全粒粉とは、小麦の胚乳(この部分だけだと白い小麦粉になる)・表皮・胚芽を丸ごと挽いて粉にした小麦粉の一種。 お米で例えると、白米にする前の玄米の状態のような感じなのかな?…。
まあ、成分とか効果とか詳しく分かりませんが、いずれにしてもミネラルや食物繊維が多く含まれるなどヘルシーなイメージはあると思います。

今回はその全粒粉を使ってクラッカーを手作りしてみることに…。

まずは「プレーンタイプ」。
どことなく煎り大豆のような・きなこのような・何かのナッツのような香ばしい風味があり、その素朴な味わいがあとを引きます。
次に「アレンジバージョン(味付きタイプ)」。
とりあえずは「ドライトマト&バジル」と「胡椒&粉チーズ」の2種類。
以上の合計3種類ですが、いずれも結構簡単です。


■まず、全粒粉の特徴を確認してみた。

2種類のクラッカー

まず、全粒粉の特徴を確認するために、使用する小麦粉が「全粒粉100%」と「薄力粉100%」である2種類のクラッカーを作って食べ比べをしてみた。

●味の違い
「全粒粉100%」… 香ばしい風味がある。
「薄力粉100%」… 普通に美味しい。

●食感の違い
「全粒粉100%」… 比較的硬い。
「薄力粉100%」… 比較的サクサクしている。舌触りが滑らか。

●見た目の違い
とりあえず、画像の通り。
色の濃い左側の方が「全粒粉100%」
色の薄い右側の方が「薄力粉100%」

以上のことを鑑みて作ってみた。


■それでは、「プレーンタイプ」の全粒粉クラッカーを作ります。

全粒粉のクラッカーは、小麦の表皮・胚芽による香ばしさが特徴です。
ただし、今回作るのは全粒粉100%ではありません。歯切れや口当たりを良くするため、小麦粉(薄力粉)にミックスして作るバージョンにしてあります。

材料の小麦粉とオイルと豆乳と塩
■材料 25枚分(40mm角ほどの場合)

【全粒粉】… 50g
【薄力粉】… 100g
【オリーブオイル】… 40g
【豆乳】… 35g
【塩】… 2g

【薄力粉】のところを、強力粉にしたパターンでも作ってみた…。あまり極端な違いはなかったが薄力粉の方が微妙に食べやすい。

【オリーブオイル】は、今回ピュアを使用。
ここは、他の植物油を使っても大丈夫だと思う…。
試しに菜種油でも作ってみたが、それはそれで美味しかった。しかし微妙に天ぷら風味が…。でもそれが美味しいところでもあるが…。
なお、ヘルシーにしようと思い、オイルの量を少なくして水(豆乳)の量を増やすパターンでも作ってみたが、カッチカチになってしまった。どうやらオイルの少なすぎはNGなよう。

【豆乳】のところは、でもよい。
ちなみに、水と豆乳の2通りを作ってみたが、豆乳を使った場合、香ばしさがほんの少しアップするような気がします。
また、作ってはいませんがここは牛乳を使っても良いかもしれません。

【その他】上記の材料に【べーキングパウダー】を加えると、どれくらいサクサク感がアップするのかも試してみた。【加えた量は1g】。
その結果、微妙に食感は変化しましたが、意識を集中して食べ比べないと判らないレベル。
おそらく加える量が足りなかったのかもしれない。
今回は色々なパターンを作り過ぎて、クラッカーだらけになってきたのでもう止めておいたが、4gほど入れればあきらかに判るレベルになる?のかも…。

■作り方


小麦粉をふるいにかけている

.ストレーナーに全粒粉と薄力粉を一緒に入れ、ふるいながらボウルに落とします。

※ストレーナー(粉ふるい・ザル等)

塩とオリーブオイルを加えているところ

.「塩」を加えて軽く混ぜ、そのあと「オリーブオイル」を加えます。

※プレーンタイプの場合は、この工程のあと普通に[工程3]へ進む。

※アレンジバージョン(味付きタイプ)の場合は、この工程で[味付け用材料]を加える。
そのタイミングは「塩を加えて軽く混ぜたあと」。
そして[味付け用材料]を加えたら再び軽く混ぜ合わせ、そのあとで「オリーブオイル」を加えます。
それから[工程3]へ進む。

オリーブオイルと小麦粉を混ぜている

.スケッパーや手を使って”そぼろ状”になるように混ぜます。

なお、混ぜる時は絶対に練らないこと、あくまでもザックリと混ぜて、ポロポロと”そぼろ状”になるようにします。

豆乳を加えて混ぜている

.「豆乳」を加え、スケッパーなどで混ぜます。

ここでも絶対に練らないこと、あくまでもザックリと…。

オーブンシートの折り曲げ方

.オーブンペーパーをカットして、任意のサイズに折りたたんでおきます。

このあと、生地をシート状に延ばし広げる作業になるのですが、その前に、オーブンペーパーをカットして任意のサイズに折りたたんでおきます。

今回は…
. 300mm幅のオーブンペーパーを、長さ550mmにカット。
2・3. 真ん中の部分が220mmとなるように両端を内側に折りたたむ。
. 真ん中の部分が220mmとなるように上下の端を内側に折りたたむ。

この“220mm×220mm”サイズに折りたたんだオーブンペーパーの中で生地を延ばすと、大体3.5mm~4mm厚ほどの生地になります。(このあと焼いたら大体6mm厚前後に膨らむ。)
但し、上記の材料で、記されている量の場合です。

つまり、もっと生地を厚くしたい場合は、折りたたむ面積(220mm×220mm)を小さくすればよいし、薄くしたい場合は大きくする。
または、面積はそのままで材料の量を上下させる。

なお、幅300mmのオーブンペーパーが無い場合は、幅の狭いものを用い“240mm×200mm”もしくは“320mm×150mm”などに折りたたんでも上記と近い面積とはなる。

オーブンシートを広げて材料をのせる

.生地をオーブンペーパーで包みます。

折りたたんだオーブンペーパーを広げてその真ん中に生地をのせ、再びオーブンペーパーを元通りに折りたたんで生地を包み込みます。

材料をめん棒で延ばしている

.オーブンペーパーで包んだまま生地を延ばします。

まず最初は、めん棒で押しながら(転がさないで)ある程度生地を延ばします。
多少薄くなったら、折り曲げたオーブンペーパーの端部分が下になるように裏返します。
そして、めん棒をコロコロと転がしながらオーブンペーパーの隅々まで生地を均一に行き渡らせます。
そうすると、大体3.5mm~4mm厚ほどの生地になっているはずです。

シート状の材料を4層にする

.生地を折りたたんで層にし、再度延ばします。

全体を均一に延ばしたらオーブンペーパーを開き、スケッパーなどで生地が4等分になるよう十字に切り目を入れ、その切り目で折りたたんで生地を4層に重ねます。
そして、その4層の生地を再度オーブンペーパーに包んで[工程7]を繰り返します。

この「重ねて、延ばす」作業は、このあとさらにもう1回行い、合計2回行います。
([工程7]も含めると延ばす作業は合計3回。)
すると焼き上げた時にサクサクになります。

材料をカットしてフォークで穴をあける

.生地をカットし、フォークなどで穴をあけます。

生地を延ばす作業が終了したら、好みの形状・サイズにカットし、それぞれにフォークなどを刺して穴をあけてゆきます。

なお、今回は縦横を5等分して25枚の正方形にカットしました。1枚当たり44㎜角となりますが、焼いたら40㎜角ほどに縮みます。

※ちなみに、カットの方法によって仕上がりの形状が異なります。ページ下部にて説明していますので好みに合わせたカットの方法を…。
●カットの方法は↓
“クラッカーっぽい”カットの方法 の項にて…。

オーブンで焼く前と焼いた後

10.170℃に予熱したオーブンで20~25分ほど焼きます。

まず焼く前には、オーブンペーパーの邪魔な部分はカットしておきます。そして、オーブンペーパーを広げた状態のままトレイの上にセットします。

あとは、170℃に予熱したオーブンで20~25分焼きます。

ちなみに今回は、焼け具合を均一にするために、15分ほど経過したところで一度オーブンから取り出して方向転換しました。
なお、オーブンの機種によっては焼け方に違いがあると思うので、焼き過ぎにならないように注意。

ケーキクーラーの上で冷却中

冷まして完成です。

オーブントレイの熱で追い焼けしないように、オーブントレイからおろして冷まします。


■次に、「アレンジバージョン(味付きタイプ)」を作る。

何かの味が付いているタイプのクラッカーも美味しそうだったのでいくつか書き出してみた。
「スパイス各種」「ハーブ各種」「コンソメ」「ガーリック&唐辛子」「カリカリベーコン」「カレー粉」「ごま」「ドライ野菜各種」「ドライフルーツ各種」その他色々。
全部作ってみたかったが、クラッカーだらけになるのも嫌なので、とりあえず「ドライトマト&バジル」と「胡椒&粉チーズ」の2種類だけを作ることに…。

ドライトマト&バジルクラッカー
■「ドライトマト&バジル」材料

【全粒粉】… 50g
【薄力粉】… 100g
【オリーブオイル】… 40g
【豆乳】… 35g
【塩】… 2g
[味付け用材料]
【セミドライトマト】… 15g
【ドライバジル】… 0.5g

【ドライトマト】は細かくカットしておく。
なお、セミドライトマトの場合はそのままカット。
カチカチのドライトマトは水で戻してからカット。

ちなみに、ドライトマトの作り方は↓
自家製の「ドライトマト」と、その「オイル漬け」まで!

胡椒&粉チーズクラッカー
■「胡椒&粉チーズ」材料

【全粒粉】… 50g
【薄力粉】… 100g
【オリーブオイル】… 40g
【豆乳】… 35g
【塩】… 1g
[味付け用材料]
【胡椒】… 4g
【粉チーズ】… 8g

【塩】は、少なめの1gにしてあります。粉チーズには塩分が入っているので…。

■作り方


この「アレンジバージョン」は、2種類共[味付け用材料]を加えるところ以外はほぼ上記のプレーンタイプと同じ作り方です。

味付け用の材料を混ぜた様子

[味付け用材料]を加えるタイミング。

上記のプレーンタイプの手順にあてはめると、
[工程2]の“塩を加えて軽く混ぜた直後”です。
そこで[味付け用材料]である「ドライトマト・バジル」もしくは「胡椒・粉チーズ」を加えて軽く混ぜ合わせ、そのあと“オイルを加えます”。
そして[工程3][工程4]と進んでザックリと混ぜ合わせます。

その他の手順は「プレーンタイプ」の項を参照。

※具材を入れた場合の、焼くときの注意点。
ドライトマトは焦げ易いので、ドライトマトが表面に出ている場合は要注意。
オーブン庫内の様子を見て、焦げそうな感じがしたらアルミホイルを被せます。
今回は心配だったので、焼き始めてから15分ほど経ったあたりで被せました。

なお、作ったことがないので何とも言えないが、他の「ドライ野菜」でも、表面に出ている場合は要注意のものがあるような気がする。
おそらく「ドライフルーツ」や「カリカリベーコン」なども…。
とにかく具材系は、生地の中に隠れている場合は大丈夫だけど、表面に出ている場合は要注意かも…。


■“クラッカーっぽい”カットの方法。

クラッカーのイメージはお菓子メーカーなどによっても異なると思います。
薄~い座布団のような形状のものや、4辺がバッサリと角々になっているものまで色々とあります。

カットの仕方による形の違い

普通に包丁でカットすると4辺がバッサリと角々となりますし、今回の方法(下記にて説明)でカットすると、大手メーカーの市販のクラッカーによくあるような薄~い座布団のような形状に仕上がります。

●画像左側が、今回の方法でカットしてから焼いたもので、薄~い座布団のような形状。

●画像右側が、包丁でカットしてから焼いたもの。
この場合、ギザギザチョッパー(波刃)でカットしても良いし、クッキーの抜型で抜いても良いと思う。ただ今回の方法(下記)ではその道具は使えない。
なお、細長いスティック状にするときは、包丁でカットするこちらのほうが向いていると思う。

カットする方法

“薄~い座布団のような形状”に仕上げる方法は… 。

『オーブンシートの上から押し切りします。』

生地を薄く伸ばしたあと、オーブンシートが被さった状態のままスケッパーなどで押し切りします。
最後までギュ~ッと押し付けると、完全に切り離された状態となりますし。
7~8分押さえだと、板チョコの様に全部つながった1枚の板状のままで焼き上がり、頂くときにポキポキと折って切り離すタイプとなります。

なお、押し切りするときは包丁・ナイフなどは使わないで、スケッパーなどの刃の無い薄い板状のものを使う。
まあ包丁を使ったとしても、前後にスライドさせないようにゆっくりと押さえれば出来なくはないかも??しれませんが、かなり慎重さは必要かと…。
でも、超切れる包丁だとおそらく無理かな…。

とにかく、オーブンシートまでカットしてしまわないということです。


以上、自家製クラッカーのレシピでした。

クラッカーといえば、上に具材をのせてカナッペにしたり、何かにディップする食べ方もありますが、ほどよく塩味の効いたプレーンタイプをそのまま食べるのも全然美味しいですよね…。
特に、今回作った全粒粉の入ったものは、小麦の表皮・胚芽による香ばしさがあとを引きます。

とにかくクラッカーは、パンやクッキーを作るよりも簡単で手軽に作れるのがいいですね。
また、“仕上がりの見た目”的には、手作りならではの野暮ったさや素朴感のあるところも魅力です。

なお、今回は「ドライトマト&バジル」と「胡椒&粉チーズ」の2種類のアレンジクラッカーを作ってみましたが、このほかの色々な味付きクラッカーも興味があるのでいずれ挑戦してみたいと思う。
このように、自由に自分好みの味に出来るのも手作りならではですね…。


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