野菜や果物には色々な保存方法がある。要冷蔵の場合もあれば冷蔵しなくても大丈夫な場合も…。

例えば玉ねぎやニンニクなどはカットされてない皮付きのままだと冷蔵しなくても大丈夫な野菜…。
ただし湿気が多いとカビてしまうので風通しの良い環境で保存する必要が…。
その場合、皮を付けた丸のまま紐で縛って日陰で吊るしておくという昔ながらの方法がある。
また、そのように縛っておくのが面倒な場合は、カゴやメッシュバックを「ベジタブルストッカー」として用いて、その中に入れておく方法もある…。

自分の場合、玉ねぎは和食でも洋食でもしょっちゅう使うので常にストックしているが、どうせならおしゃれにストックしておきたい…。

ということで今回は、野菜を吊るして見せるタイプの「ベジタブルストッカー」を作ってみた。

これに入れておけば野菜をキッチンなどに吊るしておいても絵になるし…。


■マクラメ紐でネットタイプの「ベジタブルストッカー」を作ってみる。

この手のベジタブル(野菜)ストッカーには様々な呼び方がある、例えばハンギングバッグ・メッシュバック・玉ねぎストックホルダー・ストレージバッグ・その他にも色々とある。

2種類の太さのマクラメ紐
■材料

【紐】… 太さ3mm程/長さ2m程、が4本

紐(ひも)の種類としては切れにくくて結び目のほどけにくいものなら何でもよい。“マクラメ紐”として販売されているものならば間違いないはず。
そのほかには“綿の組紐”でもいいし、比較的安価で手に入る“梱包用の麻紐”を使ってもナチュラルな感じがしていいと思う…。
とにかく自分の好みのもので…。
とりあえず今回はマクラメ用の綿のものを使う。
※マクラメとは手芸の一種。主に手で結んだり編んだりして色々な模様や装飾を作る技法。

まずこのあとすぐに、太さ3mmのマクラメ紐を4本使うタイプを作りますが、
そのアレンジとして、紐を細くして本数を増やし小さい網目のバックを作るのも楽しい…。
下の方にて「アレンジ No1・No2」として紹介

■作り方


4本の紐ををまとめるための丸四つ編み

.4本の紐を束ね、その中心部分を編み込んでまとめる。

画像のように「止め結び」→「四つ編み」→「止め結び」の順で、束ねた紐の中心部分をまとめる。
なお、この一連の作業部分は、紐の長さ全体(2m)のちょうど中心に位置するように作る。

この一連の「止め結び・四つ編み・止め結び」の部分は、紐の長さ(2m)のちょうど中心に出来ることが理想ではありますが、仮にキッチリと中心に作ることが出来なかったとしても大丈夫です。
最後に(下記の工程4にて)端の部分をカットして長さを揃えればよいだけなので…。ただし、カットした誤差の分は短くなりますが…。
もし短くなるのが嫌ならば最初から少し長くしておくと良いかも…。

丸四つ編みを進めていった結果の縮む様子

●上記一連の作業を、さらに詳しく…

ここでは、「四つ編み」の長さを“約10cm”にしてその前後に「止め結び」をした場合、その一連の作業部分を、紐の長さ全体(2m)のほぼ中心に位置させるようにするための説明です。
なお、四つ編みの種類は「丸四つ編み」です。

 まず4本を束ね、その長さ全体(2m)の中心から8cmの箇所(イ)に当りをつける。

 その(イ)が端となるように「止め結び」を作る。

 そして、その「止め結び」から長さ10cmほどの「四つ編み」を開始。

 最後に「四つ編み」がほどけないよう、その後ろに「止め結び」を作る。
以上の結果、8cm+8cmで16cmだった(ア)(イ)間の長さは、最終的に12cmくらいとなり、大体ではありますが一連の作業部分は紐の長さ全体(2m)の中心に位置することとなります。

※但し、紐の種類や太さによっては変わります。
例えば紐の種類が同じ場合だと、紐が太くなれば8cmの部分は多少長くしたほうがいいし、細くなれば多少短くしたほうがいい…。

丸四つ編みを作る順番

●丸四つ編み(四つ組み)の方法

 まず、4本を横一列に並べる。

 右から2番目(白)を上にして、左から2番目(グレー)と交差させる。

 Bの右端(赤)を真ん中の2本(白・グレー)の後ろから回して、左から2番目(白)の上に出す。

 Cの左端(黒)を真ん中の2本(白・赤)の後ろから回して、右から2番目(赤)の上に出す。

 あとはCとDを繰り返す。
なお、ここから紐の並びは次々と変わってゆくので、上記説明文とイラストの紐の色は無視する。

※ちなみにこの丸四つ編みのほかにも、少し違う編み方である平四つ編みや、さらに複雑なマクラメ編みのテクニックを使った編み方もありますが、それはお好みでチョイス…。
但し、編み方によっては最後のほうで紐の長い短いが出来てしまう場合も…。その点この丸四つ編みは最後まで比較的均等な長さで編めます。
まあ、編む長さが10cm程度しかないので大した差にはならないでしょうけど…。

ストッカーを作り始めた上部の状態

.任意の位置に一段目の“止め結び”4つを作る。

まずは「四つ編み」の部分をちょうど半分に折り曲げた状態にします。
今回はその状態をS字フックに引っ掛けて、吊り下げた状態で作業をしました。

そしてここから4本の紐は半分に折り曲げられている状態なので、その2倍である“8本の紐”でネット部分を作っていくこととなります。
その方法は、8本の紐を2本ずつに分けて4束にし、その2本ずつの4束を「止め結び」でまとめてゆく。
なおその「止め結び」は、常に同じ高さで(1段に4つ並べて)であること。

この作り方の場合、「最上部(全体の中心)から1段目の止め結びまでの間」が物を入れるところ(入口)となりますので、それを考慮して1段目の止め結びの位置を決めます。
今回は、最上部より18cm下の位置に1段目の止め結びを4つ作りました。

メッシュ部分の作り始め

.任意の間隔で交互に結んでゆく。

網目を作るために、1段に4つずつ「止め結び」を作ってゆくことになるが、その上段と下段の「止め結び」は互い違いに(段々に)なるように結んでゆく。

そしてその上段と下段の(上下の止め結び同士)の間隔は、入れる予定の野菜や果物の大きさを考慮した任意の間隔で…。
今回は、上段の止め結びの“下端”から下段の止め結びの“上端”まで4cmほどの間隔にして結んでゆきました。
この間隔の決め方は下記にて…。

最後の止め結びと房

.最後に大きい止め結びを作り、そのあと房の長さを揃える。

今回の紐の長さで段の間隔が4cmだった場合、4箇所ずつの止め結びが8~9段ほど作れます。
※段の数は、紐をカットする際の引っ張り具合・紐の種類・結び目の締め具合次第で変わるはず。

そして、紐の残りが少なくなってきたら、その最後の結び目(今回は10段目)として紐8本を全部ひとまとめにした「大きい止め結び」を作ます。

その下部には多少長さの不揃いな房(ふさ)が出来るはずですので、その下端の部分をハサミでカットして長さを揃えたら完成です。

なおこのあと、房部分の紐は撚り(より)をほどいておきました…。※下の画像参照。
撚りをほどいたらラーメンのチリチリ麺のようになっているので、霧吹きなどで水をかけて湿らせ、手で引っ張ったらそこそこピンと伸びます。

以上のように、今回は比較的簡単な4本(ネット部分では8本)の紐で作るベジタブルストッカーですが、
この2倍である8本(ネット部分では16本)の紐を使い「マクラメ編み」のテクニックを駆使してもっと複雑なデザインにバージョンアップさせたタイプを見かけることもあります。


玉ねぎの取りだし方

●「上下の結び目同士の間隔」の決め方は…。(上記工程3の続き)

例えば、主に玉ねぎを入れる場合は大きめの網目(メッシュ)にし、ニンニクを入れる場合は比較的小さめの網目にする。

ちなみに、“網目の大きさ”を玉ねぎの大きさギリギリにしておくと、一番下に入れた玉ねぎは落下せずにキープが出来、なおかつ下の網目からは取り出すことも出来る。つまり、どの網目からも玉ねぎを取りだせるので便利である…。

しかしその時々によって玉ねぎの大きさも異なると思うのですべてがそうもいかない…。
とうぜん入れるものが網目よりも大きければ取り出すのは無理だし、小さすぎると網目から落下する可能性もある。
まあ多少小さい程度ならば、玉ねぎの下に沿った4か所の紐でしっかりとキープされてはいるので落下はしにくいが…。

以上、あくまでも参考程度で…。
とりあえず自分の場合は、色んな大きさにも対応できるように大・中・小(網目のサイズが)3種類のベジタブルストッカーを作っておこうかと…。


■アレンジ No1(細い紐8本で作るタイプ)

紐が4本+4本で合計8本(ネット部分では16本になる)タイプのベジタブルストッカーも作ってみた。
なお、本数を増やすといってもマクラメ編みのテクを駆使して複雑なデザインにするわけではなく、網目を小さくするためです。
上記で作ったような4本の紐(ネット部分では8本)のままで網目を小さくすると、すごく横幅の狭いネットになってしまい物があまり入らなくなってしまうので…。

使用する紐はマクラメ用ですが、最初に作った上記のものよりも細い(太さ2mm)タイプを使います。

持ち手が2本あるタイプのベジタブルストッカー

これは、上記で作ったような「4本の紐を四つ編みでまとめた束」を2つ用意し、それを下のネット部分で合体させたタイプです。
見た目的は、2本の持ち手があるバックのような感じ…。
メリットは、こちらのタイプの方が“上記で作った四つ編み部分が1本のタイプ”のものよりも、上の入り口からは物が入れやすいこと。

ネット部分の基本的な作り方は、上記で作ったタイプとまったく同じです。ただ紐の数が多く、結ぶ間隔や所々の寸法が多少違うだけ…。
ここでは、上段の止め結びの“下端”から下段の止め結びの“上端”までの間隔は、上記で作ったタイプの半分(2cm)ほどにして網目を小さくしてあります。
このメリットは、そこそこ小さい物にも対応できること。

ちなみに、ここでのように紐の本数を2倍に増やした場合、“止め結び同士の間隔”が上記で作ったタイプと同じ4cmだったら、ネットの横幅は2倍になります。
その場合のメリットは、より大きい物を入れれたり出来ること。


■アレンジ No2(タコ糸16本で作るタイプ)

気合を入れて紐16本(ネット部分では32本)のメッシュバックも作ってみた。
ここでは8本×2束で作るタイプにします。本当はこの本数をさらにこの2倍くらいにしてみたかったが、そこまでの気合は無かった。
紐は上記よりもさらに細くなって太さ1.5mmほどの「タコ糸」を使用しています。

オレンジが沢山入っている網目の小さいメッシュバック

8本のタコ糸をまとめる方法としては、マクラメ編みの様々な手法を駆使して複雑に編み込ませる方法もあるのだろうとは思うが、ちょっと面倒…。
なのでここでは「布(両端は折り曲げて縫ってある)で包み、その上からミシンで縫い付けた」ただけにしておいた。※下部のアップ画像参考。

この場合も、ネット部分の作り方は上記タイプの工程とまったく同じです。でもさらに多くの網目を作るのでとにかく気合は必要…。

作ってみた結果、上記までのタイプより横幅が広いので、やはり多く物が入る…。

中に入れるものは限定されるかもしれないが、バックの大きさ・紐の太さ・網目のサイズ次第では、レジバックとして使おうと思えば使えなくもない。
折り畳むとすごく小さくなるし…。


■「紐のまとめ部分」のアレンジ色々

数本の紐をまとめてある部分(吊り下げる時に引っ掛ける部分)のアレンジ色々です。
最初のパターンでは四つ編みでまとめてありますが、そのほかの方法でまとめても吊り下げるという機能に関しては同じです。

紐をまとめるためのアレンジ方法

●止め結び1つだけ。

上記で最初に作ったような「四つ編み」が面倒な場合は、4本束ねてある紐の長さのちょうど中心に、ただ一箇所「止め結び」をするだけでも良い…。
とても簡単な方法です。

●輪っかなどに結ぶだけ。

例えば、紐4本を束ねて用意した輪っかに画像左のような「ひばり結び」で取り付けたり、また、その輪っかの穴に4本通してあとはネクタイを結ぶ要領で取り付けたりなども…。

この場合、別途「輪っか」を用意する必要はありますが、作業だけで言うとこれも簡単な方法です。
もちろん複雑に編み込んでも全然いいですが…。

●その他。

上記のアレンジNo2でも用いたように布で包んで束ねたり(画像右)、また、革で包んだり、別の紐でグルグル巻きにしたりなど…。


完成した3種類にそれぞれ玉ねぎとニンニクが入っている

以上のように、野菜を吊るして保存するタイプの「ベジタブルストッカー」を作ってみた。

使い方としては、上から普通に野菜を入れてフックなどに吊るしておくだけ。
なお、玉ねぎやニンニクの保存に適した環境としては、風通しの良い状態で直射日光が当たらないことが基本です。なのでもしキッチンや廊下などで保存しておく場合にしても、直接陽の当たらない場所に吊るしておく…。
保存とはいっても数カ月もの長期にわたって保存するためではなく、自分的には、購入してから使用するまでの置き場みたいな感覚で使おうかと…。

ちなみにキッチンで保存するにしても、季節に応じて冷暖房をつけたとしたら、夏は冷房をかけておくと外よりもキッチンのほうが涼しいし、冬の場合は暖房をつけていると外の方が涼しいはず…。
なので、季節や環境によってはキッチンのままだったり、その他の部屋や廊下などへ移動させたりすることになる場合もあるかもしれない…。
まあ冬の場合は、もし暖房をつけたとしても、夏にかけるエアコン(冷房)の設定温度よりも高温に設定するわけでもないし、夜中や外出時だと暖房はOFFになっているので、すぐに使い切ってしまうのであればキッチンに置きっぱなしにしておいても大丈夫だとは思うが…。
ただしこの場合、気温が低いなるべく床に近い場所に設置して。さらには暖房器具の温風や輻射熱などが直接当たらないように…。
もちろん季節に関係なく、コンロ・オーブン・その他熱を発する器具などの近くには置かない…。

なお、上記で作ったパターンをさらにアレンジして好みのデザインにしたり、入れる予定の物に合わせたサイズにするのもいい…。
今回は、野菜や果物を保存するためのベジタブルストッカーとして作りましたが、そのほかにもアイデア次第で色んな使い方も出来るはず。
例えば、縦長デザインなのでボトルバックとして使ったり、段の数を減らしてプラントハンガーとして使ったりなど色々…。


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