。
つまり、レモン汁が大さじ1とチョット。
まあ、レモンの品種や個体によってクエン酸の含有量が異なることもあるし、スプーンで量る時の表面張力等々も関係してくるので、深く考えないならば
【クエン酸1g=レモン汁大さじ1(15g)】にしてもいいかもしれない。
※基本的にレモン汁の比重は約1.0。


以上のように「白い乳酸菌飲料」風の原液を2通りの方法で手作りしてみた…。
飲んだ感想は…。 もうあの“白い乳酸菌飲料”にそっくり!?くらいに感じる。知らずに出されたら何%かの方は気付かないかもしれない…。
そのあと本家と飲み比べてみたら…やっぱり違う。ということであくまでも“それ風”である。
なお、1つ目に作ったものと2つ目に作ったものとを飲み比べるとこれも味は違う。2通りの内のどちらが美味しかは好みの問題。とにかくどちらも美味しいことは確か。

消費期限に関しては…
牛乳が入っているので早めに消費したほうが良いような気もするし、大量に砂糖が入っているので多少は日持ちするような気もする。
詳しくはわからないが、自家製なのでなるべく早く消費したほうが安心ではあると思う…。
とにかくその場の状況に合わせて、5~6日の内に飲み切れる量だけを作ったほうがいいのかも…。
また、作る時の器具や保存用のビンなどは、きれいに洗ってなるべく熱湯やアルコールなどで消毒したものを使う。それらが汚れていると作ったものの腐敗が早まると思うので…。

ともあれ、乳酸菌飲料好きの自分としては、このような飲み物が自宅でも手作り出来るという事はちょっとうれしい…。
例えば「カルピスウオーター」や「濃いめのカルピス」、また乳酸菌飲料の仲間でいえば「ヤクルト」や「マミー」、そのほかにも色々と種類はあるが、気が付けばそのような乳酸味の飲み物をカゴに入れていることがよくあるくらいなので…。
まあ今回手作りした自家製の乳酸菌飲料と市販のそれらとは機能などが違うとは思うけど、味や雰囲気だけでも再現出来ているのでこれはこれで全然ありでした…。


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