新鮮な野菜を求めて、山のふもとにある行きつけの産直へ…。
地元の農家さんが、店内まで直接持ち込んでこられるため、そこで売られている野菜は超新鮮。
また、少量生産されている珍しい野菜も置いてあるので、家から車で1時間半程とちょっと遠いのですが、「わざわざ行く価値あり」なのです。
その日もいつものように野菜の品揃えが豊富なので、ワクワクしながら物色していると、干し柿用の柿を発見。
生産者シールには、手書きで「平たねなし柿(これは渋柿です)」と書かれていました。
実は、その産直がある地域は干し柿が特産品。
そのせいか秋になると、すごく安価な柿が大量に店頭に並べられているのです。
あまりにも安いので、思わず購入してしまいました。
そのほかにも、細長い形のモノも売っていて、本当はこの細長い形のモノのほうがその地域の主力らしいのですが、見慣れている形の「平たねなし柿」のほうを買ってしまいました。
これらは、干して食べる専用なので、紐で縛って吊るし易いように軸がT字状にカットされています。
干し柿は、お店で買うとけっこう高いので、この時期になるとよく自宅で手作りしています。
祖母や母がよく作っていたので、その作り方を紹介します。
意外と手軽に簡単な工程で作れます。
作り方
【必要なもの】
●材料である、渋柿。
●紐 (荷造り用の紐や、料理用のたこ糸などのようなものでOK)
1.ヘタの葉を取る
まず、あたまの部分にあるヘタの葉をむしり取ります。これがあると食べる時に邪魔です。
取る時には、あまり葉の付け根から取らないほうが良いです。
付け根から勢いよく取ると、軸(枝)ごとヘタが全部取れてしまいます。
全部の葉をとりました。 スッキリ!
なんだか美味しそうです、本当に渋いのかなぁ…。
2.皮むき
軸(枝)を残したまま、皮だけをむきます。
試しに、本当に渋いのか少しだけ削って食べてみましたが、やっぱり強烈でした。
3.紐付け
軸に、ぶら下げる為の紐を付けます。仕上がりは2個で1組です。
紐の付け方は、
用意した紐を50~60㎝程の長さに切り、まず、1個目の柿の軸に、紐の端の一方をしっかりと結びます。
そして、もう一方の紐の端にも、同じように2個目の柿を結びます。
こうすると、紐の両端に実が付いている状態で、2個で1組となります。
4.殺菌消毒
沸騰したお湯の中に5秒ほど完全に沈めて殺菌消毒します。
大きめの鍋に水を入れて沸騰させ、
お湯が沸いたら、両端に実がついた紐の真ん中辺りを持ち、
サクランボのように2つ並んだ実を、沸騰したお湯の中に5秒ほど沈めます。
熱湯で殺菌することで、カビの発生を防ぐ効果が期待できます。
5.干す
干す時は、風通しの良い場所に干します。
お互いの実がくっつかないように、上下にずらして吊るします。
くっついてしまうと、その部分が乾き難くなって、カビが生えてしまうことがあります。
また、雨が降っている日は必ず室内に入れます。
6.もむ
1週間程して外側が硬くなってきたら、指で押すようにして軽くもみます。
数日したらまたもむ。これを何度か繰り返します。
こうすることで渋が早く抜けて、早く甘くなります。
もむ時は、直接手で触れたところからカビが発生しやすくなるので、キレイな手袋をしてもむか、ポリ袋に手を入れて手袋代わりにしてもみます。
【食べ頃】
大きさや種類にもよりますが、2週間程で渋が抜けた半生状態となります。
見た目には少し透明感が出てきており、中を割るとトロトロで柔らかくジューシーで、これはこれで美味しいです。
さらに長く干すと、より水分が抜けて、見た目には色が濃くなりサイズも小さくなって、触ると硬くなっていますが、その分甘さが凝縮されてこれも美味しいです。
大体、こちらのほうが一般的なもので、日持ちもします。
食べ頃は、人それぞれ違うと思いますので、お好みで…。
作りすぎてすぐに食べきれないものは、冷凍保存しておくと、食べる時に自然解凍すれば長く楽しめます。
もしアレンジして食べるなら
以前、干し柿を大量に作ってしまい、少し食べ飽きてしまったので、それを加熱してジャムを作ってみたことがあります。
結果は、なんと!、消えていた渋味が復活してしまっていて、とても食べられたものではありませんでした。
ひょっとしたら、柿の種類にもよるのかもしれませんが。
もし何かにアレンジして食べるならば、そのままカットするなどして何かに入れるか、何かにのせるか、何かと重ねるか、とにかく冷たいままが良いと思います。
例えば、干し柿を数枚にスライスし、その間にクリームチーズを挟んで、ワインのおつまみやティータイムのお供に。
また、食べやすい適当な大きさにカットした干し柿を、かぶらや大根を使った酢の物と和えるのも美味しいです。
このように、スイーツ系からお食事系までと、色々なアレンジも楽しめます。
干し柿は、アジアの一部でよく食べられいるようですが、日本においても伝統的なドライフルーツで、つるし柿とも呼ばれており、栄養価も高く身体にも良いので、保存食としても重宝されていたようです。
しかし、高カロリーなので食べ過ぎには注意です。
今回作り方を紹介しましたように、まるごと一個の生の柿が「干し柿(ドライフルーツ)」となるまでには、ある程度の日数が必要となります。
しかし、ほんの数分から2時間前後で作れるドライフルーツもあります。 下記のページにて、その作り方を紹介しておりますのでご参考までに。
↓詳しくはこちら
自家製ドライフルーツを作る おすすめの方法とは